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倉本の国際経済の見どころ|国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説

倉本の国際経済の見どころ   

株式会社J-CAM金融コンサルタントの倉本佳光が40年以上金融業に従事してきた経験を元に国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説するコラムです。刻々と変化する相場のモメンタムをキャッチアップしていきます。

金融市場の過剰反応に警戒せよ!

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熱狂的な日米株式市場の動き

熱狂的な日米株式市場の動き

今週14日(火)に米国で消費者物価指数(CPI)10月が発表されました。今月初めに開かれたFOMCで利上げが見送られ、今後の金融政策を見通すために金融市場の注目を集めていました。

 結果は、総合CPIが前月比横ばいで市場予想の+0.1%を下回り、前月の+0.4%から鈍化しました。前年同月比では+3.2%とこちらも市場予想の+3.3%を下回り、前月の+3.7%から鈍化しています。総合CPIではガソリン価格下落の影響が出ていると見られています。

一方、食品やエネルギーを除いたコアCPIは、前月比+0.2%で市場予想の+0.3%を下回り、前月の+0.3%も下回りました。また前年同月比では+4.0%で市場予想+4.1%や前月の+4.1%を下回り、こちらも若干ですが鈍化となっています。

比較的落ち着いたデータとなった今回の発表を受けてエコノミストの多くは「金融当局は政策金利が景気に対して十分に抑制的だとの確信を強めるだろう。それでも、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げサイクルの完全な終了を宣言するには、コアCPIがあと数カ月はこの動きを続ける必要がある」と見ています。

過剰反応するマーケット

 しかし、来年に入ってからの利下げを指向し始めていた金融市場はCPIの結果を受けて大きく反応しました。米国10年国債利回りは前日の4.65%から4.45%へ大きく低下し、米国株式市場はNYダウ平均+489ドル、S&P500+84、NASDAQ+326と大幅な上昇となりました。こうした米国金融市場の動きは日本市場へも影響を与え、11月15日の日経平均株価は827円高となっています。日米ともにディフェンシブなポジションになっていたと思われ、大きなショートカバーが発生したと思われます。

 こうした市場の動きを受けていくつかのコメントが発表されています。

米国株式市場については、既にUBSグループがS&P500の2024年末水準について4,600程度と発表していましたが、ゴールドマン・サックスのストラテジスト・チームが2024年末に4,700程度と発表しました。またバンク・オブ・アメリカは「米国は今後のリセッションを回避し、企業利益は拡大する」として株式・債券のポジションをオーバーウェイトにするとしています。

 一方、PIMCOのCIOであるダニエル・アイバシン氏は「来年の利下げへの市場の熱狂は行き過ぎのリスクがある。FRBは余程の景気悪化にならない限り、利下げには慎重に対処するだろう。」と述べています。

またJPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏は10月のCPIが市場予想を下回ったことについて、短期的な数字への過剰反応が見られ、「そういったことはやめるべきだ」とし、「インフレがそんなに早く収束するとは考えにくい。金融当局はもう少し行動する必要があるかもしれない。」とコメントしています。

 このように米国金融市場では、今後のFRBの金融政策に対して「利下げ開始」あるいは「引締め継続」と見通しが入り乱れた状況となっています。

マーケットの過剰反応

 このような中で11月4日にウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ社の決算が発表されています。2023年9月末時点での株式ポートフォリオは3,186億ドルで手元資金が1,572億ドル(約23兆6,000億円)となっています。手元資金の金額は過去最大です。2023年の株式売却額は購入額を236億ドル上回っています。

 同社は過去1年間に米国短期国債に資金を投入し高い利回りを得ていたようですが、米国株式市場の水準について割高と考えていると思われます。

金融市場は短期的な熱狂となっていますが、今こそバークシャー社のような冷静な対応が必要と思われます。