ビットコイン週間相場レポート|米利上げ観測後退と「Uptober」への期待
免責事項(投資助言ではありません)
本記事は、ビットコイン(BTC)に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。
また、記事内で扱う価格見通しは、将来の価格を保証するものではありません。「当たる/外れる」ではなく、想定レンジと前提条件(何が起きたら強気・弱気に傾くか)を整理する材料として活用してください。
先週の振り返り
先週(9月28日〜10月4日)のビットコイン(BTC)は、米国のインフレ・雇用指標を見極めるなか、上昇しても買いが続きにくい展開となりました。週初は8万4,000ドル台半ばから軟化し、週央には8万5,600ドル近辺、米雇用統計が発表された週末には一時8万7,000ドル台まで上昇しました。しかし、いずれもその後押し戻され、金融政策への安心感だけで上昇を維持する難しさが表れました。土日には再び持ち直す場面もあり、今週は戻りを継続できるかが焦点です。
米国株も方向感が分かれました。9月25日から10月2日の終値を比較すると、ダウ平均は651.66ドル安、S&P500は20.69ポイント安、NASDAQ総合指数は122.15ポイント高でした。週末には3指数が上昇したものの、週全体ではダウ平均とS&P500の下落を埋め切れませんでした。
出典:BTC参考価格履歴(BRTI)、AP・米主要株価指数の週間騰落。BTC価格は米ドル建ての概数で、配信元の日次価格履歴を参考にしたものです。日本時間の週次始値・終値や週間高値・安値を示すものではありません。
中東情勢と原油・金利への警戒が上値を抑える
週初の金融市場では、トランプ大統領がイランの提案を拒否したとの報道を受け、中東情勢への警戒が続きました。一方、サウジアラビアの重要なパイプライン再開は原油供給への不安を和らげる材料となりました。和平への期待と交渉停滞への懸念が交錯し、リスクを積極的に取るには判断しづらい環境でした。
BTCも週初に8万3,500ドル近辺へ下押しする場面がありました。原油高が長引けばインフレ懸念を通じて金利に上昇圧力がかかり、BTCなどのリスク資産には重荷になり得ます。ただし、価格の下落を中東情勢だけで説明することはできず、金利や株式市場の動きと合わせて見る必要があります。
消費・雇用の弱さは、利上げ警戒の緩和と景気不安の両面を持つ
9月29日に発表されたコンファレンスボードの9月消費者信頼感指数は81.9と、前月の88.6から6.7ポイント低下しました。同日公表の8月JOLTS求人件数も707万9,000件となり、前月を25万6,000件下回りました。消費者心理と企業の労働需要の双方から、経済の勢いを慎重に見る材料が示されました。
続いて9月30日の8月PCE価格指数は前年同月比3.4%、食品・エネルギーを除くコア指数は3.0%でした。10月2日の9月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2万9,000人増にとどまり、失業率は4.2%でした。BLSは失業率について「ほぼ横ばい」と評価しています。
9月のFOMCでは政策金利が0.25ポイント引き上げられており、今回の指標は追加利上げを巡る見方に関わる材料でした。雇用統計後には市場の利上げ予想が後退したと報じられ、株式市場も上昇しました。ただし、雇用の減速が深まれば景気への不安が強まるため、弱い指標が常にBTCの追い風になるとは限りません。
出典:The Conference Board、BLS・JOLTS、BEA・8月PCE、BLS・9月雇用統計、FRB・9月FOMC声明、AP・雇用統計後の市場動向。
BTCの戻りには期待があるが、買いの継続が課題
BTCはPCE公表日の価格履歴で8万5,600ドル近辺まで上昇したものの、その後は8万3,000ドル台へ戻りました。10月1日には8万4,800ドル台へ持ち直し、雇用統計公表日の2日には一時8万7,000ドル台を付けながら、日次の参考価格は8万4,500ドル近辺となりました。指標通過後に上値を試しても、その水準で買いが続くかは別の問題です。さらに配信元の4日の日次価格は8万6,500ドル近辺へ回復しており、金曜日の反落だけで週全体を判断することも避けたいところです。
暗号資産固有の材料では、シティグループがBTCの12カ月先の目標価格を11万3,000ドル、イーサリアムを3,028ドルへ引き上げたと報じられました。ETFへの資金流入再開などを前提とする予測であり、今週の到達目標ではありません。また、CNBCの10月相場に関する見方を紹介した報道では、2013〜2025年の13回の10月のうち10回が上昇したとされています。こうした季節性は期待を支える材料ですが、今年の金融政策・地政学・資金需給を優先して判断する必要があります。
出典:BTC参考価格履歴、CoinDesk・シティの12カ月先予測、Iolite/CoinPost・CNBCの見方を紹介した報道。シティの調査資料原本とCNBC動画原本は未確認で、各報道に基づく紹介です。
今週の経済イベント
| 月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10 | 5 | 月 | 18:00 | ユーロ圏 | 生産者物価指数(PPI)8月 | ★★★☆☆ |
| 10 | 5 | 月 | 22:45 | 米国 | S&P Global サービス業PMI 9月・確報値 | ★★★☆☆ |
