ビットコイン(BTC)今後1週間の分析と見通し|2026.01/26-02/01
先週のマーケットは、トランプ大統領のグリーンランド問題を起点とした米欧対立・関税観測で大きく揺れました。米国株は祝日明けに急落し、その後は発言の軟化で反発に転じた一方、米10年債利回りの上昇など「リスクイベントに敏感な地合い」が続きました。暗号資産もこの流れを色濃く反映し、ビットコインは株安局面で大きく下押ししたものの、株式ほどの戻りはみられず、週を通じて上値の重さが目立ちました。ETH・XRP・SOLも概ね連動し、戻り局面で勢いが続かない展開です。
こうした「ヘッドラインで急変しやすい環境」を踏まえると、今週のビットコインは、FOMC(米金融政策)や主要企業決算、政治発言のトーン変化を材料に、短期的なリスクオン/オフの切り替えが価格を左右しやすい局面です。本記事では、先週の値動きが示した需給の特徴を整理した上で、「今週どこをみればよいか」を予想・分析していきます。
【免責事項】
本記事は、市場動向の情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘や特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。最終的な投資決定は、お客様ご自身の判断と責任において行われますようお願いいたします。掲載された情報の正確性や完全性について、一切の保証を行うものではありません。
BTC/JPY(bitFlyer)1時間足:EMA20・EMA100、出来高、MACD(12,26,9)|Chart by TradingView
ビットコインテクニカル分析
ここからは、BTC/JPY(bitFlyer)1時間足のチャートをみていきましょう。短期の流れを捉えるEMA20(ライトグリーン線)と、相場の基調を示すEMA100(パープル線)を軸に、出来高で売買の勢いを確認しつつ、MACD(12,26,9)でモメンタムの変化をチェックしていきます。
なおBTC/JPYは円建てのため、ドル円の変動(円高・円安)が同じBTCの値動きでも見え方を変えやすく、円高局面では上値が重く、円安局面では下落が和らぎやすい点も意識しておきたいところです。
現在のBTCトレンド判断
1時間足チャート:安値更新による下圧力の継続
直近安値がさらに切り下がり、約1,330万円(厳密には1,330万4,000円付近)があらたな最安値として意識されています。
価格は依然として短期の約1,358万円や、より強い抵抗となる約1,392万円のラインよりも下に沈んでいます。上昇しようとするたびにこれらの移動平均線が壁として立ちはだかるため、反発してもすぐに押し戻されやすい、下方向への圧力が非常に強い状態が続いています。
補足|日足チャートでみる:強い下落トレンドの形成
日足チャートでみると、現在の価格は、短期移動平均線(EMA20:約1,421万円)と長期移動平均線(EMA100:約1,473万円)の両方を大きく下回っています。移動平均線の並びも、上から「長期・短期・価格」の順になっており、これは教科書通りの強い下降トレンドを示しています。
この形では、価格が少し反発したとしても、上に控える移動平均線が強固な「蓋(ふた)」のように機能します。そのため、一時的な上昇はあっても、中期的には戻り売り(上がったところで売る勢力)が非常に有利な状況です。
判断材料となる重要価格マップ
| 区分 | 価格水準(目安) | テクニカル根拠・戦略 |
|---|---|---|
| レジスタンス③ | 1,421万円 | 日足EMA20。中期トレンドの転換点です。 |
| レジスタンス② | 1,392〜1,400万円 | 1時間足EMA100。ここを抜けると地合いがいったん落ち着きます。 |
| レジスタンス① | 1,358万円 | 1時間足EMA20。最初の戻り売りゾーンです。 |
| 最重要分岐 | 1,330万円 | 直近最安値です。ここを割ると一段のパニック売りに警戒が必要です。 |
| サポート | 1,310万〜1,300万円 | 1,330万円を割れた場合の次の着地点です。 |
上値の抵抗(赤:レジスタンス):戻りを阻む3つの関門
上方向には、現在の下落トレンドを象徴する3つの厚い壁が存在します。
- レジスタンス①(1,358万円): 1時間足の短期的な平均線(EMA20)です。下落の勢いが強い局面では、まずここが「戻り売りの最初の狙い目」となり、反発をおさえ込みにきます。
- レジスタンス②(1,392〜1,400万円): 1時間足の長期的な平均線(EMA100)に、心理的な節目である1,400万円が重なる帯域です。先週も1,400万円を割り込んでから戻りが鈍くなっているため、ここを突破できるかが「地合いの改善」を占う大きな分岐点となります。
