BTC急落・急騰のワケ!関税と雇用統計が左右した1週間|ビットコイン予測 今週のポイント2025.2/10-16
2025.02.10
先週の暗号資産市場の動向
先週の暗号資産市場は、トランプ大統領による追加関税政策発動のニュースで一喜一憂するとともに、週末に控えた雇用統計を睨みながら、週後半は小幅ながら神経質な展開で終始しました。
週初、メキシコとカナダへの25%関税の話題から株式市場が下落するのを受けて、BTCは94,000ドル(約1,460万円)近辺まで下落しましたが、その後、メキシコのシュインバウム大統領とトランプ大統領の協議により関税発動が1ヶ月停止され、101,000ドル(約1,580万円)近辺まで上昇しました。カナダもトルドー首相との協議により発動が1ヶ月延期されています。
翌4日(火)には、中国への追加関税が計画通りに発動された影響から99,000ドル(約1,540万円)近辺に下落し、その後は、週末まで96,000ドル~99,000ドル(約1,460万円~1,510万円)での神経質な上下を繰り返しました。
週末はBTCが98,300ドル(約1,490万円)近辺、ETHが41万円台前半、XRPが376円台半ばで終えています。
先週の米国金融市場の動向
米国金融市場の先週は、予想されていたように雇用に関するデータと関税に関するニュースに一喜一憂の展開となりました。週初はメキシコ・カナダへの関税発動から株式市場は一時660ドル安まで下げましたが、発動が延期され122ドル安まで戻しています。
JOLTS求人件数と対中関税の影響
4日は対中関税の発動がありましたが、米国労働省が発表したJOLTS求人件数が市場予想の800万件や前月の815万件を大きく下回る760万件と3ヶ月ぶりの低水準となり、利下げ期待から134ドル高となりました。
ADP雇用者数と非製造業PMI
5日(水)はADP雇用者数が18.3万人増と、市場予想の15万人増を上回りましたが、消費者向けが雇用を牽引しているもののビジネスサービスや製造業が鈍化していることから嫌気はされず、52.8という低水準の発表となった非製造業PMIとともに金融緩和への期待を高めるものとなりました。米国10年国債利回りは4.42%へ低下し、株式市場は317ドル高となっています。

雇用統計と市場の反応
翌6日(木)は7日(金)に控える雇用統計に備え、利益確定売りから125ドル安と下落しました。週末を迎え7日に1月の米国雇用統計が発表されましたが、その内容は非農業部門就業者数が14.3万人増と、市場予想の17.5万人や前月の30.7万人増を下回りました。しかし、失業率が4.0%となり前月の4.1%から改善し、平均時給が前年同期比+4.1%、前月比+0.5%と上昇するなど、労働環境の良好さを示しました。
インフレ警戒と金融市場の見通し
ミシガン大学消費者信頼感指数では、1年先の予想インフレ率が4.3%と前月から1.0ポイント上昇し、2023年11月以来の高水準となりました。これにより、関税政策によるインフレへの警戒が強まりました。この結果、金融市場では3月の利下げは遠のき据え置きになるとの予想が支配的となり、また翌週にトランプ大統領が多くの国への相互関税を発表するとの報道もあり、上値を重くしました。
米国株式市場はNYダウ平均が444ドル安、S&P500が57ポイント安、NASDAQが268ポイント安で週を終えています。
今週の市場注目ポイント
今週は12日(水)に米国消費者物価指数、13日(木)に米国生産者物価指数の発表がありますが、その前にパウエルFRB議長による議会証言が上下院で行われます。米国内の物価の動向は大きなポイントになりますが、パウエル議長がどのような内容の発言をするのかが今週最大の注目点になると思われます。
貿易摩擦の懸念と追加関税政策の影響
すでに先週報道があった世界各国との相互関税が発表されるのに続き、全ての鉄鋼・アルミニウムの輸入品に対して25%の関税を課すとの方針が発表されました。これにより、米国と世界各国との貿易摩擦の懸念が高まりを見せています。
インフレ警戒とパウエル議長の証言
先週末に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数1月では、消費者が追加関税によるインフレへの警戒を強めていることが強く結果に反映されていました。トランプ政権による関税政策を中心としたインフレへの影響を、パウエルFRB議長が議会でどのように証言していくのか注目されることになります。
インフレ対応と金融政策の動向
金融当局がインフレへの対応を強く進めた結果、物価上昇率は徐々に低下し、昨年9月には利下げを行い労働環境にも配慮した金融政策を取り始めたところでした。今後、トランプ政権による政策が金融政策にどのような影響を与えると考えているのか、そしてどのように対応しようとしているのかがポイントになると思われます。
金融引締めの可能性と暗号資産市場への影響
また、もし今後の金融政策が引締め的となるのであれば、暗号資産などのリスク資産にとっては逆風と考えられます。そのため、証言の内容によっては、BTCを中心として強い調整局面を迎えることも考えられます。
トランプ大統領による暗号資産政策がまだ見えていないだけに、新政策の内容が具体化するまでは注意が必要と考えます。
投資家のみなさまにおかれましては、今週の議会証言を注視していただくようお願いします。
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
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月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|---|
2 | 11 | 火 | 23:00 | 米国 | パウエルFRB議長議会証言(上院銀行委員会) | ★★★★☆ |
2 | 12 | 水 | 22:30 | 米国 | 消費者物価指数(CPI)1月 | ★★★★☆ |
2 | 12 | 水 | 23:00 | 米国 | パウエルFRB議長機会証言(下院金融委員会) | ★★★★☆ |
2 | 13 | 木 | 19:00 | 欧州 | ユーロ圏鉱工業生産指数12月 | ★★★☆☆ |
2 | 13 | 木 | 22:30 | 米国 | 生産者物価指数(PPI)1月 | ★★★☆☆ |
2 | 13 | 木 | 22:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数2/2-2/8 | ★★★☆☆ |
2 | 14 | 金 | 19:00 | 欧州 | ユーロ圏2024年第4四半期GDP | ★★★☆☆ |
2 | 14 | 金 | 22:30 | 米国 | 小売売上高1月 | ★★★★★ |
2 | 14 | 金 | 23:15 | 米国 | 鉱工業生産指数、設備稼働率、企業在庫1月 | ★★★★☆ |
これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status
[期間:2023.06.05 〜 2025.02.11]
2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。
ポートフォリオの現在の資産価値
円
含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
円
利益率
%
積み立て回数
16回
合計積立金額
1,600,000円
ポートフォリオの構成
ポートフォリオ
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銘柄 | シンボル | 対円レート | 保有数量 | 日本円換算 | 構成比 |
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ビットコイン | BTC | [BTC/JPY]円 | 0.1523 BTC | 円 | % |
イーサリアム | ETH | [ETH/JPY]円 | 1.8884 ETH | 円 | % |
ダイ | DAI | [DAI/JPY]円 | 80 DAI | 円 | % |