監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年8月18日

倉本 佳光

ワールドコイン(Worldcoin/WLD)は、World Networkで利用される暗号資産です。World IDによる「人間であることの証明」が広がるなかで注目されていますが、World IDの普及だけでWLDの価格上昇が保証されるわけではありません。

また、以前はWorld IDの認証を通じたWLDの無料配布が大きな注目を集めましたが、2026年6月1日以降、新しいWLDエアドロップ周期は作成・更新されていません。現在も受け取れるのは、同日より前に登録して初回分を受け取り、有効な周期が残っている対象者です。

WLDの将来性を判断するには、AI時代の人間証明への需要だけでなく、WLDが実際に必要とされる用途、継続する供給増、各国の規制、国内での入手性まで確認する必要があります。本記事では、無料配布の現在、トークノミクス、将来性、リスク、日本で購入を検討するときの注意点を整理します。

《出典》
Airdropプログラムのアップデートについて|Worldヘルプセンター
Worldcoinトークン(WLD)|World

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、暗号資産に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

利益相反に関する開示:本記事を掲載するBitLendingは、暗号資産レンディングサービスを提供しています。記事内には当社サービスへの導線が含まれる場合がありますが、特定の投資行動や暗号資産の貸出を推奨するものではありません。

World、Orb、World ID、World App、World Chainの関係

ワールドコイン(Worldcoin/WLD)とは

WLDは、World Networkのネイティブトークンです。Worldは、オンライン上の相手がAIやボットではなく、一人の人間であることをプライバシーに配慮しながら証明できるネットワークを目指しています。

Worldcoinはプロジェクトの旧称としても使われてきました。現在のプロジェクト全体は「World」、暗号資産は引き続き「Worldcoin(WLD)」と呼ばれます。

掲載画像はWorld全体の関係を示したものです。画像内の「無料ガス」は、すべての取引が無条件で無料という意味ではなく、World Appの利用経路や対象取引などの条件によって補助される仕組みです。

《出典》
Worldについて|World
Worldcoinトークン(WLD)|World

World・World ID・Orb・World App・World Chain・WLDの違い

名称が似ていますが、それぞれの役割は異なります。WLDの将来性を考える前に、次のように分けて理解することが重要です。

名称 主な役割
WorldWorld ID、World App、World Chain、WLDなどを含むプロジェクト全体
World ID本人の氏名を示すのではなく、一人の人間であることや一意性を証明する仕組み
Orb目や顔を撮影・処理し、一人の人間であることを確認する認証デバイス
World AppWorld ID、暗号資産、送金、Mini Appsなどを利用するためのアプリ
World Chain取引やアプリが動くEthereum L2
WLDWorld上のアプリ、サービス、プロトコルなどで利用される暗号資産

World ChainのPBH、ガス代補助、MetaMask設定などは、World Chainの仕組みと使い方で詳しく解説しています。本記事ではWLDの配布、需給、将来性に焦点を絞ります。

WLDは何に使われるのか

World公式は、WLDをWorld上に構築されたMini Apps、プラットフォーム、プロトコル、サービスなどの利用や参加に使えるトークンと説明しています。World Chain上での送金や交換にも利用できます。

ただし、WLDは株式ではなく、保有者へ利益や配当を受け取る権利を与えるものではありません。World IDやWorld Appの利用者が増えても、WLDを必要としない利用が中心であれば、トークン需要へ直結しない可能性があります。

《出典》
WLDでできること|World
Tokenomics Milestone|World

💡 用語解説:World ID・Orb・Proof of Humanとは? ▼ 開く

■ Proof of Humanとは?

オンライン上で、操作している主体がAIやボットではなく、一人の人間であることを証明する考え方です。

  • World ID:一人の人間であることをオンラインで提示するための認証情報です
  • Orb:同じ人が複数回認証されることを防ぐため、目や顔を撮影・処理する専用デバイスです
  • 注意点:World IDは実名や身分証明書そのものを相手へ渡す仕組みではありませんが、認証時のデータ処理や提供地域は確認が必要です

WLDとの関係

World IDは人間証明、WLDは暗号資産です。World IDを利用するすべての場面でWLDの購入や保有が必要になるわけではありません。

WLDの無料配布は現在も受け取れる?