- レジスタンス③(1,421万円): 日足レベルの平均線(EMA20)であり、中期トレンドの境界線です。週の終わりまでにここを回復できれば、先週からの弱気ムードを一掃し、再び強気相場へ転換するシグナルとなります。
下値の支持(青:サポート):崩壊を防ぐ防衛線
下方向には、下落が加速するか踏みとどまるかをわける死守ラインが設定されています。
- 最重要分岐(1,330万円): 現在のチャートにおける「直近最安値」です。今週、価格がここを割り込むことなく推移できれば、売り圧力が一巡したとみなされ、レンジ形成への足掛かりとなります。
- 最終防衛ライン(1,300万円): 1,330万円の底が抜けてしまった場合の、心理的・実質的な着地点です。ここを割ると一段とパニック的な売りが広がるリスクがあるため、文字通り「最後の砦」として意識されます。
現在は「レジスタンス(赤)」の方が圧倒的に多く、上値が重い状況です。まずは1,330万円(直近最安値)の底を割らずに耐え、1,358万円(レジスタンス)の第一関門を突破して、レンジ化へ持ち込めるかどうかが今週の焦点となります。
今週のMACD
今週のMACD(移動平均収束拡散手法)の状態と、それが示唆する今後の展望について解説します。
現状のMACDステータス
- 1時間足(短期): MACDラインとシグナルラインがマイナス圏の深い位置で推移していますが、ヒストグラム(棒グラフ)の赤色が薄くなり、反転の兆しをみせています。これは急激な下落の勢いが一旦おさまり、「売られすぎからの自律反発」が入りやすい状態であることを示唆しています。
- 補足|日足のMACDをみると: 1月中旬のデッドクロス以降、明確にゼロラインを下回る下降トレンドが継続しています。ヒストグラムも依然としてマイナス圏で推移しており、中期的な下落圧力はまだ解消されていません。
今週の注目ポイント:強気・弱気の分岐
今週のMACDで特に注視すべきは、以下の2点です。
【強気のサイン:レンジ化への移行】
1時間足でMACDがゴールデンクロスを確定させ、ゼロライン(中央の境界線)に向かって上昇を始めれば、「1,330万円」での底打ち成功の可能性が高まります。この場合、1,358万円から1,392万円付近を目指すリバウンドが期待できます。
【弱気のサイン:下落加速】
もし1時間足のMACDがゼロラインまで戻りきれずに再び下を向いてしまう、あるいは日足のヒストグラムがさらに一段と深くなる(赤色が濃くなる)場合は、「戻り売り」の勢いが再燃します。このパターンでは、1,330万円を割って1,300万円の大台を試す展開が現実味を帯びてきます。
「底打ち」の確信を持つには:
1時間足のゴールデンクロスだけでは騙し(ダマシ)になることが多いため、価格が重要抵抗帯である1,358万円を超えたタイミングで、MACDがしっかり上向きを維持しているかに注意してください。
深追いは禁物:
日足のMACDがゼロラインより下にあるうちは、たとえ1時間足が好転しても「一時的な戻り」に過ぎない可能性があります。週の後半にかけて、日足のヒストグラムが改善(色が薄くなる)し始めるかが、来週以降の本格反転に向けたカギとなります。
想定される今週のシナリオ
最新のチャート数値と先週の市場動向(グリーンランド問題等のファンダメンタルズ)を統合し、目先1週間の2つのメインシナリオを詳細に解説します。
戻り売り継続シナリオ
先週の「株式市場が反発しても暗号資産は伸び悩む」という弱い地合いを引き継ぐ、トレンドフォロー(順張り)の考え方です。
【値動きのイメージ】
- ステップ①(戻り): まずは自律反発により、1時間足の抵抗帯である1,358万円前後まで価格を戻します。
- ステップ②(失速): 日足レベルの強い売り圧力におされ、この付近で上昇が止まります。
- ステップ③(再下落): 再び1,330万円(直近最安値)を試しにいき、ここを割り込むと1,310万〜1,300万円への一段安となります。
【このシナリオのポイント】
- EMAの向き: 日足・1時間足ともにEMAが下向きであり、価格がその下にあるため、統計的に「上がったら売る」勢力が有利な局面です。
- 先週の反応: グリーンランド問題の懸念後退というプラス材料に対しても反発が弱かったことから、買い意欲よりも売り圧力が勝っていると判断できます。
レンジ化シナリオ(対抗:さげ止まり)
急落による「売られすぎ」が意識され、一定の価格幅のなかで横ばいの動きを続けるパターンです。
【値動きのイメージ】
- 想定幅: 1,330万円〜1,392万円/1,400万円
