イーロンマスクとドージコイン

「マスク氏とXは暗号資産を立ちあげない」ドージコインのグラフィックデザイナーであるドージデザイナー(DogeDesigner)氏が、Xの独自の仮想通貨(暗号資産)が発行される計画があるという記事に触れ、X(旧Twitter)に投稿する形で否定した。イーロン・マスク氏もこの投稿に反応。「これからも(永遠に発行することはない)」と述べた。

私個人的にも、イーロンがあらたに暗号資産を発行する可能性は極めて低く、将来的なXの万能アプリ構想の中で暗号資産決済が実装されることがあるとすれば、既存の暗号資産を活用する可能性が高いと考えている。ビットコインのみならず、イーロンといえばといった“あの暗号資産”も利用できるようになる可能性としてはあるだろう。

勝手な想像でしかないが、彼にとって万能アプリ内の決済において利便性が高い暗号資産の利用に対応することは当たり前で、アクセントとしての“遊び心”をみせるのではないかと思う。実際のところ、すでに米ドルとビットコインのライトニングネットワークを使った支払い機能は備わっている。

編集長FOCUS

8月17日、そんな思考を巡らせていた最中にウォール・ストリート・ジャーナルが、スペースXが保有していた3億7,300万ドル(約543億円)が売却されたと報じた。

同日中国不動産大手、中国恒大集団が米ニューヨークの裁判所に外国企業の破産手続きを調整する連邦破産法15条の適用を申請したことも要因とされているものの、ビットコインの価格は28,780ドルから一時24,200ドル付近まで値を下げた。

仮想通貨に対するイーロンマスクの観点

2021年イーロンは、自身の設立したテスラにおいても15億ドル分のBTCの購入を計画しているという書類をSEC(米証券取引委員会)に対して提出。

その後、2023年第2四半期の決算報告書によれば、テスラの保有するBTCはおよそ1億8,400万ドルといわれており、約2年の間にテスラだけで13億ドル近くのビットコインを売却したことになる。

このことからもイーロンにとって、投資対象としての暗号資産の捉え方と利活用という観点でみた暗号資産は少し違った様相にみえているのかもしれない。

イーロンマスクの遊び心とは?

イーロンの“遊び心”はテスラのモデル展開でよくわかる。テスラは現在「モデルS、モデル3、モデルX、モデルY」という4つのラインアップを揃えているが、これらを並べると「S3XY」となる。3は欧米において「E」を意味することもあるそうだ。モデルEではなく、モデル3となったのには米フォード社の「モデルT」と類似する可能性があるとの圧力があったともいわれているがどちらにせよ、イーロンにとっての遊び心は仕事をSEXYにする上で欠かせない要素の1つなのかもしれない。

今思えば、1つ面白い動きもあった。バイナンスジャパンの正式なサービス開始時、「DOGE」と「SHIB」も取扱銘柄に入った。水は上から下に流れるとはよくいったもので、情報や時代の流れも例外はないと思っている。一線級の暗号資産交換業者の動きは何かしらの意図が隠れているかもしれない。

そもそも、日本のXのユーザー数は、米国に次いで2番目。Xにとって日本のユーザーは規模は大きく、重宝すべき層だと意識しているだろう。仮にイーロンお気に入りの「DOGE」がXで使われるような未来があるとしたら、バイナンスジャパンがこの銘柄を取り扱えるようにしておく理由が透けてみえる気もする。Xに因んで、Xから始まる暗号資産の取り扱いもあったらそれもまたSEXYかもしれない。

イーロン・マスク氏、Xを通じた独自暗号資産の発行について否定

[Iolite記事]
イーロン・マスク氏、Xを通じた独自暗号資産の発行について否定