監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto

慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年8月12日

倉本 佳光

ビットコインは半減期を迎えると必ず値上がりするわけではありません。半減期が直接変えるのは、マイニングによる新規発行量です。市場の需要が維持または増加するなかで新規供給が減れば、価格には上向きの圧力がかかりやすくなります。

一方、需要の減少、事前の織り込み、金利などの外部環境、マイナーによる売却が重なれば、半減期後でも価格は下がります。本記事では、ビットコイン半減期でなぜ上がるといわれるのかを、供給・需要・マイナー・市場心理の順に整理します。

半減期そのものの基礎は仮想通貨の半減期の仕組み、次回の予測日時は次のビットコイン半減期の最新予測で確認できます。

免責事項(投資助言ではありません)

本記事は、ビットコインに関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

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ビットコイン半減期と価格の関係

半減期だけでビットコイン価格の上昇は決まらない

半減期とは、ビットコインのブロック補助金が21万ブロックごとに半分になる仕組みです。2024年4月の第4回半減期では、1ブロックあたりの補助金が6.25 BTCから3.125 BTCへ減りました。

半減期は新規供給を減らしますが、需要を自動的に増やす仕組みではありません。価格が上がりやすくなるのは、買いたい人や保有を続ける人の需要が、新たに市場へ出てくる供給を上回る場合です。

したがって、「半減期だから上がる」ではなく、供給が減る局面で需要がどう変化するかを見る必要があります。

《出典》
Block Chain|Bitcoin Developer Reference
Bitcoin Core chainparams.cpp|GitHub

ビットコイン半減期で価格が上がる仕組み

ビットコイン半減期で価格が上がるといわれる仕組み

価格上昇の説明は、新規供給、売却、需要の3段階に分けると理解しやすくなります。半減期当日に市場のBTCが半分になるわけではなく、その後に新しく発行されるペースが半分になります。

1.マイニングによる新規供給が半分になる

ブロックが平均約10分で生成されると仮定すると、3.125 BTCの補助金による新規発行量は1日あたり概算約450 BTCです。次回半減期で補助金が1.5625 BTCになれば、概算約225 BTCへ減ります。

減るのは市場に存在する総量ではなく、新たに追加される量です。既存保有者が売却すれば流通量は増えるため、新規発行量だけで市場全体の供給を判断することはできません。

《出典》
Block Chain|Bitcoin Developer Reference

2.マイナー由来の潜在的な売却量が減り得る

マイナーは設備費や電力費などを支払うため、受け取ったBTCの一部を売却することがあります。補助金が半減すると、新規発行分から生じる潜在的な売却量も小さくなる可能性があります。

ただし、半減期直後は収益が圧迫され、資金確保のために保有BTCを売る事業者が出ることもあります。したがって、短期的な売り圧が必ず半分になるとは限りません。

3.需要が維持・増加すれば価格に上向きの圧力がかかる

新規供給が減る一方で買い需要が維持されれば、同じ需要がより少ない新規供給と向き合うことになります。需要がさらに増えれば、売り手が提示する価格を引き上げないと取引が成立しにくくなります。

価格上昇の条件は「供給減」だけではなく「需要が供給を上回ること」です。この条件を省くと、半減期後の上昇を保証する説明になってしまいます。

発行上限と新規発行の関係は、ビットコインの発行枚数と希少性で詳しく解説しています。

《出典》
Bitcoin Halving 2024 – This Time It’s Different|CME Group

半減期によるマイナー収益と売り圧への影響

半減期がマイナーと売り圧へ与える影響

マイナーの収入は、主にブロック補助金と取引手数料から成ります。半減期では補助金が半分になるため、BTC価格、電力費、設備効率、取引手数料が変わらなければ収益性は悪化します。

採算が厳しいマイナーは、設備停止、事業縮小、効率の高い設備への更新、保有BTCの売却などで対応します。この調整により、一時的にハッシュレートが低下したり、売り圧が強まったりする場合があります。

半減期直後は「新規供給の減少」と「マイナーの資金繰り売り」が同時に起こり得ます。そのため、供給減がすぐ価格上昇として表れるとは限りません。

《出典》
Understanding the Bitcoin Halving|Fidelity Digital Assets
Block Chain|Bitcoin Developer Reference

半減期後にビットコイン価格が上がらない理由

半減期後にビットコイン価格が上がらない4つの理由

半減期は事前に予定されたイベントです。市場参加者が日程と供給減を知っている以上、期待が半減期前の価格へ反映されることもあります。

  • 事前に織り込まれている:期待による買いが先行し、半減期通過後に利益確定売りが出る
  • 需要が減少する:資金流出や投資家心理の悪化により、供給減を上回る売りが出る
  • 外部環境が悪化する:金利上昇、流動性低下、規制や信用不安などがリスク資産の重荷になる
  • マイナーが保有BTCを売却する:収益悪化への対応が短期的な売り圧になる