新規利用者が、現在Orb認証をすれば自動的にWLDのエアドロップへ参加できるわけではありません。Worldヘルプセンターは、2026年6月1日以降、新しいエアドロップ周期を作成・更新しないと案内しています。

したがって、「Worldcoinは認証すれば誰でも無料でもらえる」という過去の説明を、現在の一般的な条件として読むことはできません。

《出典》
Airdropプログラムのアップデートについて|Worldヘルプセンター

既存の対象者は有効な12か月周期の終了まで受け取れる

2026年6月1日より前に対象となる認証を完了し、初回エアドロップを受け取った利用者は、有効な12か月周期が終了するまで月次分を受け取れる場合があります。

受取数量は認証方法やWorld Foundationの判断によって変わる可能性があるため、本記事では固定値を掲載しません。対象状況、受取可能日、期限、数量はWorld App内のWorldcoin Mini Appで確認してください。

World ID認証とWLDエアドロップは別に考える

新しいWLDエアドロップ周期が終了しても、World IDはオンライン上で一人の人間であることを証明する用途に利用できます。Orb認証を検討するときは、無料トークンの受取額だけでなく、認証の目的、データ処理、削除方法、実際に利用したいサービスがあるかを確認しましょう。

既存周期でWLDを受け取った場合は、受取日時、数量、受取時の円換算根拠を保存してください。暗号資産の受取・売却に関する税務上の考え方は、エアドロップを含む暗号資産の税金と記録方法で解説しています。

WLDのトークノミクスとアンロック

WLDを評価する際は、プロジェクトの知名度だけでなく、どれだけのトークンが、いつ、どの主体へ利用可能になるかを見る必要があります。

WLDの初期供給量は100億枚で、75%がWorld Community、残る25%がTools for Humanityの投資家・チームとTFH Reserveへ配分される設計です。

確認項目 意味
初期供給量100億WLD
World Community全体の75%。利用者、運営者、エコシステムなどに利用される枠
その他の配分投資家、チーム、TFH Reserveで合計25%
追加発行ローンチから15年間は不可。その後はガバナンス判断により年1.5%を上限として可能

将来の追加発行は自動的に始まるわけではありません。公式情報では、ローンチ15年後までは新規ミントができず、その後もガバナンスが有効化と配分を決める設計です。

《出典》
World Whitepaper — Tokenomics|World
WLDトークン契約と発行条件|World

アンロック済みと流通供給量は同じではない

アンロックは、ロックされていたトークンを移転できる状態にすることです。アンロックされたWLDがすべて直ちに市場で売却されるとは限りません。

一方、流通供給量は市場で流通しているとみなされる数量です。両者を混同すると、実際より大きな売り圧力を想定したり、反対に今後の供給増を見落としたりする可能性があります。

2026年7月からアンロック速度は低下した

既存のスケジュールに基づき、2026年7月24日からWLD全体のアンロック速度は約43%低下しました。Community分は50%、投資家・チーム分は32%低下しています。

これは供給増の終了ではなく、増加速度が以前より緩やかになったという変更です。WLDは引き続き日次で段階的にアンロックされるため、需要の伸びと供給増をあわせて確認する必要があります。

《出典》
Tokenomics Milestone: WLD unlock rate to decrease by 43% in July|World

💡 用語解説:トークノミクス・アンロック・流通供給量とは? ▼ 開く

■ トークンの需給を理解する言葉です

  • トークノミクス:供給量、配分、発行、利用用途など、トークン経済の設計全体です
  • アンロック:移転できないよう制限されていたトークンが、予定に従って移転可能になることです
  • 流通供給量:市場で流通していると集計されるトークン数量です

この記事での読み方

アンロック量が多くても売却されなければ直ちに価格が下がるとは限りません。ただし、需要より供給が増えやすい状態は価格の重荷になり得ます。

ワールドコイン(WLD)の将来性を判断する4つのポイント

WLDの将来性は、「AI時代に人間証明が必要になる」という物語だけでは判断できません。World IDが実際に使われ、その利用がWLDの需要へつながり、供給増や規制上の問題を上回れるかを見る必要があります。

  1. World IDが実際のサービスで継続利用されるか
  2. World IDの利用がWLD需要へつながるか
  3. 供給増を上回る利用需要と流動性が生まれるか
  4. 規制と社会的受容が改善するか

1. World IDが実際のサービスで継続利用されるか

生成AIや自動化されたエージェントが増えるほど、人間とボットを区別する技術への需要は高まる可能性があります。ログイン、マッチング、チケット、コミュニティ、投票などでWorld IDが継続利用されるかが重要です。

提携先の名前や認証者数だけでなく、実際に利用できる地域、継続利用、認証後の用途を確認します。

2. World IDの利用がWLD需要へつながるか

World IDは、WLDを購入・保有しなくても使える場面があります。そのため、World IDの導入件数が増えたことを、そのままWLDの買い需要増加とみなすことはできません。

