仮想通貨オアシス(Oasys/OAS)はオワコン?将来性はあるのか?下落の理由と現在地
監修:株式会社J-CAM 金融アドバイザー AFP認定者 倉本 佳光 Yoshimitsu Kuramoto
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。その後、メリルリンチ日本証券株式会社マネージメント・コミッティーメンバー、岡三アセットマネジメント株式会社理事などを歴任。
執筆:BitLending編集部 更新日:2026年8月18日
仮想通貨オアシス(Oasys/OAS)について、「オワコンではないか」という検索が増えています。結論を先にお伝えすると、ネットワークとプロジェクトそのものは2026年8月時点でも稼働していますが、投資対象として見たときの前提は、注目を集めていた2024年当時とは別物になっています。
2025年から2026年にかけて、国内取引所の取扱い廃止、主要なレイヤー2チェーンのサービス終了、取引できる市場の減少といった出来事が重なりました。「開発が止まったから下がった」のではなく、「取引と利用の裾野が縮んだ」ことが価格に表れている、というのが実態に近い見方です。
この記事では、価格予想は行いません。代わりに、実際に起きた出来事を日付とともに整理し、いまOASがどこで取引できてどの程度売買が成立しているのか、残っている実需はどの段階まで進んでいるのかを確認します。最後に、価格チャートを見なくても「オワコンかどうか」を自分で判定し続けられる5つのチェックポイントをまとめます。
目次
- 【結論を先に】仮想通貨オアシス(Oasys/OAS)は「オワコン」なのか
- 【下落の理由】2025〜2026年に実際に起きた4つの出来事
- 【売れるかを確認】OASを取引できる場所と流動性の実態
- 【構造の変化】L1とVerseの二層構造は2026年にどう変わったか
- 【確度で仕分け】いま残っている実需と、その進み具合
- 【他チェーンと比較】Oasys・Immutable・Roninで何が分かれたのか
- 【保有中の選択肢】ステーキング・レンディング・税金の扱い
- 【先にリスク整理】投資前に理解しておきたい5つのリスク
- 【疑問を解消】OasysとOASのよくある質問
- 【自分で判定する】オワコンかを見分ける5つのチェックポイント
免責事項(投資助言ではありません)
本記事は、暗号資産に関する情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買・投資行動を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が非常に大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。
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仮想通貨オアシス(Oasys/OAS)は「オワコン」なのか
「終わったかどうか」を一言で答えることはできませんが、判定を2つに分けると事実に近づきます。ネットワークが動いているかという問いと、投資対象として当時と同じ条件が続いているかという問いは、別のものだからです。
2026年8月時点で、Oasysのブロックチェーンは稼働しており、国内の登録業者でOASの売買もできます。新しい提携の発表も続いています。その一方で、OASの価格は過去最高値だった2024年2月の水準から9割以上下落し、時価総額は数百万ドル規模まで縮小しました(2026年8月18日確認)。取引できる市場の数も大きく減っています。
つまり「プロジェクトは動いているが、売買の場と規模は当時と別物になった」という状態です。この2つを混ぜて語ると、判断を誤ります。
《出典》
Oasys (OAS) 価格・市場データ|CoinGecko
Oasys (OAS) 価格・市場データ|CoinMarketCap
そもそもOasys(オアシス)とはどんなプロジェクトか
Oasysは、ブロックチェーンゲームでの利用を前提に設計された日本発のブロックチェーンです。2022年にメインネットが稼働しました。
最大の特徴は、プレイヤーがゲーム内で操作するたびに手数料(ガス代)を負担しなくて済むように設計されている点です。一般的なブロックチェーンでは、アイテムを1つ動かすたびに少額の手数料がかかり、これがゲーム体験を損ねる要因になっていました。
もう1つの特徴が、ネットワークの検証を担う「バリデータ」に、セガ、バンダイナムコ研究所、スクウェア・エニックス、KDDI、Ubisoftといった企業が名を連ねてきたことです。この顔ぶれが、日本のゲーム業界に近いプロジェクトとして注目を集める理由になりました。
ネイティブトークンがOASで、ローンチ時の総供給量は100億OASと設計されています。
