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ナガトモヒロキ コラム|クリプト最前線 Crypto Frontiers

ナガトモヒロキ|クリプト最前線  
――Crypto Frontiers

30カ国以上の海外渡航で出会った海外富裕層との交流を深め、独自のネットワークを生かして世界を旅しながらリアルな視点でクリプトの今をリポートする。趣味は写真。トライアスリートとしても世界各国のIRONMAN RACEにチャレンジしている。

SVB破綻の影響

SVB破綻の影響

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 〜USDCの今後はいかに!?

「人間万事塞翁が馬」という古い言葉がある。一見、不運に思えたことが幸運につながったり、その逆の状況になったり、つまり幸運か不運かは容易に判断し難いという意味だ。

今週は不規則なスケジュールとトレーニングで追い込み過ぎたせいか体調も崩していた。

夕方に成田発チャンギ行きに乗らねばならない中、午前の通院が長引き猛ダッシュでGOアプリからタクシーを手配。東京駅へ到着するも、あろうことかスマホをタクシーに忘れてしまった。厳密には充電ポートにスマホを差しっぱなしにして降りてしまったのだ。普段このようなミスはしないのだがやってしまったものは仕方ない。

東京駅から成田空港までバスで約1時間。国際線の場合、いつもなら3時間前には空港へ到着する人間だが、この日はそんな余裕もなく2時間前到着でなんとか間に合うかといったところだった。

スマホを無くした現代人はなんて無力なのか。東京駅でスーツケースとバックパックを抱えて途方に暮れた。流石にスマホ無しでは仕事にならない。交番で相談するも電話を貸してもらえずコンビニでお金を崩して公衆電話へ。自分の携帯へ電話をかけるも出ないので駅の公衆WiFiへPCを接続しGOアプリの忘れ物センターへ電話する。

「恐れ入りますが、発信者番号を表示しておかけないしください。ツー…ツー……」

100円が消えた。公式サイトを見るに、メールで問い合わせをして発見された場合、数日で戻ってくるという感じに思えた。

作戦を変えてタクシー乗り場でGOタクシーのドライバーへ相談するもアプリから問い合わせてくださいと言われる始末(どうやらこの方はアプリをスマホで操作する事を知らないようだ)。まぁ仕方がない。半分諦めモードで一旦帰宅を決める。

八重洲口のタクシー乗り場は30人ほどの行列。ここで行列に並び時間を割く訳には行かないので八重洲中央通りへ移動。ほどなくしてタクシーを拾った。

ドライバーさんへスマホを忘れたことを相談すると、快く電話をかけてくれたが変わらず出なかった。焦ってもしょうがないし自宅に着くまでにつながらなければ諦めようと思っていた。

ドライバ―さんと話している中で、GOアプリに登録している会社は主に2社であることがわかり、おそらく1社の忘れ物センターに電話をしてくれた(他社にも関わらず)。私の情報を伝え、折り返しを待つも自宅へ到着。もう少し粘りましょうと言ってくれた言葉に甘えて車内で少し待つことに。その間に自宅へ戻りネットとPCを繋ぎiPhoneを探す機能で現在地を確認。

タクシーへ戻ったちょうどその時、センターから電話が来た。言われた言葉は「忘れ物はありませんでした」。

いや、そんなはずはない。iPhoneを探す機能を見る限り羽田の近くにある。

ナンバーの記憶とドライバーさんの特徴、そしてタクシーの現在地の一致からスマホは間違いなく車内にある。

もう一度確認するようにお願いし折り返しを待つこと数分。「ありました。見落としていました」と電話が。充電ケーブルに差しっぱなしだと、忘れた場所まで伝えているのに気づかないものかというツッコミはさておき、配車センターへ持っていくとなるとさらに時間がかかるので道中での合流をお願いした。

待ち合わせ場所を高速乗り場の近くに指定し、成田へ向かうスタンバイをする。ギリギリ間に合うか否かの賭け。これで間に合わなければ仕方がない。

無事スマホを受け取り、成田へ向かう。奇跡的にチェックイン締め切り時刻15分前に到着。なんとか無事間に合った。

そんな私を救ってくれたドライバーさんはAさん。タクシー業界で1割と言われている女性ドライバーだ。元々某レストランで料理長をしていた彼女は、コロナでお店が閉店した事をきっかけに2年前からこの業界へ転職されたそうだ。

成田までの道中、様々なことを話した。プライベートな事は書けないが体育会系のとても素敵な方だった。普段私はタクシーに頻繁に乗るほうだが、正直東京で良いドライバーさんに出会った事はほとんどない。おそらく他のドライバーさんだったら面倒くさがって塩対応だった事は容易に想像できる。それが悪いわけではないが普通はそんなものだ。

間違いなくAさんに出会わなければスマホが戻ることもなく飛行機も乗り過ごしていた。とんだ災難で疲労困憊だったが、それよりも素敵な人に出会えたことが嬉しくとても清々しい気持ちだった。最終的に連絡先を交換することになった。これからはGOタクシーを呼ばなくても信頼のおける素敵なドライバーさんが迎えに来てくれることになりそうだ。

結果的に成田までのタクシー代と2人のドライバーさんへのお礼で高くついてしまったが、専属のタクシードライバーさんができたと思えば十分過ぎるギフトだ。

災難が好転に繋がったまさに「人間万事塞翁が馬」な出来事があったということで、いつも以上に前置きが長くなってしまい申し訳ない。


さて、本日のメインテーマはみなさんが気になるシリコンバレー銀行(SVB)の破綻について。2008年リーマンショック以降最大の銀行破綻と言われているがその影響は果たしてどうなるのか。