- 特徴: 安値の1,330万円付近では買い支えが入るものの、1,400万円の大台や日足EMA20(1,421万円)が重い蓋となり、方向感を失ったまま週を終えます。
【このシナリオのポイント】
- パワー温存: 1月中旬からの大きな調整が一巡し、次の材料が出るまで市場が様子見に入る場合、この形になりやすいです。
- 底固め: 日足レベルでさげ止まるには、このレンジ期間中に「安値を切り上げ、EMA20を徐々に横ばいにさせる」という時間が必要になります。
今週注目すべき経済イベント
今週は、2026年最初のFOMC(連邦公開市場委員会)が最大の焦点となります。12月の利下げを経た現状維持のスタンスが予想されるなか、金融当局が今後の指標をどう評価するかがカギとなります。
特に以下の3つのポイントに注目して市場動向を追う必要があります。
- FOMC(28日28:00発表) 政策金利の変更自体よりも、その後の声明や当局のスタンスが「今後の経済指標次第」という慎重な姿勢を維持するかどうかが重要です。
- 景況感・消費関連指標 CB消費者信頼感指数(27日24:00)やシカゴ購買部協会景気指数(30日24:00)は、利下げ後の実体経済の底堅さを測る上で外せない指標となります。
- 資金シフトの動向 地政学リスクを背景とした貴金属(金・銀)への資金流入が続くなか、これらの指標結果を受けて、いつ株式市場や暗号資産市場へ資金が回帰し始めるか、その兆候を見極める週となりそうです。
トランプ大統領の一般教書演説(2月24日)までまだ時間があるため、当面はこれら経済指数の「数字」そのものが、もちあい状態の市場を動かす直接的な材料となるでしょう。
今週の経済イベントカレンダー
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
| 月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 01 | 26 | 月 | 22:30 | 米国 | 耐久財受注 11月 | ★★★☆☆ |
| 01 | 27 | 火 | 23:00 | 米国 | S&P ケースシラー住宅価格 11月 | ★★★☆☆ |
| 01 | 27 | 火 | 24:00 | 米国 | リッチモンド連銀製造業指数 1月 | ★★★☆☆ |
| 01 | 27 | 火 | 24:00 | 米国 | CB消費者信頼感指数 1月 | ★★★★☆ |
| 01 | 28 | 水 | 28:00 | 米国 | FOMC(連邦公開市場委員会) | ★★★★★ |
| 01 | 29 | 木 | 22:30 | 米国 | 貿易収支 11月 | ★★★☆☆ |
| 01 | 29 | 木 | 22:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数 | ★★★★☆ |
| 01 | 30 | 金 | 22:30 | 米国 | 生産者物価指数(PPI)12月 | ★★★★☆ |
| 01 | 30 | 金 | 24:00 | 米国 | シカゴ購買部協会景気指数(PMI)1月 | ★★★☆☆ |
まとめ:正念場の1週間、1,330万円を死守しトレンド転換を待てるか
先週の市場を揺るがした「グリーンランド問題」に伴う米欧対立の懸念は、トランプ大統領の関税撤回発言によっていったんの落ち着きをみせました。しかし、ビットコインを始めとする暗号資産市場は、株式市場ほどの力強い反発を見せられず、依然として「戻り売りの圧力」が支配的な状況にあります。
今週、ビットコインが現在の弱気トレンドを打破し、反転のきっかけを掴めるかどうかは、以下の3点に集約されます。
- 「1,330万円」の防衛 直近安値であるこのラインを割り込まずに推移できるか。ここが崩れると、1,300万円の大台を試すパニック売りのリスクが高まります。
- FOMCと経済指標 28日のFOMC声明や消費者信頼感指数などの重要指標を受け、リスク資産への資金回帰が起こるかどうかです。
- 1時間足MACDの好転 テクニカル面で「売られすぎ」のサインが出ている今、短期的な底打ち(ゴールデンクロス)を確定させ、1,358万円の第一関門を突破できるかです。
現在は日足レベルで強い下降トレンドが形成されており、「上がれば売りたい」と考える勢力が有利な地合いです。無理に底を拾いに行くよりも、まずは1,330万円付近での下げ止まりを確認し、上値の抵抗帯(1,358万円〜1,400万円)を段階的にクリアしていくのを待つ、慎重なスタンスが求められます。
政治的なヘッドライン1つで価格が急変しやすい環境は続きますが、まずは週末にかけて「安値の切り上げ」がみられるか、あるいはレンジ内でのパワー温存に移行できるかに注目してチャートを追っていきましょう。