BitLending|最高利率10% 預けて増やす暗号資産レンディング
ナガトモヒロキ コラム|クリプト最前線 Crypto Frontiers

ナガトモヒロキ|クリプト最前線  
――Crypto Frontiers

30カ国以上の海外渡航で出会った海外富裕層との交流を深め、独自のネットワークを生かして世界を旅しながらリアルな視点でクリプトの今をリポートする。趣味は写真。トライアスリートとしても世界各国のIRONMAN RACEにチャレンジしている。

2023年度 事業報告会の開催を振り返って

2023年度 事業報告会の開催を振り返って

事業報告会と運用レポート開示の歴史

先日2月27日に弊社虎ノ門オフィスで2023年度BitLendingの事業報告会を行なった。
思い起こせば初めてBitLendingの事業報告会を開催したのは2022年12月。当時はオンラインで行った。

今でこそレンディングというものはそこそこ認知されているが、我々がサービスをローンチした2022年はとても厳しい向かい風の中スタートすることとなった。1月初頭、1BTCは500万台で推移していた。当時ほとんどの大手機関投資家は年度末には1BTCあたり10万ドルに達する見込みを発表していた。

だが、コロナ後のインフレが問題でただでさえ世界経済が歪んでいる最中、2月のロシアウクライナ問題、5月にはテラルナショック、6月にはアメリカの大手レンディング企業セルシウスが出金を停止、その後破綻。7月にはシンガポール大手ヘッジファンドのスリーアローズキャピタルが破綻、そして11月FTX破綻、その影響を受けたアメリカ大手レンディング企業BlockFiも破綻。文字通り激動の年となった。 現在、国内でレンディングサービスを営むにあたり金融庁管轄のライセンス取得の義務は無い。つまりやろうと思えば誰でもできる。更に我々のようなレンディング専門事業者は暗号資産取引所ライセンスでも無ければ上場企業でも無いので財務状況の開示義務も無い。悪く言えば中身が見えないビジネスモデルということだ。

「どのようにサービスの信頼を築いていくか。」この部分を我々は特に大切に向き合ってきた。BitLendingリリース当時は2020年に買収した月刊暗号資産という雑誌を弊社としてもリブランディングしている最中で雑誌の影響力という面では信頼に値するかは弱かった。更に弊社にはクリプト有名人なる人間がいるわけでもない。

いくら貸借料が高くても運営が見えないサービスでは試しに数十万は入金しても、100万、1000万、1億と大金を預けるサービスにはならないだろう。だからBitLendingのサービスとしての信頼を築く以前に運営者として、人間としての信頼を得なければならないと思った。清く正しく運営を続けて実績を作り上げて行けば、運営者である人間の信頼からサービスとしての信頼へ移行したタイミングでビジネスが指数関数的にスケールすることはなんとなく分かる。

先ずはその第一歩、少しでもお客様に透明性のある健全で健康な運営を続けて行こうというビジョンの元、私長友は365日のカスタマーサポートを公言して自分の名前を全面に出して公式LINEでのサポートを始めた。通常、サービスをローンチしたタイミングでは質より量、つまり顧客の数が大事になるが、量より質。私は逆の選択をして向き合ってきた。

meeting2023

貸借料を創業時から変えていない事実

2023年度に入り第二四半期から運用レポートを開示することになった。理由は他社がやっていなかったというのも大きいが、何より自社の運営に自信があったから。

レンディングの性質上、市場の収益機会で貸借料は変動する。これまでのレンディング業界では毎月貸借料が変わるのが常だった。レンディング事業者としてもマーケットが悪くなり収益機会が減ったら貸借料を下げることができるので無理なく運営を続けられることもこの事業の良い部分でもあったが、BitLendingが登場したことで、毎月変動する貸借料に「貸借料が変わらない」という風穴を開けた。

実際、変わらずやれたので変えてないだけなのだが、変わらないのであれば変わらないなりの理由がある。だからそのエビデンスとして四半期ごとの運営レポートを開示することにした。ここまで中身を開示しているレンディング事業者はグローバルで見ても居ない。ベア相場でもブル相場でも一定の収益を産むことができる戦略でポートフォリオを構築し、時には提携ファンドと共同研究を行った。そして2022年の激動の冬を乗り越えたことでノウハウが身についた。

今でこそBitLendingのアクティブユーザーは6000人を超え、累計の預入金額の総量(TVL)も90億を超えた。(2023年度末締め)おそらBitLendingは日本一の規模のレンディングサービスだと思う。この運用レポートはこれからも増え続ける顔が見えないお客様とのコミュニケーションのひとつと捉えている。今後も継続していくので是非お手隙で確認して欲しい。マイページから確認できる。

2023年10〜12月期 運用レポート解説

詳細は資料を見て頂きたいが、第三四半期(7~9月)と比べて大きく異なる戦略がある。ポートフォリオの比率だ。第四半期はBTCの比率を大幅に上げた。理由はBTCの現物ETFの承認が現実を帯びてきたからだ。アメリカの利上げペースの落ち着きを見越してステーブルコインの比率を下げたことも投資戦略として功を奏した。

