今週のビットコイン

今週のビットコイン

今週のビットコイン市場の見通しをまとめています。先週のマーケットの振り返りや、今週の経済イベントについても注目ポイントを明らかにして、トレード戦略の組み立てをサポートしています。

米雇用統計・CPI×日銀会合で何が起きる?円キャリー解消リスク?暗号資産への影響を整理|ビットコイン予測 今週のポイント2025.12/15-21

2025.12.15

先週の米国金融市場・暗号資産市場の総括

先週の米国金融市場は、12月9日(火)〜10日(水)に開催されたFOMCを控えて週前半は様子見ムードが強く、FOMCで市場予想通りの利下げが実施されたことで、週後半は株式市場が上昇しました。

一方で暗号資産市場は、利下げが行われたものの大きな反応はみられず、週後半も90,000ドル(約1,395万円)〜94,000ドル近辺(約1,460万円)のレンジで推移しました。

補足:12月9日〜10日のFOMCでは、政策金利(FF金利)の目標レンジが0.25%引き下げられ、3.50%〜3.75%となりました(声明)。今後の追加利下げについては「データを慎重に評価する」姿勢が示されています。

出典:FRB FOMC声明実施ノート

日別のマーケット概況

12月8日(月)

8日は、FOMC開催に向けて様子見ムードが強く、株式市場は上値の重い展開に終始し、NYダウ平均は-215ドルと3市場とも安く引けました。

暗号資産市場も同様で、BTCは92,000ドル台(約1,430万円近辺)から始まりましたが上値を試す場面はほとんどなく、90,000ドルを割れて89,000ドル台(約1,390万円近辺)まで下落しました。

12月9日(火)

9日も前日の動きを引き継ぎ、株式市場は上値が重く、特にIT・ハイテク株が重しとなりました。

暗号資産市場も小動きに終始し、BTCは89,000ドル台後半〜92,000ドル台前半で推移し、90,600ドル近辺(約1,410万円台)での推移が中心でした。

12月10日(水)

10日はFOMCで、市場予想通りに政策金利の0.25%引き下げが発表されました。株式市場は素直に反応し、3市場とも上昇しました(NYダウ平均+497ドル、S&P500+46、NASDAQ+77)。

暗号資産市場も上値を試す場面をみせ、BTCは一時94,500ドル近辺(約1,470万円台)まで上昇しましたが、その後は売りに押されて92,000ドル近辺まで戻しました。

補足:政策金利の引き下げは一般に「リスク資産(株・暗号資産)に追い風」になりやすい一方、利下げ理由が景気悪化(リセッション懸念)に寄ると、短期的にはリスクオフが優勢になる局面もあります。今回のように「利下げはしたが、その先はデータ次第」というメッセージは、BTCにとって一方向の強い材料になりにくく、レンジ継続になりやすい点に注意が必要です。

出典:FRB FOMC声明

12月11日(木)

11日も市場は利下げを好感し、NYダウ平均は+646ドルとなりました。一方で、前日に決算を発表したオラクルがクラウド関連事業で予想を下回ったことが嫌気され、IT・ハイテク株の重しとなりNASDAQは-73となりました。

暗号資産市場では、BTCが上値を試して93,500ドル近辺(約1,450万円台)まで上昇した後、92,500ドル近辺(約1,440万円近辺)で推移しました。

補足:同日、リスクセンチメントの悪化を受けてBTCが90,000ドル割れを試す場面が報じられています。ハイテク決算や「AI投資の採算性」への不安は、暗号資産にも波及しやすい地合いを作りやすいため注意が必要です。

出典:Reuters(12月11日のBTC下落報道)

12月12日(金)

12日は、利下げを好感したムードが息切れし、さらに堅調な決算を発表したブロードコムがAI関連収入で投資家の高い期待に届かなかったことが嫌気されて急落しました。これがIT・ハイテク株に波及し、株式市場全体が下落しました(NYダウ平均-245ドル、S&P500-873、NASDAQ-398)。

暗号資産市場も株式市場の影響を受けて軟調となり、BTCは92,500ドル(約1,440万円)近辺から一時90,000ドルを割れ、90,200ドル(約1,410万円)近辺で週を終えました。