Mini Apps、決済、サービス参加、ガバナンスなどで、WLDを保有・利用する必然性が増えているかを確認します。

3. 供給増を上回る利用需要と流動性が生まれるか

アンロック速度の低下は需給面の改善材料ですが、WLDの供給増は続きます。利用需要、取引量、流動性が供給増に追いつかなければ、価格の上値が重くなる可能性があります。

WLDを他の暗号資産と比較するときは、アルトコインの用途・流動性・将来性を比較する視点も確認してください。

4. 規制と社会的受容が改善するか

WorldはPersonal Custodyやゼロ知識証明など、データを最小限に扱うための技術改善を説明しています。一方、各国の規制当局がその設計と運用を受け入れるかは別の問題です。

新規地域への展開だけでなく、停止・延期、認証方法の変更、データ削除、未成年者保護などの対応を継続的に確認する必要があります。

WLDの価格が動く要因

WLDの価格は日々変動するため、本記事では特定時点の価格や時価総額ランキングを固定して掲載しません。短期的な価格水準よりも、どの材料が需要と供給を変えるかを理解する方が重要です。

方向 主な材料
需要を支える可能性WLDを必要とするサービスの増加、流動性の改善、規制上の不確実性低下、供給増の減速
価格の重荷になる可能性継続するアンロック、利用需要の不足、規制措置、暗号資産市場全体の下落、流動性不足

価格が反発しただけでは、World IDの採用やWLDの実需が改善したとは限りません。反対に価格が下落していても、開発や利用がすべて止まったとは限りません。価格、供給、利用、規制を分けて確認しましょう。

短期価格より確認したい指標

  • 供給:流通供給量とアンロック予定
  • 需要:WLDを必要とするアプリ、決済、ガバナンスの利用
  • 流動性:取引量、売買のしやすさ、取引できる市場
  • ネットワーク:World Chain上の継続的な利用
  • 制度:各国での提供地域、認証条件、規制当局の判断

単日の増減ではなく、複数月で同じ方向が続いているかを見ることが、材料の一時性を見分ける助けになります。

WLDの主なリスク

WLDには一般的な暗号資産の価格変動リスクに加え、生体情報を利用した人間証明、地域ごとの規制、継続的な供給増という固有の論点があります。

  • プライバシー:Orb認証時の画像・派生データの処理を理解する必要がある
  • 規制:国や地域によって認証・サービス提供が停止または変更される可能性がある
  • 需給:アンロックによる供給増が続く
  • 需要:World IDの普及がWLD需要へ直結するとは限らない
  • 入手・保管:第三者サービス、ウォレット、送金、偽サイトなどのリスクがある

プライバシーについて公式説明と当局判断を分けて見る

Worldは、Orbが目と顔の画像を端末上で処理し、暗号化したPersonal Custody Packageを利用者の端末へ送り、Orb上の画像を削除すると説明しています。また、ゼロ知識証明により、World IDの利用を個人や別の利用履歴へ結び付けにくくする設計を採用しています。

これはプロジェクト側の現在の説明です。実際に認証する前には、利用規約、プライバシー通知、削除方法、利用端末の管理方法を自分で確認してください。

《出典》
World Privacy FAQs|World

規制によって提供地域や認証方法が変わる可能性がある

スペインのデータ保護当局AEPDは2026年2月、Tools for Humanityが予定していた活動再開に対して警告を出しました。同社は、個人データ保護に関する事項を確認する間、再開を一時延期すると伝えています。

韓国でも2024年、個人情報保護委員会が生体情報の処理や国外移転に関する義務違反を理由に制裁金と是正命令等を決定しました。これらは「Worldが世界中で禁止されている」という意味ではありませんが、地域ごとに提供条件が変わり得ることを示します。

《出典》
Worldの活動再開に関する警告|スペインデータ保護庁
Worldcoin Foundation等に対する決定|韓国個人情報保護委員会

💡 用語解説:ゼロ知識証明・Personal Custodyとは? ▼ 開く

■ 必要以上の情報を渡さないための仕組みです

  • ゼロ知識証明:元の秘密情報を相手へ見せず、条件を満たしていることだけを証明する暗号技術です
  • Personal Custody:Orb認証時に生成された画像などを、プロジェクト側の中央サーバーではなく利用者の端末で保管・管理する方式です

何を意味しないか

これらの仕組みがあることだけで、すべてのデータ処理、端末管理、運用、法令対応にリスクがないと保証されるわけではありません。

WLDは日本で買える?取引所と購入時の注意点

2026年8月の確認時点では、金融庁が公開する登録暗号資産交換業者の取扱暗号資産一覧で、WLDの国内取扱いを確認できません。

WLDと、Wilder Worldの「WILD」は異なる暗号資産です。銘柄名やティッカーが似たトークンを誤って購入しないよう、名称、ティッカー、コントラクトアドレス、対応ネットワークを照合してください。