2023年度は結果的に年間22.77%の運用パフォーマンスを生み出すことができた。皆様へお渡ししている貸借料はこの収益が原資となる。今年に入りBTC現物ETFの承認も現実となり、市場の盛り上がりは言うまでも無い。投資戦略は都度最適化しているが、業界にいるくせに暗号資産マーケットに冷ややかな視線を向けている人間として有名な私も本年度の市場の動きは非常に楽しみにしている。

本年度の予定していること

  • 会場にいらした方々にはお話しさせてもらったが、弊社の動きをお話しできる部分のみお伝えさせていただく。昨年私が居住するUAE(アラブ首長国連邦)にてJCAM MIDDLE EASTの法人登記を完了させた。私がドバイ法人のCOOとして在籍している。現在、日本でいう金融庁のような機関である現地の暗号資産規制当局のVARA(Virtual Assets Regulatory Authority)にレンディングのライセンスの申請中である。今後はUAEを拠点にグローバルでのユーザー獲得に向けBitLendingのサービスを拡大していく。承認されればUAE初のレンディング事業者となり非常に名誉な称号を手にすることとなる。(VARAの審査は非常に厳しい。)
  • 更にUAEでのサービス開始に合わせ日本向けサービスサイトのリニューアルも予定している。そのタイミングで国内利用者向けのレンディングに付随する新たなサービスもローンチする予定だ。レンディングで得た貸借料を利確以外で利用する選択肢が増える形となる。また、大口のお客様にとっては特にインパクトの大きい安全安心に特化したプランも考えている。是非楽しみにしていて欲しい。
  • 今年8月に東京(ザ・プリンス・パークタワー・東京)で開催されるアジア最大のクリプトカンファレンスであるWebX(CoinPost主催)にBitLending、Iolite共同で出展する予定だ。https://webx-asia.com/ja/ この期間でWebXとは別でサイドイベントの検討もしている。海外では当たり前のカンファレンスだが、日本に居ながらクリプトの最新動向を肌で感じる貴重な機会。是非皆様にもご来場頂きたい。詳細は追ってアナウンスさせていただく。
  • 細かい部分の話をすれば様々なアップデートも予定しているが、皆様へお伝えしたい1番大事な部分としては国内の規制の部分だ。

昨年BitLendingを模倣したようなサービスが出回り、私のもとにも多々連絡が来た。最近でもXなどでインフルエンサーが最高料率を謳った新しいレンディングサービスを紹介したりしている。どのサービスを選ぶかはお客様の自由だからそもそも私がとやかく言う筋合いは無い。インフルエンサーも宣伝しアフィリ収入を得ることが仕事だからだ

だが、高い料率に踊らされて運営の実態が見えないサービスに資金を簡単に投入ことには警鐘を鳴らさせて頂く。我々はIoliteというメディアも運営している性質上、横のつながりも非常に多い。通常クリプト関連のサービスを国内で行う場合、例えば元取引所とか元〇〇のプロジェクト出身など、業界の経歴があるものだ。そして何より誰かしら会社として横のつながりがある。我々でさえ皆様がご存知のライバルサービスとも横の繋がりがあるくらいだ。カンファレンスで顔を合わせて立ち話しをしたり、時には取材させて頂くことだってある。

その反面、よくわからないサービスに限って運営実態が見えない。代表の名前も知らなければ横のつながりも誰も無かったりする。正々堂々勝負してきた我々にとって脅威では無いのだが、日々お客様の相談を聞いていると特に最近クリプトを触り始めた方々はDYOR(Do Your Own Research)の感覚が無い方も多いように思う。

冒頭でもお伝えしたが現在国内レンディング事業者に係る金融庁ライセンスの設定は無い。どこかの事業者がスキャム(詐欺)だった場合、業界に煽りがくることも大いに想定される。だが、明確な規制があれば不適切な事業者は淘汰され市場には正しいプレイヤーだけが残る。市場規模の拡大と共に求められるフェーズは変わっていくのは当然だ。

規制が無いなら創る。その意味で海外のクリプト先進国に倣い、レンディング専用などの細分化されたライセンス体系の必要性を現在金融庁に提言している。レンディングは外貨獲得の手段でもある。顧客保護の観点からも業界をルール作りから整備していき末長く事業を継続していくことで日本経済にもお客様のお財布にも貢献していこうというのが我々の考えだ。

オフ会について

今回事業報告会には30名ほどの方が来場してくれた。事業報告会の後に開催したオフ会では20名の方が来てくださった。この日の為にわざわざ長崎や福岡から来てくれた方もいた。暗号資産はまだまだ日本ではマイナーな分野である。地方に住んでいる方にとっては周りの友人や家族と議論する隙間も無いだろう。オフ会は今後も定期的に開催する。是非この機会に様々な方と繋がり情報交換や交流を深めて頂くきっかけにして欲しい。

私としては皆様でBitLendingを大丈夫かな?と大いに監視して頂きたい。デューデリはそうやって多方面からするものである。説明できないものは投資ではなく投機である。私はもうすでにUAEに帰国してしまったが次回の帰国時(5月予定)にはまた全国各地を回る。仙台、名古屋、大阪、京都、福岡、沖縄など、行く先々でオフ会をしようと考えている。まだお会いしてない沢山の方にお目にかかれることを楽しみにしている。




【ビットレンディング長友LINE@】