半減期は価格を決める材料の一つであり、他の上昇・下落要因を打ち消すものではありません。より広い価格要因はビットコイン価格が上昇・下落する要因で確認できます。

《出典》
Bitcoin Halving 2024 – This Time It’s Different|CME Group
Understanding the Bitcoin Halving|Fidelity Digital Assets

過去4回のビットコイン半減期

過去4回の半減期で価格はどう動いたのか

ビットコインはこれまで、2012年、2016年、2020年、2024年に半減期を迎えました。過去には半減期後の中長期で価格が上昇した局面がありましたが、半減期当日から一直線に上がったわけではありません。

半減期 ブロック補助金 読み取れること
第1回2012年11月28日50 BTC→25 BTC市場規模が小さく、現在とは参加者構成が異なる
第2回2016年7月9日25 BTC→12.5 BTC半減期後にも調整を挟みながら上昇局面へ移行
第3回2020年5月11日12.5 BTC→6.25 BTC金融・流動性環境や機関投資家参加も価格に影響
第4回2024年4月20日6.25 BTC→3.125 BTC米国現物ビットコインETP承認後という新しい市場環境

4回しかない事例から、半減期だけを価格上昇の原因と断定することはできません。各サイクルで市場規模、金利、流動性、規制、投資商品、参加者が異なるためです。

過去の上昇は「半減期後に上がることがあった」という観察であり、次回も同じ経路をたどる保証ではありません。

《出典》
Bitcoin Halving Price History|CoinGecko Research
Block Chain|Bitcoin Developer Reference

現物ビットコインETF後の市場は過去と何が違うのか

米国証券取引委員会(SEC)は2024年1月、複数の現物ビットコインETPの上場・取引を承認しました。これにより、投資家は証券口座を通じてビットコイン価格への投資機会を得られるようになり、需要経路が広がりました。

現物型商品への純流入が続けば、運用のためのBTC取得が需要になります。反対に、純流出が続けば売却側の要因になります。ETFの存在自体ではなく、実際の資金流入・流出を見ることが重要です。

また、ビットコインの総供給量が増えるにつれて、半減する新規発行量が既存供給全体に占める割合は小さくなります。将来の半減期ほど、半減期単独ではなく需要側の変化と合わせた評価が必要です。

《出典》
Statement on the Approval of Spot Bitcoin ETPs|U.S. Securities and Exchange Commission
Bitcoin Halving 2024 – This Time It’s Different|CME Group

半減期を投資判断に使うときの確認項目

半減期だけで売買時期を決めず、供給側と需要側の両方を確認します。

  • 新規発行量:現在のブロック補助金から、どの程度のBTCが新規発行されるか
  • 既存保有者の売買:長期保有者や大口保有者が売却していないか
  • マイナー環境:収益性、ハッシュレート、設備更新、資金繰りに変化がないか
  • 需要:現物市場、投資商品、企業・投資家からの資金流入が続いているか
  • 外部環境:金利、流動性、規制、信用不安がリスク資産にどう影響しているか
  • 事前の値動き:半減期への期待がすでに価格へ反映されていないか

「半減期前だから買い時」「半減期後だから売り時」とは一律に判断できません。購入時期を検討する場合は、ビットコインの買い時を考える判断基準もあわせて確認してください。

ビットコイン半減期と価格に関するよくある質問

ビットコイン半減期と価格のよくある質問

半減期と値動きに関する代表的な疑問へ、結論から回答します。

半減期になると保有しているビットコインも半分になりますか?

半分にはなりません。半減するのは、マイナーが新しいブロックを生成した際に受け取るブロック補助金です。ウォレットや取引所で保有しているBTCの数量は、半減期を理由に減りません。

半減期後は必ずビットコイン価格が上がりますか?

必ず上がるわけではありません。新規供給が減っても、需要減少、事前の織り込み、マイナーや既存保有者の売却、外部環境の悪化があれば価格は下がります。

半減期後、いつから価格が上がりますか?

時期を特定することはできません。過去には半減期後の中長期で上昇した局面がありましたが、半減期直後に下落・停滞した局面もあります。需要と売り圧の変化を継続的に確認する必要があります。

次のビットコイン半減期はいつですか?

次回はブロック高1,050,000への到達時に発生します。ブロック生成間隔は一定ではないため、予測日は変動します。最新の予測日時は、本記事冒頭で案内した専用ページで確認してください。

ビットコイン半減期で価格が上がる理由のまとめ

まとめ|半減期でなぜ上がるといわれるのか

ビットコイン半減期で価格が上がるといわれるのは、新規発行量が半分になり、需要が維持・増加すれば需給が引き締まりやすくなるためです。

  • 半減するのはブロック補助金であり、保有BTCや市場の総供給量ではない
  • 新規供給が減っても、需要が弱ければ価格は上がらない
  • マイナーの収益悪化は短期的な売却要因にもなる
  • 過去の上昇は次回の値動きを保証しない
  • 現物ETF、金利、流動性、既存保有者の売買も合わせて判断する

半減期は上昇を約束する日ではなく、ビットコインの新規供給条件が変わる日です。価格を判断するときは、その供給変化を需要が上回っているかを確認しましょう。