《出典》
Tokenomics|Oasys Documentation
ホットリンクG傘下のNonagon Capital、「オアシス」のバリデーター運用開始|あたらしい経済
この判定が変わる条件
いまの判定は固定されたものではありません。次のどちらの方向に事実が動くかで、判定は書き換わります。
上向きに変わる条件は、取扱いを再開・新規開始する取引所が出てくること、日々の売買が成立する規模まで取引高が戻ること、後述する不動産のトークン化案件が発表段階から実行段階へ進むこと、そしてOasys上で継続的に遊ばれるタイトルが増えることです。
下向きに固まる条件は、国内で取り扱う業者がさらに減ること、バリデータとして参加する企業が抜けていくこと、発表済みの案件が実行されないまま時間が過ぎることです。
この記事の後半では、これらを自分で確認するための具体的な指標と確認先を示します。
「オワコン」「下落の理由」と検索される背景に何があったのか
検索が増えた背景には、印象論ではなく日付のある出来事が4つあります。いずれも2025年から2026年にかけて、続けざまに起きました。
ここで重要なのは、4つの出来事が独立して起きたのではなく、互いにつながっているという点です。取引の場が減れば売買が細り、売買が細れば新規の取扱いが検討されにくくなります。ゲームの終了が続けば、チェーンを使う理由そのものが減ります。
年表:2022〜2026年にOasysで起きたこと
| 時期 | 出来事 | 読み方 |
|---|---|---|
| 2022年 | メインネット稼働。大手ゲーム企業がバリデータとして参画 | 日本発のゲーム特化チェーンとして期待が集まった時期 |
| 2024年2月 | OASが過去最高値を記録 | ここが基準点。以降の下落率はこの水準との比較で語られる |
| 2024年8月 | SBIホールディングスと戦略的提携。資金調達も実施 | 金融側との接続が広がった。ただし調達額は非開示 |
| 2025年4月 | 譲渡できない決済専用トークン「pOAS」を導入 | 配布してもOASの価格に影響しにくい設計への転換 |
| 2025年7月 | 不動産投資のGATESが、Oasys上での不動産トークン化を発表 | ゲーム以外へ需要源を広げる動き |
| 2025年10月 | double jump.tokyoが『魁 三国志大戦』など2作品の終了と事業転換を発表 | チェーンを使うタイトルの減少が表面化 |
| 2025年10月 | 楽天ウォレットがOASの取扱い廃止を発表 | 国内で買える場所が1つ減った |
| 2025年10月 | イーサリアムとのブリッジに対応(WOAS) | 外部からのアクセスを広げる打ち手 |
| 2026年5月 | レイヤー2「HOME Verse」のサービス終了を発表 | 主力のレイヤー2が畳まれ、L1中心の体制へ |
| 2026年6月 | HOME Verseがサービス終了/スクウェア・エニックスとエネチェンジがOasys活用の新サービス開発を発表 | 縮小と新規案件が同時に進んでいる状態 |
《出典》
OasysのL2チェーン「HOME Verse」、6/30にサービス終了へ|あたらしい経済
楽天ウォレット、「オアシス(OAS)」取扱い廃止へ|あたらしい経済
1. 国内取引所の取扱い廃止(2025年10月)
楽天ウォレットは2025年10月27日、OASの取扱いを廃止すると発表しました。同社は理由として「OASにおけるプロジェクトの継続性や流動性等を総合的に検討した結果、ユーザーへのサービス提供を継続することが適当でないと判断したため」と説明しています。
スケジュールは、11月17日12時に購入とポイント交換を停止、11月28日12時に売却・外部出庫・楽天キャッシュへのチャージを停止、11月29日以降は同社が適当と判断する時期に保有OASを売却して日本円へ換金する、という流れでした。
期限までに自分で判断しなければ、保有分が事業者側の判断で現金化されるという点は、取扱い廃止という出来事の実務的な意味として覚えておく価値があります。
2. 主力レイヤー2「HOME Verse」のサービス終了(2026年6月)
2026年5月29日、double jump.tokyoが運営していたOasysのレイヤー2チェーン「HOME Verse」について、6月30日でのサービス終了が発表されました。HOME Verseは2022年12月から稼働していた、Oasysを代表するレイヤー2です。
これに伴い、Ubisoftの『Champions Tactics』はブロックチェーン機能から段階的に移行することとなり、ウォレット機能はすでに凍結されました。『ブレイブ フロンティア ヒーローズ』については、同作がdouble jump.tokyoの運営としては2025年10月31日に終了したのち、開発チームが独立して運営を継続している経緯があり、今回のHOME Verse終了に伴いレイヤー1のOasysへ移行する方針とされています。
