先週の暗号資産市場

先週の暗号資産市場は米国金融市場の特に米国株式市場の上昇を受けて堅調な展開が続きました。

前週のインフレ指標の落ち着きを受けて週明けから堅調な動きを見せました。特に分散型予測市場のプラットフォームであるPolymarket(ポリマーケット)で米国大統領選挙のオッズにおいて共和党候補のトランプ前大統領が優勢になったニュースにより押し目買い意欲も強まり、一段と堅調さを増したと思われます。

トランプ前大統領は「大統領に就任したなら、米国をBTC大国とすることを目指す。」「BTCと仮想通貨に関する諮問委員会を任命する。」「SEC(証券取引委員会)のゲンスラー委員長は解任し、暗号資産に友好的な人物を選び任命する」と今年の夏に述べています。暗号資産業界へ友好的な候補者として見られています。

一方、民主党候補のハリス副大統領は、14日に黒人企業家向けへの講演で「仮想通貨やその他のデジタル資産の規制枠組みを支援し、こうした資産へ投資あるいは所有する黒人投資家が保護されるようにする」と明言しました。

ハリス副大統領のこのニュースにより暗号資産市場は一段と堅調さを増す形となっています。

BTCイメージ

BTCの動き

10月14日に62,000ドル台で始まったBTCは66,000ドル台へ上昇しました。翌15日からは67,000ドル台でのもみ合いを続け、18日には68,000ドル台まで動きを強めました。

SECのBTC現物ETFオプション取引承認

新たな話題としては、SECがBTC現物ETFのオプション取引についての上場申請を承認しました。承認されたのは、フィディリティ、アーク、インベスコ、フランクリンテンプルトン、ヴァネック、ウイズダム、グレースケール(2本)、ビットワイズ、ブラックロック、ワルキューレの10社11本です。

オプション取引は、「①将来のある時点で ②決められた価格で ③資産を売買する権利 を取引する物です。」この取引の基本は、その資産の価格変動に対するヘッジ手段として利用されます。

BTCは1,020万円台後半、ETHは39万円台後半、XRPは81円台後半で週を終えています。

製造業のイメージ

先週の経済指標

10月15日にNY連銀製造業景況指数10月の発表があり、マイナス11.9と前月の+11.5から23.4低下しました。これは受注と出荷が低迷したもので5ヶ月ぶりの低水準となり、製造業の苦戦が続いています。

17日のユーロ圏HICP(消費者物価指数)は+1.7で前月の+2.2から低下しました。この結果の後に行われたECB金融政策会合で政策金利は3.25%となり、0.25%の利下げが2会合連続で決定されました。

米国小売売上高9月は前月比+0.4%で市場予想の+0.3%と前月の+0.1%を上回り、消費の堅調さを示しました。一方、米国鉱工業生産9月はボーイング社のストライキやハリケーンの影響を受けて前月比マイナス0.3%となり、設備稼働率も77.5と予想の77.9や前月の77.8を下回り、ここでも製造業の苦戦が見られています。

国内の全国消費者物価指数9月は+2.4%と鈍化しました。

注目された中国の2024年第3四半期GDPは、+4.6%で第2四半期の+4.7%から減速し、目標である5%前後を下回っています。

ビットコインのイメージ

今週の暗号資産

暗号資産市場は引き続き、米国の金融市場の動きを見ながらの展開が続くと考えられます。今週は経済指標の発表は少なく、余程想定外の悪い結果でも無い限り、金融市場の反応は薄そうです。株式市場は引き続き決算に注目をしていくものと思われます。注目されるのは22日の製造業としてのGMやロッキード、23日のハイテクのIBMと思われます。

リスク要因と懸念事項

リスク要因としては、やはり中東情勢とウクライナ情勢がポイントになります。

暗号資産市場での懸念事項として先週16日に自動車のテスラ社が保有するBTCのうち3,432BTCを移動したとのニュースがありました。暗号資産市場ではこのBTCについて売却の懸念が強く起こっています。

今週の暗号資産市場は基本的には、下値の堅い落ち着いた動きになると見ていますが、テスラ社の動きや地政学的リスク特に中東情勢の動きには注意が必要です。

投資家におかれましては、各経済指標の発表とともに地政学リスクの動向にも注意を払っていただくお願いいたします。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

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曜日日本時間経済イベント重要度
10 22 23:00 米国 リッチモンド連銀製造業指数 ★★★☆☆
10 23 23:00 米国 中古住宅販売件数9月 ★★★★☆
10 24 22:45 米国 PMI(購買担当者景気指数)製造業、サービス業10月 ★★★★☆
10 24 23:00 米国 新築住宅販売件数9月 ★★★★☆
10 25 21:30 米国 耐久財受注9月 ★★★★☆
10 25 23:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数10月 ★★★☆☆

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2024.11.27]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
16

合計積立金額
1,600,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %