ステーブルコインの理解度は二極化、信頼性と透明性が今後の焦点に

BitLending」及び「Iolite(アイオライト)」を運営する株式会社J-CAM(所在地:東京都港区、代表取締役:新津 俊之)は、現在暗号資産投資をしている方を対象に、「2025年上半期の投資成果と、今後注目される運用手段・資産の実態」に関する調査を行いました。

2025年上半期は、円安の進行、株価の高騰など、投資環境が大きく変化した期間でした。

これまで投資に関心の薄かった層にも「資産をどのように守り、どのように増やすか」という意識が広がりつつあります。

その一方で、「どのような資産に投資すればよいのか」「リスクをどこまでとるべきか」と悩む声もあるようです。

暗号資産や株式、投資信託など、選択肢が増えるなかで、現在暗号資産投資をしている方はどのような成果をあげ、どのような課題を感じ、何を期待しているのでしょうか。

そこで今回、株式会社J-CAMは、現在暗号資産投資をしている方を対象に、「2025年上半期の投資成果と、今後注目される運用手段・資産の実態」に関する調査を行いました。

調査概要:「2025年上半期の投資成果と、今後注目される運用手段・資産の実態」に関する調査

【調査期間】2025年10月15日(水)~2025年10月16日(木)

【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査

【調査人数】1,004人

【調査対象】調査回答時に現在暗号資産投資をしていると回答したモニター

【調査元】「BitLending(https://bitlending.jp/)」「Iolite(アイオライト)(https://iolite.net/)」を運営する株式会社J-CAM

【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

<調査サマリー>

  • 2025年上半期の投資先は「ビットコイン」が最多。「国内株式」「投資信託」も多く、分散運用が主流に
  • 利益を実感できた資産は「ビットコイン」「国内株式」「投資信託」
  • 損失の理由は「市場急変」や「レバレッジ過大」が上位
  • 2025年下半期に注目する資産は「ビットコイン」「国内株式」が二強
  • 特に利益が見込めると考える資産も「ビットコイン」「国内株式」が拮抗
  • ステーブルコインは「名前を知っている程度で、保有・利用していない」層が最多。理解度にはばらつきがあり、保有・利用は限定的
  • ステーブルコインに対する懸念点は「発行元の信頼性」「価格の安定性」「セキュリティ」

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出典:株式会社J-CAM「2025年上半期の投資成果と、今後注目される運用手段・資産の実態」に関する調査

URLリンク:https://bitlending.jp/bitcoin-this-week/investment-trends-2025-h1/

2025年上半期に投資を行った資産は「ビットコイン」が最多。利益の実感1位も「ビットコイン」という結果に

2025年上半期に投資を行った資産の調査

はじめに、「2025年上半期(1月〜6月)に投資を行った資産」について尋ねたところ、『ビットコイン(BTC)(87.9%)』が最も多く、『国内株式(57.2%)』『投資信託(アクティブファンド・インデックスファンドなど)(47.2%)』となりました。

「ビットコイン」以外に「国内株式」や「投資信託」も多くみられ、暗号資産投資家の多くが従来型の金融商品を組み合わせた分散運用を行っていることがうかがえます。

では、そのなかで特に「利益が出た」と感じた資産は何だったのでしょうか。

「『最も利益が出た』と回答した資産」について尋ねたところ、『ビットコイン(BTC)(34.8%)』が最多で、『国内株式(19.3%)』『投資信託(アクティブファンド・インデックスファンドなど)(14.7%)』となりました。

最も利益が出たと感じる資産は「ビットコイン」が最多になり、価格上昇が顕著だった2025年前半を反映した結果といえます。

「国内株式」や「投資信託」も上位になり、暗号資産との両輪で成果を得た方が多かったようです。

前問で回答した資産種別のなかで、特に利益の出た銘柄を具体的にうかがいました。

■ 特に利益の出た銘柄は?

【暗号資産(ビットコイン・イーサリアム・リップルなど)】

  • ビットコイン(60代/男性/大阪府)
  • イ-サリアム、リップル(60代/女性/福岡県)

【国内株式】

  • 三菱重工業、フジクラ、助川電気(30代/女性/静岡県)
  • サンバイオ(50代/男性/茨城県)
  • ソフトバンク(50代/男性/福島県)

【投資信託】

  • オールカントリー、S&P500(30代/女性/沖縄県)
  • (S&P500連動型投信を通じた)エヌビディア(40代/女性/岡山県)
  • TOPIX連動型商品(50代/男性/千葉県)