Oasysは今後、レイヤー1を中心とした基盤強化を進める方針です。この位置づけについては、後述するとおり「後退」とも「不採算部分の整理」とも読めます。
《出典》
OasysのL2チェーン「HOME Verse」、6/30にサービス終了へ|あたらしい経済
3. タイトルの終了と、ゲーム特化という前提への疑い
2025年10月には、double jump.tokyoが『魁 三国志大戦』を含む2作品のサービス終了と事業転換を発表しています。ブロックチェーンゲームは「稼げるうちは人が集まり、報酬が細ると離れる」構造を抱えており、これはOasysに限った問題ではありません。
ただし、チェーンを使う理由がゲームに集中している設計では、タイトルの減少がそのままチェーンの利用減少に直結します。この点は、業界全体の課題と、Oasys固有の設計上の弱さが重なった部分と言えます。ブロックチェーンゲームという分野が何を目指し、どこでつまずいてきたのかは、ブロックチェーンゲームの成り立ちと市場の見取り図とあわせて読むと整理しやすくなります。
4. 価格の下落そのもの
OASは2024年2月に過去最高値を付けたあと下落が続き、2026年8月18日の確認時点で、その水準から9割以上下がっています。
ただし価格の下落は「原因」ではなく「結果の表示」です。価格だけを見ても、それが一時的な市場全体の調整なのか、利用の縮小を反映したものなのかは区別できません。区別するために見るべきなのが、次に扱う流動性です。
OASはどこで買えて、どう売れるのか
OASを検討するときに最も見落とされやすいのが、「買えるか」ではなく「売りたいときに希望する価格で売れるか」という論点です。時価総額が小さくなった銘柄では、ここが損益を大きく左右します。
2026年8月18日の確認時点で、主要な価格集計サイトが追跡しているOASの市場はbitbank(OAS/日本円)、Gate(OAS/USDT)、Crypto.comの3か所です。24時間の取引高は全市場を合わせても数千ドル規模で、その大半をbitbankが占めています。日本国内では、bitbankとSBI VCトレードでOASを取り扱っています。
世界中の取引を合計しても、1日の売買が数千ドル規模にとどまる状態は、まとまった数量を一度に売買することが難しい水準です。この事実は、価格チャートを眺めているだけでは見えません。
価格と取引高は「セットで」見る
価格だけを追うと、板に少額の注文が入っただけの動きを、需要の回復と読み違えることがあります。価格が動いたときは、必ず同じ期間の取引高と、その取引がどの取引所で起きたのかを確認してください。
具体的には、次の3つを同時に見ます。
- 取引高:1日あたりいくら売買されているか。金額が小さいほど、少額の注文で価格が動きます
- 取扱取引所の数:増えているか減っているか。減少は流動性の先行指標になります
- 板の厚み:実際の取引所の注文一覧で、現在値の前後にどれだけ注文が並んでいるか
板の厚みは集計サイトでは分かりません。口座を持っている取引所の画面で直接確認する必要があります。手数料やスプレッドを含めた実質コストの考え方は、販売所と取引所(板取引)で総コストがどれだけ変わるかの解説が参考になります。
板が薄い銘柄を売買するときの実務的な注意
流動性が低い状態では、注文の出し方そのものがコストになります。
- 成行注文を避ける:板が薄いと、想定より不利な価格で約定します
- 分割して出す:一度にまとめず、複数回に分けることで価格への影響を抑えられます
- 販売所より取引所(板取引)を優先する:販売所のスプレッドは、流動性が低い銘柄ほど広がりやすくなります
- 売却したい時期から逆算する:「売りたくなってから考える」では間に合わないことがあります
国内でOAS/日本円の板取引ができるbitbankについては、bitbankの手数料体系や取扱銘柄で詳しく確認できます。
イーサリアム経由という選択肢と、その注意点
2025年10月、OasysはCeler cBridgeを利用したイーサリアムとのブリッジに対応し、ラップドトークン(WOAS)をイーサリアム上で扱えるようにしました。Uniswapには WOAS/USDC の流動性プールも用意されています。
ただし、ブリッジの利用は、日本の登録業者を通じた売買とは性質もリスクも異なります。自分で秘密鍵を管理する必要があり、ブリッジの技術的リスク、分散型取引所での価格のずれ、手数料も自己負担です。国内取引所で完結させたい人にとって、これは代替手段になりません。
💡 用語解説:流動性・板・スリッページとは? ▼ 開く
■ 流動性とは?