取扱状況は変わる可能性があります。購入を検討する時点で、金融庁・JVCEAと各登録業者の公式取扱銘柄一覧を確認してください。

《出典》
暗号資産交換業者・取扱暗号資産に関する情報|金融庁
取扱暗号資産等の公開資料|日本暗号資産等取引業協会

海外サービスを使う前に確認すること

海外取引所やDEXでWLDが表示されていても、日本居住者が利用できるとは限りません。日本の登録業者と同じ制度上の保護が及ばない場合もあります。

  • 日本居住者の利用が規約上認められているか
  • 運営主体、登録、本人確認、出金条件を確認できるか
  • 対応ネットワークとコントラクトアドレスが公式情報と一致するか
  • 送金停止、口座凍結、ハッキング時の対応が明示されているか
  • 少額のテスト送金を行い、受取を確認してから追加送金できるか

本記事では、特定の海外サービスを購入の「最短ルート」として推奨しません。暗号資産の購入自体が初めての場合は、国内取引所の口座開設と暗号資産購入の基本から確認してください。

外部ウォレットで保管するときの注意点

WLDを外部ウォレットへ移す場合は、自分で秘密鍵やリカバリーフレーズを管理します。入力先を誤ったり第三者へ渡したりすると、資産を取り戻せない可能性があります。

秘密鍵の役割、偽サイトの見分け方、リカバリーフレーズの保管方法は、外部ウォレットとリカバリーフレーズの安全な管理で確認できます。

ワールドコイン(WLD)に関するよくある質問

無料配布、Orb認証、アンロック、日本での購入について、現在の条件を整理します。

Q. 今からWLDの無料配布へ参加できますか?

A. 新しいWLDエアドロップ周期は、2026年6月1日以降、作成・更新されていません。現在も受け取れるのは、同日より前に登録して初回分を受け取り、有効な周期が残っている対象者です。

《出典》
Airdropプログラムのアップデートについて|Worldヘルプセンター

Q. Orb認証をすれば必ずWLDを受け取れますか?

A. 必ず受け取れるわけではありません。Orb認証はWorld IDを取得するための認証であり、新規エアドロップへの参加資格を現在保証するものではありません。

Q. World IDとWLDは同じものですか?

A. 同じものではありません。World IDは一人の人間であることを証明する認証情報で、WLDはWorld Networkで利用される暗号資産です。

Q. WLDのアンロックは終了しましたか?

A. 終了していません。2026年7月24日からアンロック速度は全体で約43%低下しましたが、WLDは引き続き日次で段階的にアンロックされます。

《出典》
WLD unlock rate to decrease by 43%|World

Q. WLDは日本の取引所で買えますか?

A. 2026年8月の確認時点では、国内登録業者の取扱暗号資産一覧でWLDを確認できません。取扱状況は変わるため、金融庁・JVCEAと各登録業者の公式一覧を購入前に確認してください。

Q. 虹彩画像はどこに保存されますか?

A. Worldの現在の説明では、Orbが生成した画像などは暗号化され、Personal Custody Packageとして利用者の端末へ送られ、Orbから削除されます。認証前には、最新のプライバシー通知と削除方法を確認してください。

《出典》
World Privacy FAQs|World

Q. World ChainとWLDは同じものですか?

A. 同じものではありません。World Chainは取引やアプリが動くブロックチェーンで、WLDはその上でも利用できる暗号資産です。

まとめ:WLDは利用需要・供給・規制を分けて判断する

ワールドコイン(WLD)は、World Networkで利用される暗号資産です。AI時代の人間証明というテーマには成長余地がありますが、World IDの普及がWLDの需要や価格へ自動的につながるわけではありません。

  • 2026年6月1日以降、新しいWLDエアドロップ周期は開始できません
  • 既存の対象者は、有効な12か月周期が終了するまで受け取れる場合があります
  • 2026年7月からアンロック速度は低下しましたが、供給増は続きます
  • World IDの採用とWLDの利用需要を分けて確認する必要があります
  • プライバシー、規制、国内での入手性、第三者サービスのリスクを確認します

「無料でもらえる」「AI関連だから伸びる」という一つの材料だけで判断せず、実需と供給の両方を継続的に確認することが重要です。

《出典》
Worldcoinトークン(WLD)|World
World Whitepaper — Tokenomics|World