アルトコイン(ETH・XRP・SOL)の動向

アルトコインでは、ETHやXRP・SOL共にETFにまつわる話題でムードが盛り上がったものの、大きなトレンド形成には至らず、週を通じて比較的狭いレンジでの推移となりました。

ETHは3,000ドル台(約47万円台半ば)から始まり、利下げを受けて週半ばに3,400ドル台(約53万円台後半)へ進む場面もありましたが、3,200ドル台(約50万円台半ば)で週を終えています。

XRPも似た値動きで、週初は2.10ドル(約325円近辺)からスタートし、9日に2.20ドル台(約340円台)に乗せましたが伸び切らず、2ドル台(約315円近辺)で週を終えました。

SOLもETFを巡る思惑や市場センチメントの影響を受けやすく、週を通じては方向感の出にくいレンジ推移となりました。アルトコイン全体としては、材料が出てもBTCがトレンドを作れない間は、上昇が持続しにくい点に注意が必要です。

BTC優位(ドミナンス上昇)局面の注意点

BTCが90,000ドル台で方向感の出にくいレンジを作る局面では、資金がアルトコインに広がりにくく、BTC主導で上下に引っ張られやすい傾向があります。アルトコイン側の材料(ETF観測など)が出ても、BTCがトレンドを作れない限りは「短期で盛り上がって失速」という形になりやすいため、アルトの強弱判断はBTCのレンジ上限・下限(今回なら90,000ドル〜94,000ドル)とセットでみるのが実務的です。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

曜日日本時間経済イベント重要度
121508:50日本日銀短観(全国企業短期経済観測調査)★★★★☆
121510:30中国新築住宅販売価格 11月★★★☆☆
121511:00中国小売売上高 11月★★★☆☆
121511:00中国鉱工業生産指数 11月★★★☆☆
121519:00ユーロ圏鉱工業生産指数 10月★★★☆☆
121522:30米国NY連銀製造業景気指数 12月★★★☆☆
121618:00ユーロ圏サービス業PMI(速報値)12月★★★☆☆
121622:30米国雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均時給)10月・11月★★★★★
121622:30米国小売売上高 10月★★★★★
121623:45米国製造業PMI(速報値)12月★★★★★
121623:45米国サービス業PMI(速報値)12月★★★★☆
121719:00ユーロ圏消費者物価指数(HICP)11月★★★☆☆
121822:15ユーロ圏ECB 政策金利会合★★★★★
121822:30米国消費者物価指数(CPI)11月★★★★☆
121822:30米国フィラデルフィア連銀景況指数 12月★★★★☆
121822:30米国新規失業保険申請件数 12/7-12/13★★★☆☆
121908:30日本全国消費者物価指数(CPI)11月★★★☆☆
1219未定日本日本銀行金融政策決定会合(政策金利)★★★★☆
121924:00米国中古住宅販売件数 11月★★★★☆
121924:00米国ミシガン大学消費者信頼感指数 12月★★★☆☆
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今週の注目点(米国データと日銀会合)

今週は、米国で16日(火)に発表される雇用関連指標と、18日(木)のCPI(消費者物価指数)が注目されます。先週のFOMCでは利下げが実施されましたが、今後の追加利下げについてはデータを注視する慎重な姿勢が示されました。

金融当局が掲げる「物価」と「雇用」の安定に向けて重要な発表となるため、結果が継続的な利下げを示唆する内容となるかが焦点です。次の利下げを予想させる内容であれば、株式市場は来年の金融緩和を先取りする動きをみせやすくなります。

暗号資産市場にとっても、資金環境の改善は追い風になり得ます。

今回の米指標は「政府閉鎖の後遺症」に注意

今週の米指標は、政府機関の業務停止(いわゆる政府閉鎖)の影響で、発表スケジュールや統計の作りが通常と異なる点が重要です。BLS(米労働統計局)は、11月CPIを12月18日に公表するとしつつ、10月データ欠落の影響で「11月の1ヵ月変化率を一部含まない」など制約があることを明記しています。数字そのものだけでなく、市場が解釈をどう揃えるかでボラティリティが出やすい週です。