売りたいときにすぐ、希望に近い価格で売買が成立しやすいかどうかを示す言葉です。
- 板(オーダーブック):取引所に並んでいる買い注文と売り注文の一覧です。現在値の前後に注文が多いほど「板が厚い」といいます
- スリッページ:注文を出したときの想定価格と、実際に約定した価格のズレです。板が薄いほど大きくなります
- 注意点:流動性は価格とは別の指標です。価格が同じでも、売買できる規模はまったく違うことがあります
この記事での読み方
本記事が取引高や取扱取引所の数に注目しているのは、これらが流動性の目安になるためです。取引高が小さいほど、少額の売買で価格が大きく動き、まとまった数量の売却が難しくなります。逆に、取扱う取引所が増えれば流動性は改善しやすくなります。
Oasysの仕組みは2026年にどう変わったか
Oasysは、役割の違う2つの層を組み合わせた設計を採ってきました。この構造を知っておくと、2026年に起きた変化の意味を自分で解釈できるようになります。
1つ目が「Hub Layer」と呼ばれるレイヤー1です。ここはネットワーク全体の土台で、バリデータが検証を担い、資産の記録が最終的に確定します。2つ目が「Verse Layer」と呼ばれるレイヤー2で、ゲームごと・事業者ごとに用意される個別のチェーンです。
ゲームの操作はVerse Layer側で処理されるため高速で、プレイヤーがガス代を負担しない体験を実現できる——これがOasysが打ち出してきた価値でした。
2026年6月のHOME Verse終了とレイヤー1への集約
その二層構造の中核だったHOME Verseが、2026年6月30日にサービスを終了しました。Oasysは今後、レイヤー1を中心とした基盤強化を進める方針です。
この変化は、2つの読み方ができます。
- 後退と読む場合:Verseを増やしてゲームごとに専用チェーンを持たせるという当初の構想が、需要不足で維持できなくなったという解釈です
- 整理と読む場合:利用の少ないレイヤー2を維持するコストを外し、レイヤー1に資源を集中させる合理化という解釈です
どちらが正しかったかは、この先1〜2年でレイヤー1上のタイトルや利用がどう推移するかで判明します。いま断定するのではなく、確認できる指標を持っておくほうが実用的です。
バリデータの参加要件と、いまの顔ぶれ
Oasysのバリデータになるには、バリデータコントラクトを通じて1,000万OAS以上をステーキングする必要があります。これは仕様として定められた条件です。
2025年12月には、東証グロース上場のホットリンクのグループ企業であるNonagon Capitalがバリデータ運用を開始しました。バリデータの顔ぶれが維持・追加されているかどうかは、企業側がこのネットワークに関与を続ける意思を持っているかの目安になります。
なお、トークンの供給設計については、メインネット稼働から6年後に、ステーキング報酬の追加供給量をトークン保有者による分散型ガバナンスで決めると定められています。この判断がいつ、どのような形で行われるかは、将来の供給量に関わる論点です。
ネットワークがステーキングによってどう維持されているかという仕組み自体は、ステーキングの仕組みと報酬・リスクの基本で整理しています。
《出典》
Tokenomics|Oasys Documentation
ホットリンクG傘下のNonagon Capital、「オアシス」のバリデーター運用開始|あたらしい経済
💡 用語解説:Verse(レイヤー2)・バリデータとは? ▼ 開く
■ レイヤー1とレイヤー2(Verse)の関係
レイヤー1が土台となる本体のチェーンで、レイヤー2はその上に乗る、用途を絞った個別のチェーンです。
- Hub Layer(レイヤー1):Oasysの本体。バリデータが検証し、記録が最終確定します
- Verse Layer(レイヤー2):ゲームや事業者ごとに用意される専用チェーン。処理が速く、利用者の手数料負担を抑えられます
- バリデータ:取引の正しさを検証し、ネットワークを維持する役割。Oasysでは1,000万OAS以上のステーキングが参加条件です