暗号資産ではビットコインを中心に、イーサリアムやリップルなど主要銘柄で利益を得たという意見が多くみられました。

一方で、国内株式ではエネルギー・通信など景気動向に敏感な業種が目立ち、個別銘柄選択による成果もみられます。

投資信託では、オールカントリーやS&P500といった指数連動型が多く、世界的な株高の恩恵を享受した方が多かったと考えられます。

上昇相場の裏で損失を抱えた投資家もいたと考えられますが、損失の背景にはどのような要因があったのでしょうか。

2025年上半期に想定外の損失の調査

「2025年上半期(1月〜6月)に『想定外の損失』が出た資産はあるか。ある場合はどのような理由で『想定外の損失』が出たか」について尋ねたところ、『『想定外の損失』が出た資産はない(44.7%)』が最も多く、続いて『市場全体の価格下落・急変によるもの(34.4%)』『投資額・レバレッジを大きくしすぎた(14.9%)』という理由が上位を占める結果となりました。

「市場急変」や「過大なリスクテイク」が損失の要因としてあげられています。

信頼性に乏しい情報をもとに損失を出した投資家も少なくなく、投資判断の基準や情報リテラシーの課題が浮かび上がっています。

短期的な価格変動に影響されやすい暗号資産市場では、リスク管理と情報精査の重要性がより高まっているといえるでしょう。

2025年下半期、暗号資産投資家が注目する“資産・運用手段”とは?

次に、2025年下半期(7月〜12月)に注目している資産や運用手段について尋ねました。

2025年下半期(7月〜12月)に注目している資産や運用手段の調査

「2025年下半期(7月〜12月)に注目している資産・運用手段」について尋ねたところ、『ビットコイン(BTC)(48.0%)』が最も多く、『国内株式(42.9%)』『海外株式(米国株など)(26.6%)』となりました。

2025年下半期に注目されている資産・運用手段は、「ビットコイン」と「国内株式」が拮抗し、暗号資産と株式を重視する傾向がみられました。

また、「投資信託(インデックスファンド)」や「貴金属(金・銀など)」も上位にあがり、インフレや金利動向を意識した資産防衛志向が強まっていると考えられます。

では、2025年下半期に注目されている資産のなかで、特に「利益が見込める」と考えられているものはどのような投資先なのでしょうか。

「前問で回答した資産種別の中で、特に利益が見込めると思うもの」について尋ねたところ、『ビットコイン(BTC)(33.6%)』『国内株式(29.8%)』『海外株式(米国株など)(15.4%)』が上位にあがりました。

こちらも「ビットコイン」と「国内株式」が拮抗し、暗号資産と株式の両軸で収益機会を見込む姿勢がうかがえます。

また、「海外株式」や「投資信託」も上位に入り、グローバルでの分散や長期運用を意識する方が増えていると考えられます。

利益の期待が高い資産が示されましたが、その選定にはどのような理由があったのでしょうか。

利益の期待が高い資産の選定した理由の調査

「その資産・運用手段を選んだ理由」を尋ねたところ、『市場サイクル的に割安または上昇局面にあると判断したから(37.8%)』『リスク・リターンのバランス、リターンの効率性が優れていると考えるから(28.6%)』『分散投資の戦略としてポートフォリオ全体の安定性を高めるため(24.8%)』が上位になりました。

短期的な相場判断だけでなく、長期的視野で安定運用を志向する傾向がみられます。

特に、「リスク・リターンのバランス」や「分散戦略」といった回答が多いことから、単一資産依存から脱却した成熟した投資行動が進んでいると考えられます。

ステーブルコインを保有・利用している暗号資産投資家は約3割にとどまる結果に

市場サイクルや分散戦略を意識した暗号資産を含む投資先への投資行動が広がるなかで、ステーブルコインは「安定した価値移転手段」としての機能を担い始めており、今後、ブロックチェーン上での取引や金融インフラが整備されるなかで、ステーブルコインがエコシステムの実用層を広げるカギになる可能性があります。

はたして、ステーブルコインについての理解度はどの程度なのでしょうか。

ステーブルコインについての理解度の調査

「ステーブルコイン(USDT・USDC・JPYC・DAIなど)の理解の程度」について尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。

  • 『聞いたことがない(18.2%)』
  • 『名前を知っている程度で、保有・利用していない(34.7%)』
  • 『名前を知っている程度で、保有・利用している(11.3%)』
  • 『ある程度理解しており、保有・利用していない(17.0%)』
  • 『ある程度理解しており、保有・利用している(7.9%)』
  • 『十分に理解しており、保有・利用していない(4.6%)』
  • 『十分に理解しており、保有・利用している(6.3%)』