出典:BLS(政府閉鎖後の改定リリース日程)

日銀会合(12月18日〜19日)と円相場がBTC円建てを左右

国内イベントとしては、18日(木)〜19日(金)に開催される日銀金融政策決定会合にも注目が集まります。市場では0.25%の利上げが意識されつつあり、利上げが実施された場合は、円相場が円高方向へ進むかどうかが焦点です。

また、「円キャリートレード」の解消がリスクとして意識されやすい点にも注意が必要です。日本の低金利で資金を調達し、利回りの高い資産で運用する取引が広く行われてきたため、利上げで資金調達コストが上昇するとポジション解消が進む可能性があります。

円高が進めば暗号資産の円建て価格に影響します。また、キャリートレードの解消が広がる場合、暗号資産市場の下落要因となる可能性もあります。

ただし、米国は利下げ局面に入っているため、日米の金融政策が相互に影響を相殺する形になる可能性もあります。短期的な変動があっても、中長期では落ち着きを取り戻す展開も想定されます。

出典:日銀(金融政策決定会合の開催日程:2025年12月18日〜19日)

為替市場は主要中銀イベントと米指標を前に神経質になりやすく、円高・円安のどちらに振れても、BTC/JPYはUSD建てBTCの動きに為替の上乗せ(または相殺)が起こります。特に「BTCは横ばいでも円建てだけ大きく動く」週になり得るため、国内読者にはUSD/JPYの確認をおすすめします。

出典:Reuters(主要中銀イベント前の為替市場の警戒、日銀利上げ観測)

今週は週半ばの米国指標と週後半の日銀会合を控え、慎重な動きが続く見通しです。

ビットコインマーケットを予測するためのチェックリスト

マクロ(金利・ドル・株)を「同時に」チェック!

  • 米金利(実質金利の方向感):利下げは追い風になり得ますが、追加利下げが遠のくと上値が重くなりやすいです。
  • 米株(特にハイテク):AI・クラウド決算の期待外れがリスクオフの引き金となり、暗号資産へ波及しやすいです。
  • ドル指数・USDJPY:BTC/JPYの体感ボラティリティを左右する重要要因です。

出典:FRB(利下げ・今後はデータ重視)

暗号資産固有の需給はETFフローとデリバティブをチェック!

  • 現物ETFの資金フロー:流入が戻るとレンジ上抜けの燃料になりやすく、流出が続くと反発が弱くなりやすいです。
  • 先物建玉・資金調達率(Funding):過熱(ロング偏重)局面では、材料1つで急落しやすいです。
  • オプションのインプライド・ボラ:重要指標(雇用・CPI・日銀会合)前に上がりやすく、発表後に低下(ボラの剥落)しやすいです。

今週の注意点は「データの読み違い」です

今週は米雇用・物価が最大テーマですが、政府閉鎖の影響で統計が通常より歪む可能性が示されています。強弱どちらにも誤読が起きやすいため、ヘッドライン(市場予想との差)だけで判断せず、複数ソースの確認と、BTCがレンジを抜けたかどうかという価格側の事実で最終判断するのが安全です。

出典:BLS(CPI公表と制約の説明)

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・暗号資産の売買や投資行動を勧誘するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、正確性・完全性・将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

《参考サイト》

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 BTC / JPYのモメンタム 

モメンタムメーターは、それぞれ[30分足・4時間足・日足・週足]の4つの時間軸に対応しており、投資スタイルや分析目的に応じて柔軟に相場のモメンタムを確認することができます。

移動平均(MA)やRSI、MACDなど、代表的な複数のテクニカル指標を自動的に分析し、現在の相場に対して、いくつの指標が「売り」または「買い」のシグナルを出しているかを示しています。

30分足
[BTC / JPY]

4時間足
[BTC / JPY]

日足
[BTC / JPY]

週足
[BTC / JPY]

BTC積立企画

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.12.16]

ポートフォリオの現在の資産価値
 円

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
 円

利益率
%

積み立て回数
16 回

合計積立金額
1,600,000 円

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %
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    過去記事アーカイブ