米国経済の行方

米国経済の指標を読む

 9月6日米国ISM非製造業景況指数8月が発表され54.5と6ヶ月ぶりの高水準となりました。予想は52.5で前月(7月)は52.7でした。この発表を受けて市場は米国景気の力強さを確認した形となり、債券利回りは上昇し、株価は下落しています。

 しかし、今週5日に発表された耐久財受注7月は前月比-5.2%で予想の-4.0%を下回り、企業が長期的な設備投資意欲を抑制している様子が見られました。

また6日にはFRBの地区連銀報告(ベージュブック)があり、「米国の経済と雇用市場の伸びは7月と8月に鈍化した。また、多くの企業は賃金上昇が短期的に広い範囲で減速すると見ている。」さらに「大半の地区は物価上昇が総じて減速した。」と報告されました。

このように米国の経済指標の状況には強弱がありますが、「雇用の伸びが減速し、所得の伸びが鈍化している状況は、金融当局から見れば喜ばしい内容」との市場関係者の見方もあります。

米国金利は高止まりするのか?

金利は高水準を維持!?

 米国金融市場では米国経済のソフトランディングを見込み、9月以降の利上げ停止観測が強まると思われますが、原油価格の上昇などもあり、金利は高水準を維持するのではないでしょうか。

 その場合、米国金融機関ならびに企業への影響を注視する必要があり、秋以降の株式市場等の動きについては注意が必要と考えています。

 一方、金市場ならびに暗号資産市場(特にBTC)については来年以降をにらみ、前向きに見ていきたいと考えています。