暗号資産投資家であっても、ステーブルコインについて「十分に理解している」「ある程度理解している」と回答した方は約4割にとどまる結果になりました。

理解度が限定的である一方、「保有・利用している」という方は約3割となり、一定の実需層も存在します。

暗号資産投資家の間では、理解が進みつつもまだ発展途上の段階にあることがうかがえますが、ステーブルコインを保有・利用している方はどのような目的があるのでしょうか。

前の質問でステーブルコインを『保有・利用している』と回答した方にうかがいました。

ステーブルコインを保有・利用している目的の調査

「ステーブルコイン(USDT・USDC・JPYC・DAIなど)を保有・利用している目的」を尋ねたところ、『相場変動のリスクヘッジのため(他の暗号資産の価格変動リスクを避けるためなど)(47.5%)』『暗号資産取引所間の送金・資金移動の効率化のため(46.3%)』『法定通貨代替のため(23.1%)』が上位になりました。

リスクヘッジと利便性を重視した目的が中心であり、投機よりも実務的・機能的な利用が進んでいることがうかがえます。

また「利息獲得」など、資産運用手段としての活用も広がりつつあります。

利便性や実用性を重視した保有・利用が進む一方で、ステーブルコインにはどのような不安や懸念があるのでしょうか。

「ステーブルコイン(USDT・USDC・JPYC・DAIなど)について、どのような不安・懸念を感じているか」と尋ねたところ、『発行元や担保の信頼性が不安(裏付け資産が十分か不透明)(43.6%)』が最多になり、『デペッグ(1ドルからの乖離)など価格の安定性が不安(29.0%)』『ハッキングや取引所トラブルなどセキュリティが不安(27.6%)』となりました。

最も多かった不安は「発行元や担保の信頼性」で、裏付け資産の透明性を懸念する声が目立ちました。2022年のTerra/LUNAショック以降、担保不備によるステーブルコイン崩壊リスクが広く認識されたことも、こうした不安を強めていると考えられます。

次いで「価格の安定性」「セキュリティ」「規制強化リスク」となり、技術面と制度面の両方に課題があることが示されました。

利便性が注目される一方で、信頼性や安全性をどう担保するかが今後の普及のカギになると考えられます。

まとめ:暗号資産投資の成熟が進む2025年上半期。分散と安定を志向する投資スタイルが定着

今回の調査で、2025年上半期(1月〜6月)の投資動向から、暗号資産投資家の投資行動がより多角化・リスク分散が進んでいる姿が浮かび上がりました。

「ビットコイン」への投資は高水準で、「国内株式」や「投資信託」などの金融商品にも積極的に資金を振り分けているようです。

実際に「最も利益が出た資産」として「ビットコイン」が最多だった一方で、「国内株式」や「投資信託」を選ぶ方も多くみられ、短期的な値動きに左右されにくい運用手段を併用することで、安定的な利益を確保する方が増えていると考えられます。

また、「想定外の損失はなかった」という回答が約4割に達した点からも、暗号資産投資家のリスクコントロール能力が高いことがうかがえます。

2025年下半期(7月〜12月)の注目資産では、「ビットコイン」と「国内株式」が拮抗し、特に利益が見込めると思うものでも「ビットコイン」と「国内株式」が上位になりました。 理由として「市場サイクル的に上昇局面にある」「リターンの効率性が高い」「分散による安定性の向上」をあげる声が多く、短期的な投機目的ではなく中長期的な資産形成を意識しているといえます。

ステーブルコインに関しては「名前を知っている程度で、保有・利用していない」という方が最も多く、理解度や利用状況にはまだ課題があります。

実際に保有・利用している方は、「相場変動のリスクヘッジ」「送金の効率化」「法定通貨代替」といった実務的な目的が中心で、暗号資産のインフラとしての役割を一定程度担っていることが示されました。

しかしながら、「発行元の信頼性が不安」「価格の安定性が不安」「セキュリティが不安」などの懸念も強く、制度的な枠組みの整備と情報開示等による透明性向上が喫緊の課題となっている。

総じて、2025年の暗号資産投資家は「高リスク・高リターンの追求」から「バランスと持続性を重視する運用」へと投資志向が変化していると考えられます。

暗号資産が特異な存在から、国内株式や投資信託と並ぶ1つの資産クラスとして位置付けられつつある今、求められるのは信頼できる環境の整備と透明な市場構造です。

今後は、個々の投資家がリスクを理解しつつ、テクノロジーと制度の両面から支えられた持続的な資産形成を志向する動きが一層強まっていくといえるでしょう。

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出典:株式会社J-CAM「2025年上半期の投資成果と、今後注目される運用手段・資産の実態」に関する調査

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