先日ステーブルコインである米サークル社が発行するUSDCが1枚1ドルの価値を保持できずディペッグする事態が起こった。

問題の背景には、USDCを発行する米サークル社の準備金、約400億ドルのうちの8%(約33億ドル)ほどが、今回破綻したシリコンバレー銀行(SVB)に残されたままという発表がある。

総資産28兆円とも言われるシリコンバレー銀行(SVB)とは一体どのような銀行なのか。その名前からイメージできるように、シリコンバレーのベンチャー企業が融資を受けやすい企業として重宝されていたようだ。

預金金利も他の銀行よりも高く、SVBで口座を開設するとVCや投資家を紹介してくれることもあり、現地ではビジネスのハブとしても機能していたとのこと。

ベンチャー企業にとって口座開設は頭を悩ます作業のひとつだ。私は今シンガポールにいるが、クリプト先進国でアジアのハブであっても法人は作れるものの、銀行口座が開設できないとの巷の声を度々耳にする。

ベンチャー企業の場合、創業時は赤字が続くものだ。それだけにベンチャーへ寄り添う銀行の存在は、スタートアップの聖地シリコンバレーではなおさら存在価値が大きかったのだろう。

SVBの動きについて

・3/8 増資計画を発表

・3/9 株価60%ダウン

・3/10 SVB破綻

この数日で一体何が起こったのだろうか。今回のSVB破綻の原因として主に2つシナリオが見えてくる。

1つ目はFRBの金利引き締め、つまり利上げだ。

ほとんどの銀行は法律で定められた担保として大量の国債を保有している。SVBはパンデミック期間中に預金残高が倍増した経緯がある。この恩恵もあり、預金の増加を支える為にもSVBは米国債や、不動産担保証券などの債権を買って運用をしていた。

そんな中、長期金利が上がる。金利が上がるということは債権の価格は下落する。利回りの高い新規国債の発行は、金利上昇前の利回りの低い国債の市場価値を低下させる。これによりSVBは多額の含み損を抱えてしまった。

2つ目はSVBの増資計画が信用不安を招いてしまったことだ。

基本的に債権には期日というものがある。だが満期まで耐えられそうもないので、経営を立て直す為にお金を作るべく3/8に増資という形で新株や転換できるものの発行を発表し乗り切ろうとするが、これが逆にスタートアップの信用不安が広がる形となり預金の引き上げが殺到する事態に。結果的に取り付け騒ぎに至ってしまった。そして破綻。FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation)という米連邦預金保険公社が介入する事になった。

今後のSVBの運命はこのFDICによって決定される。このFDICは日本で言うペイオフ制度のようなもので、FDICに加盟している銀行であれば1口座につき25万ドル(約3,380万円)保護される。しかし、保護されると言ってもSVBに口座を開いているベンチャー企業にとって約3,000万円とは運転資金としても十分でもなければ人材一人分にも満たないのではないだろうか。

今後のシナリオとしてはSVBの引き取り手が現れる可能性も高い。シリコンバレーの企業にとっては大きなダメージなので、既存のベンチャー企業のエコシステムは崩れるが、米国経済全体を揺るがす事態には至らないと発言する識者も多く存在する。


では、クリプト業界についてはどうだろうか。皆さんの関心事はUSDCの運命一択と思う。

サークル社の発表によると、USDCは引き続きドルと1対1で償還できるとの事。

現在準備金は77%(324億ドル:約4兆3,600億円)が米国財務省短期証券(満期3ヵ月以内)で担保されている。この米国財務省短期証券は世界で最も流動性の高い資産であり米政府お墨付きのものだ。その流動性はBlackRockによって管理、開示されている。

残りの23%(97億ドル:1,300億円)は様々な金融機関が保有する現金で担保している。この金融機関のひとつに今回のSVBがあったとのこと(割合として8%)。サークル社の発表では銀行リスクを減らす為に米大手のBNYメロン(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)に54億ドルを預け入れたとの事。

現在USDCの準備金のうち33億ドルがSVBへ残っている。先週木曜日時点でこの残高を他行へ資金移動を行ったが金曜日の営業終了時点で決済はされていないとのことで不安が残る。だが、FDICのポリシーによると、銀行が管財人になる前に開始された送金は通常通りとして処理されるとのこと。

このポリシーが正しく適用されるのであれば木曜日に行った送金が13日月曜日に処理され無事サークル社へ戻ることになる。しかし、100%月曜日に処理されるわけではなく時間がかかる可能性も示唆している。

その場合でも外部資本を巻き込んで不足分をカバーするとのことなので、テラルナショックのような最悪の事態にはならないだろう。実際、一時121円までディペッグしたものの現在130円前後まで回復している。


それではBitLendingへの影響はどうか。はっきり言って現在のところ影響はない。SNSでもアナウンスをしたが、当社はSVBへのエクスポージャーはなく通常通り運営されている。シルバーゲートキャピタルについても同様だ。

BitLendingもおかげさまで2年目に突入した。最近では同様のスキームで高料率を謳うサービスも見受けられるようになった。料率だけが全てではないことは皆さんもご存知だと思うが、それ以上に築いて来た信用は三日三晩では成し得ない。我々としては安心安全な運営により一層神経を尖らせてこのクリプトウィンターを乗り切る覚悟でいる。

BitLendingのユーザーの皆様やBitLendingを利用したいとお考えの方がいらっしゃれば、質問や気になる事は遠慮なく問い合わせてほしい。

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