- 注意点:Verseが終了しても、レイヤー1が止まるわけではありません。ただし、そのVerse上のサービスは影響を受けます
この記事での読み方
2026年のHOME Verse終了は、レイヤー2が1つ畳まれた出来事であり、Oasys本体の停止ではありません。一方で、Verseを増やして裾野を広げる構想が縮小した事実でもあります。ニュースを読むときは「どちらの層の話なのか」を必ず確認してください。
💡 用語解説:pOASとは?OASと何が違うのか ▼ 開く
■ pOAS(Point OAS)とは?
Oasys上の特定コンテンツでの決済にだけ使える、譲渡できないトークンです。2025年4月に導入されました。
- 確認点:売買ができないため、配布してもOASの市場価格に影響しにくい設計になっています
- 注意点:pOASを受け取っても、それを売って日本円にすることはできません。OASとは別物として扱う必要があります
この記事での読み方
pOASの導入は、「配布によってOASが売られて価格が下がる」という循環を避けるための設計変更と読めます。ただし、これはOASの需要を直接増やす仕組みではありません。利用が広がることとOASが買われることは、分けて考える必要があります。
将来性は「確度」で仕分けて判断する
将来性の話は、材料を並べるほど有望に見えてしまいます。これを避けるには、それぞれの材料が「すでに実現していること」なのか「発表されたが実行前」なのかを分けて見る必要があります。
材料の数ではなく、実行段階まで進んだ材料がいくつあるかが、将来性を測るときの実質的な基準です。以下の表は、公表されている材料を確度で仕分けたものです。
| 材料 | 発表時期 | 現在の段階 | 読者にとっての意味 |
|---|---|---|---|
| SBIホールディングスとの戦略的提携 | 2024年8月 | 実施済み(SBI VCトレードでの取扱いなど) | 国内で買える場所が確保されている |
| イーサリアムとのブリッジ対応 | 2025年10月 | 実施済み | 外部からのアクセス手段が増えた |
| GATESによる不動産のトークン化 | 2025年7月 | 発表・計画段階(実行開始日は未明示) | 実行されれば需要源の分散になるが、まだ確定ではない |
| スクウェア・エニックス×エネチェンジの脱炭素サービス | 2026年6月 | 開発開始(2026年内のサービス開始予定) | ゲーム以外の用途が動き始めた兆し |
| レイヤー1中心への基盤強化 | 2026年5〜6月 | 移行中 | 結果が出るまで判断を保留すべき項目 |
《出典》
Oasys、SBIホールディングスと戦略的提携、資金調達を実施。|Oasys PTE LTD(PR TIMES)
スクエニとエネチェンジ、脱炭素アクション後押しする新サービス開発開始|あたらしい経済
SBIホールディングスとの提携で何が実現したか
2024年8月29日、OasysはSBIホールディングスとの戦略的パートナーシップ締結と資金調達を発表しました。発表では、SBI VCトレードへのOAS上場(2023年5月)やSBINFT Marketへの対応といった既存の協業に加え、共同キャンペーンやセミナー、SBI Web3ウォレットへのOasysチェーン追加、ゲームトークンの上場などを検討するとされています。
ただし、調達額や条件は公表されていません。「大手金融グループと提携している」という事実は、国内で取引できる場所が確保されている点で読者にとって実利がありますが、それ自体がOASの需要を保証するものではありません。
《出典》
Oasys、SBIホールディングスと戦略的提携、資金調達を実施。|Oasys PTE LTD(PR TIMES)
不動産のトークン化(RWA)は需要源の分散になるのか
2025年7月10日、不動産投資会社のGATESが、Oasys上で7,500万ドル相当の東京都心の収益不動産をトークン化すると発表しました。同社は将来的により大規模なトークン化を目標として掲げていますが、発表時点で具体的な実行開始日は示されていません。
