先週の金融・暗号資産市場サマリー

先週の金融市場と暗号資産市場は、9月5日(金)の雇用統計で非農業部門就業者数が2.2万人の増加と低調な結果を示したことから次回FOMCでの利下げ期待が高まり、週の注目材料であるPPI(生産者物価指数)とCPI(消費者物価指数)の発表に向けて底堅い動きとなりました。株式市場では3指数が史上最高値を更新する場面もあり、暗号資産も堅調な動きをみせました。

9月8日(月):利下げ観測が相場の下支えに

9月8日は前週の雇用統計の結果を受けた利下げ確率100%の雰囲気が継続し、米国10年国債利回りは4.04%へ低下するなど、株価は底堅い動きとなりました。暗号資産もBTCが111,000ドル近辺(約1,630万円近辺)から始まり一時113,000ドル(約1,660万円)を覗くような場面もありましたが、110,600ドル近辺(約1,620万円近辺)で終わっています。

9月9日(火):株高継続、暗号資産も追随

9月9日も株式市場では利下げ期待ムードが続き3指数が揃って史上最高値を更新する展開をみせました。暗号資産市場は株式市場に引っ張られるようにBTCが113,300ドル(約1,665万円)近辺まで上昇する場面をみせ、終値は111,500ドル(約1,640万円)近辺でした。この日はETHも4,390ドル(約64.5万円)近辺、XRPが3.05ドル(約446円)近辺まで買われる場面がありました。

9月10日(水):PPI・CPIを前に様子見

9月10日になるとPPIやCPIの様子をみようとの動きもあり、NYダウ平均は220ドル安でした。S&P500とNASDAQも若干の上昇はありましたが、おとなしい1日となりました。暗号資産市場も同様で、BTCは111,500ドルを中心としたもみ合い、ETHは4,425ドル(約65万円)程度まで上昇しましたが、4,350ドル(約64万円)程度で終わりました。

物価指標の結果と市場インパクト

8月のPPIは予想外の低下となり、前月比-0.1%でした。前年同月比でも+2.06%と、市場予想の+3.3%や7月の+3.1%を下回り、利下げをフォローする展開となりました。

9月11日(木):CPI発表!

9月11日は今週で最も注目された8月のCPIが発表され、その結果は前月比+0.4%と、利下げ期待が後退するような結果でしたが、同日発表された失業保険申請件数が増加し、雇用不安を正当化する結果となったことから米国10年国債利回りは4.02%へ低下し、株式市場は大幅高となりました。NYダウ平均+617ドル、S&P500+55、NASDAQ+157でした。暗号資産市場も堅調な展開をみせて、BTCが115,500ドル近辺(1,690万円近辺)まで買われて終わり、ETHは4,500ドル(約66万円)台前半まで一時買われ4,430ドル台後半、XRPは3.10ドル(約450円)近辺まで買われて終わりました。

9月12日(金):株は反落も、暗号資産は堅調

9月12日になるとNY株式市場は前日の買われすぎの反動か、273ドル安で終えました。しかし、暗号資産は堅調な動きとなり、BTCが116,600ドル台(約1,710万円)まで買われ116,000ドル台(約1,700万円)で終わりました。ETHは4,760ドル台(約70万円)、XRPは3.15ドル(約460円)台前半まで買われ、それぞれ4,700ドル(約69万円)台半ばと3.15ドル近辺で終わっています。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

曜日日本時間経済イベント重要度
09 15 10:30 中国 新築住宅販売価格8月 ★★★☆☆
09 15 11:00 中国 小売売上高、鉱工業生産指数8月 ★★★☆☆
09 15 21:30 米国 NY連銀製造業景気指数9月 ★★★☆☆
09 16 21:30 米国 小売売上高 8月 ★★★★★
09 16 22:15 米国 鉱工業生産指数、設備稼働率8月 ★★★★☆
09 17 21:30 米国 住宅着工件数8月 ★★★☆☆
09 17 27:00 米国 FOMC(連邦公開市場委員会) ★★★★★
09 18 21:30 米国 フィラデルフィア連銀景況指数9月 ★★★★☆
09 18 21:30 米国 新規失業保険申請件数9/7-9/13 ★★★☆☆
09 19 08:30 日本 全国消費者物価指数(CPI)8月 ★★★☆☆
09 19 未定 日本 日本銀行金融政策決定会合 ★★★★☆
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マクロイベントの注目点

今週は日米で金融政策を決定する会合が開かれます。米国では16日‐17日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催され、久しぶりの利下げが行われるのではないかと金融市場、そしてトランプ大統領が楽しみとしています。今回利下げが行われた場合、金融市場がどのように反応していくのか注視していかなくてはいけません。というのも、先月のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演から株式市場は大きく上昇しており、中心指標のS&P500は2.3%上昇しました。水準としても多くの大手金融機関が目標水準としていた6,500を超え6,600に迫っています。株式市場では「噂で買って、事実で売る」とよくいわれています。今回は利下げ後に、投資家がどのような判断をして行動するのか十分に見極める必要があると考えています。

また暗号資産市場についても、金融市場とは異なる方向性に向かうと考えてはいますが、機関投資家がかなり参入してきているだけに目先は金融市場の動きに引きずられる可能性が高いと考えています。

さらに週末19日(金)に日本銀行の金融政策決定会合が開かれます。今回の会合での利上げはほとんど予想されていませんが、同日に国内CPIの発表もあり、米国FOMCの結果も参考として利上げを行う可能性もゼロではありません。米国が利下げを行い、日本が利上げを行えば、当然ドル円相場が反応する可能性がありますので、この会合の結果についても注視すべきだと考えています。

利下げとリスク資産の関係

一般的に、政策金利の低下は割引率の低下を通じて株式の理論価値を押し上げます。また、流動性環境の緩和が投資家のリスク許容度を高め、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産にも資金が流入しやすくなります。短期的には「イベント前に期待で買い、結果で利益確定」の値動きが起こりやすく、発表直後にボラティリティが高まる点には注意が必要です。

一方で、物価指標が強めに出た場合は「利下げ幅が市場想定より小さくなる/利下げ時期が後ずれする」といった再評価が起こり、長期金利の跳ね返りや株・暗号資産の反落につながることもあります。ポジションサイズ管理や指標発表時刻(JST換算)を意識したリスク管理が有効です。

BTC積立企画

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.11.02]

ポートフォリオの現在の資産価値
 円

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
 円

利益率
%

積み立て回数
16 回

合計積立金額
1,600,000 円

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %
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