大統領選後の暗号資産の高騰

米大統領戦で共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が民主党大統領候補のカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領をリードする展開となり、買いが加速、ビットコイン(BTC)は6日に一時75,000ドル(約1,155万円)まで上昇した。

トランプ氏の当確の情報が出た翌日には、76,890ドルとさらに最高値を更新。米国を「ビットコイン超大国」にする意向を表明し、暗号資産に対して友好的な姿勢を示すトランプ氏の当選が相場に大きな影響を与えた歴史的な日であった。

現在の米国における不明確な規制の整備をトランプ氏が行ってくれるだろう、という期待感でビットコインは最高値を更新し続ける状況が生まれているが、SEC(米証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を、大統領就任と同時に解任する意向を示し、ビジネス界の大物で今では暗号資産といえば、といった存在になっているイーロン・マスク氏に対して「政府効率化委員会」(Government Efficiency Commission)を率いるように要請していることなどが、改革の現実味をさらに増す要素となっている。

ビットコインとマイニングファームのイメージ

トランプ政権下での規制緩和とマイニング企業の支援

そのほか、マイニング企業の支援や政府によるビットコインの保有及び購入に前向きな姿勢もとっているため、これまで以上に米国内で暗号資産に関連した動きが活発化する可能性が高まっている。

マスク氏の影響でドージコインが急騰

先述した当選の暁に設立を提案した「政府効率化委員会」(Government Efficiency Commission)をマスク氏に率いるように要請した後、マスク氏はその要請にX上で応えた。AIで生成したD.O.G.Eとアピールする画像とともに、Department of Government Efficiencyというメッセージを添えられた投稿に、DOGEホルダーは熱狂。一連の流れで、ドージコイン価格は約1週間で25%上昇したほどマスク氏のDOGEに対する影響は顕著だ。

八木編集長FOCUS

マスク氏とトランプ氏の関係とその影響

トランプ氏は前回の大統領選の際、2021年に自身のXのアカウントを凍結されている。凍結直前には約8,900万人のフォロワーがいたともされており、選挙に対して影響がなかったとは言い難い状態だった。

その後2022年にマスク氏がXを買収し、トランプ氏のアカウント凍結が解除される。宇宙開発企業スペースXや電気自動車メーカーのテスラに対する規制緩和を前提に、トランプ氏に対しての支持を行うという目論見も少なからずあっただろう。

スペースXの進展と米国経済の期待

2024年10月にスペースXはスターシップロケットの5回目の試験飛行を成功。その際、スペースXが開発中の完全再使用型ロケット「スターシップ」の1段目にあたる大型ブースター「スーパーヘビーブースター」が発射塔に戻り、巨大な機械式アームで回収されるという世界初の快挙を達成。宇宙輸送コストの大幅な削減を達成しつつある。

奇抜な発想と行動力、強烈なリーダーシップを持つ彼が、現在の米国内の規制に対して本格的にメスを入れるとなれば期待せざるを得ない。

ビットコイン、最高値更新 トランプ氏リードで取引加速

[Iolite記事]
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