この案件は、ゲーム以外に需要源を広げる試みとして重要です。同時に、「発表されたこと」と「実行されたこと」を混同しないよう注意が必要な典型例でもあります。判断材料としては、トークンが実際に発行され、取引が始まったかどうかを確認してから評価するのが妥当です。
現実資産をブロックチェーン上で扱うという考え方そのものは、RWA(現実資産のトークン化)とは何かという基本で解説しています。不動産と暗号資産を組み合わせるときの実務上の利点と課題は、不動産投資に暗号資産を活用するメリットと注意点もあわせて確認してください。
《出典》
Major Japanese Real Estate Firm GATES to Tokenize $75M Holdings on Oasys Blockchain|Oasys
Oasys・Immutable・Roninで何が分かれたのか
「ゲーム特化チェーンはどこも同じように苦しいのか」という疑問には、比べて確かめるのが早道です。同じ時期に始まった3つのチェーンは、2026年時点で異なる道を選んでいます。
| 項目 | Oasys(OAS) | Immutable(IMX) | Ronin(RON) |
|---|---|---|---|
| 基本の立ち位置 | ゲーム特化。日本の大手企業がバリデータ | ゲーム・NFT特化。イーサリアム系 | Axie Infinity発祥のゲーム向けチェーン |
| 2026年の主な動き | 主力レイヤー2が終了し、レイヤー1へ集約 | タイトル供給を継続 | 2026年5月にイーサリアムのレイヤー2へ移行 |
| 供給設計の方向 | 稼働6年後に追加供給をガバナンスで判断 | 上限が定められた設計 | 移行に伴いインフレ率を大幅に圧縮 |
| 読者が見るべき点 | レイヤー1上の利用が増えるか | タイトルが継続的に供給されるか | 移行後にセキュリティと利用が両立するか |
Roninは2026年5月、独立したサイドチェーンからイーサリアムのレイヤー2へ移行し、RONの年間インフレ率を20%超から1%未満へ圧縮しました。3つに共通するのは「独自路線の維持コストを下げる方向へ舵を切っている」ことで、分かれたのは、そのときに何を残したかです。Roninは既存タイトルを抱えたまま基盤を借りる道を選び、Oasysは自前のレイヤー1に集約する道を選びました。
《出典》
本日RoninがEthereum L2へのハードフォークを完了|ブロックチェーンゲーム インフォ
Immutable (IMX) 供給量データ|CoinGecko
比較から読み取れること
この比較から言えるのは、ブロックチェーンゲーム分野の苦境はOasysだけの問題ではないということです。同時に、その中でどう立て直すかの選択には差があり、Oasysの選択は結果がまだ出ていません。
個別のチェーンをもう少し詳しく知りたい場合は、Immutable(IMX)側の仕組みと特徴や、Ronin陣営を代表するタイトルの経緯をまとめたアクシーインフィニティ(AXS)のこれまでと現状が参考になります。
OASを保有している場合に取れる選択肢
「価格が戻るのを待つ」以外にも選択肢はありますが、それぞれに条件と税務上の扱いがあります。ここでは判断材料として整理します。特定の行動を勧めるものではありません。
国内では、SBI VCトレードがOASをステーキングの対象銘柄に含めています。申込は不要で、対象期間の平均保有数量に応じて報酬が按分される仕組みです。ただし報酬の年率は実績値であり月ごとに変動するため、本記事では具体的な数値を記載しません。検討する際は公式ページで最新の実績を確認してください。
なお、同社の案内では、レンディング(貸コイン)で貸出中の暗号資産はステーキングの対象外とされています。また、取扱い中の銘柄は事業者の判断で停止・終了する可能性があるとも明記されています。
《出典》
ステーキング|SBI VCトレード
ステーキングとレンディングは何が違うのか
混同されやすい2つですが、性質が異なります。
- ステーキング:対象の暗号資産を保有することでネットワークの維持に参加し、その報酬を受け取る仕組みです。対象はPoS系の銘柄に限られます
- レンディング:暗号資産を事業者へ貸し出し、貸借料を受け取る仕組みです。銘柄の種類を問わず提供される場合があります
