今週はビッグイベント目白押し! BTCの次のトレンドを決めるのはこれだ|週間ビットコイン予想 2025.4/21-27

先週の暗号資産市場の動向
先週の暗号資産市場は週を通じて比較的小動きとなりました。前週末に安心感の広がりから落ち着いた流れを受けてBTCは83,800ドル(約1,200万円)近辺から始まり、まずまずの動きを見せましたが、特に支援材料もなくもみ合いとなりました。
15日(火)にホワイトハウスから関税収入によるBTCの追加購入検討の話題が提供され、上昇するも86,000ドル(約1,240万円)手前から上値が重く、85,000ドル(約1,220万円)近辺へ戻されました。
株式市場では、16日(水)のパウエルFRB議長による講演から大きな下落が見られ、17日(木)はトランプ大統領によるパウエルFRB議長解任のコメントを受けた下落などがありましたが、暗号資産市場は大きな動きはなく、BTCで83,000ドル~85,000ドル(約1,180万円~約1,220万円)でのもみ合いでした。
週末の18日(金)はGood FridayでNY市場は休場となり、暗号資産市場も小動きに終始し、BTCは84,300ドル(約1,200万円)近辺で終了しています。
ETHやXRPも目立った動きはなく、ETHは1,545ドル〜1,685ドル(約22万円~約24万円)のもみ合い、XRPは2ドル〜2.2ドル(約290円~約310円)程度でのもみ合いとなり、それぞれ1,590ドル(約22.6万円)近辺と2.1ドル(約295円)程度で週を終えています。
金融市場の動きとFRBの発言
一方、金融市場では株式市場、債券市場ともにパウエルFRB議長やトランプ大統領の発言により揺れる週となりました。週初は関税懸念が緩和した前週からのムードを引き継ぐとともにゴールドマンサックスの好決算などを受けて、NYダウ平均は+312ドル、米国10年国債は4.37%となりましたが、翌15日には再度米国と中国による貿易摩擦への懸念が高まり株式市場は下落しました。
さらに16日は、シカゴでのパウエルFRB議長の講演が関税による先行きへの不透明感から利下げに対して慎重なスタンスな内容であったことから、NYダウ平均-699ドルと大きく下落しました。また、米国10年国債も4.28%へ低下しています。
17日にはトランプ大統領によるパウエルFRB議長の解任についてのコメントが出され、FRBの独立性が揺らぐとの懸念から、NYダウ平均は下落しました。18日は証券市場が休場となり、先週はそのまま終了となっています。
金融市場が荒れて終わった中で、安全資産としての金には注目が続き、金価格は1オンス3,300ドル台へ進んでいます。
経済指標の発表内容
先週発表された経済指標では、15日のNY連銀製造業景気指数4月が-8.1となり前月の-20から改善はしたものの、6ヶ月後の景況見通しが-7.4となったことから、景気の先行きに陰を落としました。
17日のフィラデルフィア連銀景況指数も-26.4と、予想の2.0や前月の12.5から-38.9へと大きく悪化し、関税による影響の大きさを感じさせる結果となっています。
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|---|
4 | 22 | 火 | 23:00 | 米国 | リッチモンド連銀製造業指数4 月 | ★★★☆☆ |
4 | 22 | 火 | 22:00 | 国連 | IMF(国際通貨基金)世界経済見通し | ★★★★★ |
4 | 23 | 水 | 17:00 | 欧州 | ユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)製造業、サービス業4 月 | ★★★☆☆ |
4 | 23 | 水 | 22:45 | 米国 | PMI 製造業、サービス業4 月 | ★★★★★ |
4 | 23 | 水 | 23:00 | 米国 | 新築住宅販売件数3月 | ★★★★☆ |
4 | 23 | 水 | 27:00 | 米国 | 地区連銀経済報告(ベージュブック) | ★★★★★ |
4 | 24 | 木 | 21:30 | 米国 | 耐久財受注3 月 | ★★★★☆ |
4 | 24 | 木 | 21:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数4/13-4/19 | ★★★☆☆ |
4 | 24 | 木 | 23:00 | 米国 | 中古住宅販売件数3 月 | ★★★★☆ |
4 | 25 | 金 | 23:00 | 米国 | ミシガン大学消費者信頼感指数4 月 | ★★★☆☆ |
今週の主要な米国企業決算発表 | ||||||
4 | 21 | 月 | CITI グループ | |||
4 | 22 | 火 | ロッキード、テスラ、3M | |||
4 | 23 | 水 | ボーイング、IBM | |||
4 | 23 | 水 | アルファベット、メタ、インテル、ペプシコ、P&G |
今週の注目ポイント
企業決算と経済指標──BTCトレンド転換の引き金となるか
今週は、ビットコインを始めとする暗号資産市場に大きな影響を与える可能性のある企業決算と経済指標が多数予定されています。特に注目されるのが、米国の主要テック企業による四半期決算です。
22日(火)のテスラを皮切りに、23日(水)のIBM、24日(木)のアルファベット(Google)とMeta(旧Facebook)など、暗号資産にも関係性の深い企業が続々と決算を発表します。
例えばテスラは、かつてビットコインを大量保有し市場に影響を与えた企業であり、今期の業績においてもBTC関連のコメントやポジションの変化が示されれば、相場は即座に反応するでしょう。特に保有BTCの売買や、収益の暗号資産利用などの方針が示されれば、材料視される可能性が高いです。

また、アルファベットやMetaといったテックジャイアントの見通しは、投資家のリスク選好や資産分配に影響を与えます。株式市場が好決算によって上昇ムードとなれば、リスクオンの流れがビットコインにも波及することが期待されます。
同時に、米国の製造業PMI、サービス業PMI、新築住宅販売、中古住宅販売などの経済指標も立て続けに発表され、米国経済の景況感を見極める重要な材料になります。特に金曜日にはミシガン大学消費者信頼感指数が発表され、今後の個人消費の強弱が見えてくるため、米ドル相場、ひいてはビットコインとの相関にも注意が必要です。
つまり、これらのイベントは、ビットコインの価格がレンジを上抜けてトレンド転換するのか、それとも再び調整に入るのかを左右する重要な要因となる可能性があります。
IMFの世界経済見通し──マクロ視点からBTCに影響も
22日には、IMF(国際通貨基金)が最新の世界経済見通し(WEO)を発表します。このレポートは世界各国の経済成長率やインフレ率、金融政策の見通しを示すもので、国際的な投資家にとってグローバル経済の「指針」となる資料です。
特に今回の発表では、米国の関税政策や欧州の成長鈍化、中国の不動産問題などを背景に、世界成長率が下方修正される可能性が指摘されています。
成長見通しの引き下げはリスクオフ要因として株式市場に影を落とす一方、ビットコインのような「非中央集権・インフレ耐性資産」への資金シフトを促進するケースもあります。特にIMFが各国の財政政策に警鐘を鳴らしたり、地政学的な不安を強調する場合は、「安全資産」としてのビットコインへの注目度が増す展開も十分に考えられます。
マクロ経済の視点から、BTCが再び世界的な資産分散の受け皿として評価される流れが強まるかどうか──そのヒントがこのレポートに詰まっているといえるでしょう。
投資家へのメッセージ
投資家の皆さまには、引き続きこうした経済指標等の発表結果を十分に確認していただき、冷静な判断をお願いしたいと思います。