再注目される暗号資産SUI
2024.05.15
昨年の5月、Meta社がリリースした新アプリ「Threads(スレッズ)」の登場は、X(旧Twitter)ユーザーにインパクトを与えた。
InstagramのIDで、違うテイストの機能が使えるというところが月間アクティブユーザー1億5,000万人ともいわれている実績の最大の要因だと考えている。
Xの月間アクティブユーザーは5億人以上ということもあり、国内ではXの方が馴染みがある方も多いと思うが、Xも利用状況の伸び悩みが続いているようだ。2024年3月にはデイリーアクティブユーザーを維持していると発表されているものの、2022年11月のイーロンマスク氏が買収直後と同水準と推測されている。
さらに、第三者機関による調査では、Xの利用は過去1年間で13%から30%減少している可能性があるともいわれている。
現在のMetaのサービスがGoogleやApple等、ほかのプラットフォームに依存していること。そして、個人情報保護の規制強化から広告売上の行き詰まり感を払拭するため、メタバースとスーパーアプリに可能性を見出したのではないかというところが想像できるところだろう。
同社が開発を試みた暗号通貨「Diem(旧Libra)」も財務的安定性とユーザーのプライバシー保護に関する懸念から、2022年の初めに立ち上げを断念されたものの、頓挫したDiemの開発に使われていたとされるMeta独自のプログラミング言語「Move」は、現在注目を集め始めた暗号資産「Sui」「Aptos」で活用されている。
先日、レイヤー1ブロックチェーン・スイ(SUI)を開発するミステンラボ(Mysten Labs)と、TikTokを開発するバイトダンス(ByteDance)社の子会社であるバイトプラス(BytePlus)は、提携してブロックチェーンゲームとAI開発プロジェクトを検討していることを発表した。
昨年には、WeChatPayを提供する大手IT企業テンセントのクラウド事業を担うテンセントクラウドと提携。国内ではソーシャルゲーム大手のグリー株式会社や広告大手電通グループが、Sui Network上でクリエイターエコノミーの組成を目指すとして連携を強め、9月には国内取引所 OKCoinJapanが取り扱いを発表したところだ。
Mysten Labs CEOであるEvan cheng氏は、「例えば、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンではトランザクションを行うのに平均12秒かかるのに対し、Suiは0.5秒でNFTを売ることができます。ブロックチェーンのパワーユーザーは、12秒の待ち時間を非常に長く感じるでしょう。Web3.0ゲームやDeFiの領域でSuiは優位性を持っている。」と話しているように、ゲーム領域やSNSでSUIが持つ優位性を最大限に活かす展開が期待されている。
ブロックチェーンがインフラとして普及するには、ブロックチェーン上で動く優れたdAppsの存在も欠かせない。いわゆる爆発的なヒット作の誕生は、Suiの普及にとって非常に重要なカギとなり得ることであり、今回のTikTokの運営会社との連携にも大きな期待が寄せられている。
[Iolite記事]
TikTok開発企業子会社がスイと提携 ブロックチェーンゲームやAI開発へ