| 10 | 5 | 月 | 23:00 | 米国 | ISM非製造業景気指数 9月 | ★★★★☆ |
| 10 | 6 | 火 | 21:30 | 米国 | 貿易収支 8月 | ★★★☆☆ |
| 10 | 8 | 木 | 03:00 | 米国 | FOMC議事録(9月15〜16日開催分) | ★★★★★ |
| 10 | 8 | 木 | 08:50 | 日本 | 国際収支(経常収支・貿易収支)8月・速報 | ★★★☆☆ |
| 10 | 8 | 木 | 21:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数(10月3日終了週) | ★★★★☆ |
| 10 | 9 | 金 | 23:00 | 米国 | ミシガン大学消費者信頼感指数 10月・速報値 | ★★★★☆ |
日時はすべて日本時間です。重要度はBTCへの波及を考慮した本記事の評価で、結果や値動きの大きさを保証するものではありません。米国の夏時間を反映しています。10月7日(水)は、今回選定した主要な定時公表イベントはありません。米国時間7日のFOMC議事録は、日本時間8日に掲載しています。
出典:Eurostat・次回PPI公表日、Eurostatカレンダー、S&P Global・公表予定、ISM、米国勢調査局、FRB、財務省、米労働省・週次公表予定、ミシガン大学・次回公表日時。公表予定は変更される場合があります。
注目のイベント
今週は、サービス業の景況感、FOMC議事録、消費者のインフレ期待を通じて、先週後退した追加利上げへの警戒が再び強まるかを確認します。以下のイベントは、10月5日夕方の原稿確認時点では未発表として扱っています。
サービス業指標で、景気の減速と物価圧力を見分ける
10月5日22:45の米サービス業PMI確報値と23:00のISM非製造業景気指数では、総合指数に加え、雇用・新規受注・価格の動向が焦点です。先週の弱い雇用・消費者心理と整合するのか、それともサービス業に底堅さや物価圧力が残るのかを確認します。
景気が大きく崩れず、価格圧力が和らぐ結果なら、追加利上げへの警戒を抑えながらリスク選好を支える可能性があります。逆に、価格項目が強く金利やドルが上昇すれば、BTCの戻りには逆風となり得ます。雇用や受注の急な悪化にも注意が必要で、金利低下だけを強気材料として捉えないことが大切です。
FOMC議事録では、追加利上げの判断条件を確認
日本時間10月8日03:00に、9月15〜16日開催分のFOMC議事録が公表されます。9月の利上げ判断の背景と、委員が追加利上げを必要と考える条件、インフレと雇用のリスクをどう比較していたかが注目点です。
物価の上振れに強い警戒を示し、追加利上げを支持する意見が想定以上に多ければ、先週後退した利上げ予想が戻り、金利・ドルを通じてBTCを圧迫する可能性があります。一方、雇用や景気への配慮、データを見極める姿勢が確認されれば、金融政策への過度な警戒を和らげる材料となり得ます。
ただし、議事録は先週のPCE・雇用統計が公表される前の会合記録です。過去の議論を現在の政策方針と同一視せず、その後のデータや金利市場の反応と照らし合わせて読む必要があります。
失業保険と消費者調査で、雇用不安とインフレ期待を点検
10月8日21:30の新規失業保険申請件数は、月次雇用統計の後に確認できる労働市場の材料です。単週の増減に加え、4週移動平均や継続受給者数から、雇用の弱さが解雇の増加へ広がっているかを見ます。
10月9日23:00のミシガン大学消費者信頼感指数・10月速報値では、心理の改善・悪化に加えて、1年先と長期のインフレ期待が重要です。先週のコンファレンスボード調査で消費者心理が弱まったため、家計の不安が続くのか、物価への懸念が緩むのかが焦点になります。
雇用が急激に悪化せず、インフレ期待も落ち着けばBTCには比較的好ましい環境です。一方、雇用不安と物価への警戒が同時に強まれば、景気への懸念と金融引き締めへの警戒が重なり、買い手が慎重になる可能性があります。
今後の見通し
今週のBTCは、上値を試す余地がある一方、先週のように上昇後に押し戻される展開を抜け出せるかが課題です。サービス業の物価圧力や消費者のインフレ期待が落ち着き、FOMC議事録が追加利上げへの警戒を強めず、雇用にも急激な悪化が見られなければ、買いを支える条件が整いやすくなります。その際は、米長期金利・ドルが安定しているか、ETFなどへの資金流入が実際に続くかも確認したいところです。
中東情勢では、米国とイランの交渉進展が原油供給への不安を和らげれば、金融市場全体の安心感につながる可能性があります。ただし、中間選挙への配慮だけを根拠に大統領の姿勢や和平成立を予測することはできません。交渉の具体的な合意、海上輸送の安全性、原油価格の反応を見極める必要があります。
逆に、交渉停滞や軍事的緊張で原油・金利が上昇する場合、今週の指標が物価圧力の強さを示す場合、あるいは景気不安が深まりリスク資産から資金が離れる場合には、BTCも下押しされ得ます。株式と異なる需給材料を持つBTCも、金融市場全体の資金調達環境やリスク回避の影響を受けます。
シティの予測引き上げや10月の季節性を期待材料として捉えつつ、判断の中心は今週の指標と実際の資金の動きに置きます。一時的な価格上昇にとどまらず、戻りの後も買いが続くかを確認する週となりそうです。具体的なチャートの節目や詳細な価格分析は、以下のテクニカル分析をご覧ください。
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