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倉本の国際経済の見どころ|国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説

倉本の国際経済の見どころ   

株式会社J-CAM金融コンサルタントの倉本佳光が40年以上金融業に従事してきた経験を元に国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説するコラムです。刻々と変化する相場のモメンタムをキャッチアップしていきます。

FOMC宣言 解説

FOMC宣言 解説

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6月12日(水)FOMC(連邦公開市場委員会)が開催されましたが、その前に米国消費者物価指数(CPI)5月の発表がありました。

5月のCPIの発表では、総合CPIが前月比横ばいで市場予想の+0.1%を下回りました。前年同月比でも+3.3%と市場予想の+3.4%を下回っています。またコアCPIは前月比+0.2%でこちらも市場予想の+0.3%を下回り、前年同月比が+3.4%と市場予想の+3.5%を下回りました。コアCPIは3年ぶりの低い伸びとなっています。

CPI5月の結果は、金融当局への朗報と市場関係者は受け止め

今回のCPI5月の結果は、金融当局への朗報と市場関係者は受け止めました。市場関係者のコメントは次のようになっています。

◎カーソン・グループのソヌ・バーギーズ氏:
5月の米CPIは総合指数とコアの全般で予想より低調で、ディスインフレのプロセスが進行していることを示唆した。米金融当局は年内利下げへの道筋を維持し、初回利下げは9月となる可能性が高い。とりわけ、失業率が4%で、さらに上昇するリスクがあるためだ。

◎チャールズ・シュワブのリチャード・フリン氏:
今回の低下は、金融政策が意図した通りの効果を発揮している証拠であり、米金融当局が目標とする2%に一歩近づくものだ。今後数カ月間でインフレ率が一貫して低下すれば、米金融当局はいよいよ利下げに確信を持てるはずだ。

◎クルーズ&アソシエーツのシニアマネジングディレクター、ダニエル・マルホランド氏:
非常に弱い。FOMCが9月に利下げする可能性は十分ある。

◎BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏:
全体的に、これは市場が想定していたよりも低調なインフレの数字だった。さらに、米金融当局が金利予測分布図(ドットプロット)で2024年の50bp利下げを示唆する上での障害を取り除くものだ。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がハト派的なトーンを示すことは確実となった。

◎ロンバー・オディエ・アセット・マネジメントのマクロ調査担当責任者、フロリアン・イエルポ氏:
ディスインフレが戻ってきた。今回のCPIがきょうのFOMC決定に影響する可能性は低いが、7月の会合において重要な意味を持ち得る。利下げへの期待が株式と債券を押し上げるだろう。

◎ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのアシュウィン・アランカー氏:
この日の軟調なCPIは、米金融当局がリセッション(景気後退)を確実に回避するため、年内に予防的な利下げに舵を切る姿勢に戻ったことを意味する。もっと明確なディスインフレの証拠が幅と深さの両面で確認されるまで、この日の軟調なCPIは金融政策の緩和方向への転換ではなく、先制的な引き下げを支持するものだ。

◎LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏:
インフレ鈍化はFOMCにとっては明るいニュースだ。良好な内容の統計が今朝発表されたわけだが、FOMCは午後に公表する最新の経済予測で金利をより高く、より長く維持する方針を示す可能性が高い。最新のドットプロットが示唆する年内の利下げ回数は2回にとどまるとみられ、3月時点での3回から変更されそうだ。

このように市場関係者は金融当局にとって良いデータが発表されたと考えており、年内の利下げが確実視され、9月にも実施されるのではないかと期待を強めた印象です。

そしてFOMC後に発表された声明は次のようなものとなりました。

パウエル議長イラスト

FOMC声明

最近の指標は、経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している。雇用の伸びは引き続き力強く、失業率は依然低い。インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている。ここ数カ月間、委員会の2%のインフレ目標に向けての緩やかなさらなる進展がみられた。

委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクのバランスがこの1年で改善に向かっていると判断する。経済の見通しは不確実で、委員会はインフレのリスクを引き続き大いに注視している。

目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを5.25─5.50%に維持することを決定した。FF金利の目標誘導レンジのあらゆる調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する。委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、目標誘導レンジの引き下げが適切になるとは予想していない。さらに、委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける。委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む。

金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する。もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある。委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する。

声明は以上の内容となりました。

パウエルFRB議長は記者会見で次のように述べています。

「直近のインフレ指標は今年の早い時期より良好な内容で我々のインフレ目標に向けて緩慢なる一段の進展が見られている」

「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信を強めるには良好なデータをされに目にする必要がある」

このコメントでは従来「一段の進展が見られていない」としていたものが「一段の進展が見られている」と変更されており、4月と5月のCPIの結果が反映されたものと考えられます。

またFOMC参加者による予測中央値では、年内の利下げなしが4人、1回が7人、2回が8人となっており、2024年の利下げ予想としては1回、2025年はより多くの利下げが行われると4回の利下げ予想となっています。

今回のFOMCでは政策金利は据え置かれ、大きな変化があったわけではありません。年内の利下げ予想も1回となりましたが、市場はCPIの結果を受けてややハト派的な印象と受け止めたようです。債券市場では利回りが低下し、株式市場ではS&P500とNASDAQが堅調な動きを見せて終わっています。

今後、金融市場はしばらくの間、落ち着いた堅調な展開を見せるのではないでしょうか。