どちらも「増える可能性がある」代わりに、預けた先の信用リスクや、預けている間の価格変動リスクを負います。価格が大きく下がった銘柄の場合、報酬を受け取っても円換算の評価額が下がり続ける可能性がある点は理解しておく必要があります。
貸し出しという選択肢そのものの判断材料は、暗号資産レンディングの仕組みとサービスの選び方で整理しています。
税金は「増えた時点」で発生する場合がある
日本の税制では、暗号資産の売却益に加えて、ステーキングやレンディングで受け取った報酬も、受け取った時点の時価で所得として認識されるのが原則です。原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になります。
つまり、報酬を受け取った時点で課税対象となり、その後に価格が下がっても、受け取った時点の評価で税額が計算されるという状況が起こりえます。流動性が低く売却しにくい銘柄では、この点が実務上の負担になることがあります。
税率や計算方法、確定申告の手順、制度改正の動向は本記事の範囲を超えるため、暗号資産の税金の全体像(税率・計算方法・確定申告)で確認してください。
《出典》
No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係|国税庁
暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ)|国税庁
投資前に理解しておきたい5つのリスク
OASを検討する場合、一般的な暗号資産のリスクに加えて、時価総額が小さくなった銘柄に固有のリスクがあります。重要度の高い順に整理します。
- 1. 流動性リスク(最重要):売りたいときに希望する価格で売れない可能性があります。取引高が小さい状態では、まとまった数量の売却が価格を大きく押し下げることがあります
- 2. 取扱い終了リスク:取引所が取扱いを終了すると、期限までに自分で売却・出庫しなければ、事業者の判断で現金化される場合があります。楽天ウォレットの事例はこの実例です
- 3. 供給に関するリスク:ローンチ時の総供給は100億OASで、稼働6年後にステーキング報酬の追加供給をガバナンスで決めると定められています。将来の供給量は現時点で確定していません
- 4. 競争と利用減少のリスク:ゲーム特化チェーンは競争が激しく、タイトルの終了や移行が続けば、チェーンを使う理由自体が減っていきます
- 5. 事業・規制のリスク:プロジェクトの方針転換、提携先の判断、各国の規制変更によって、前提が短期間で変わる可能性があります
このうち1と2は、価格チャートを見ているだけでは気づけないタイプのリスクです。取扱取引所の公式お知らせを定期的に確認する習慣が、実務上の防御策になります。
《出典》
Tokenomics|Oasys Documentation
OASの取扱い廃止についてのお知らせ|楽天ウォレット
そもそも暗号資産に手を出すべきか迷っている場合
ここまで読んで「やはり自分には向かないかもしれない」と感じた場合、その判断は尊重されるべきものです。流動性の低い銘柄は、暗号資産の中でも扱いの難易度が高い部類に入ります。
暗号資産投資に向いている人・向いていない人の整理は、「仮想通貨はやめとけ」と言われる理由と後悔しない判断基準にまとめています。無理に判断を急ぐ必要はありません。
OasysとOASのよくある質問
検索されることの多い疑問に、2026年8月時点で確認できる事実をもとに回答します。
Q. Oasysは結局「オワコン」なのですか?
A. 一言では答えられません。ネットワークは稼働しており、新しい提携の発表も続いています。一方で、取引できる市場は大きく減り、価格は過去最高値から9割以上下落しました。「開発が止まった」わけではなく「取引と利用の裾野が縮んだ」状態と理解するのが、事実に近い見方です。
Q. 下落の主な理由は何ですか?
A. 単一の理由ではなく、国内取引所の取扱い廃止、主力レイヤー2の終了、タイトルの終了、取引市場の減少が重なった結果です。詳しくは本記事の「下落の理由」のセクションで、日付とあわせて整理しています。
Q. 国内でOASを買えるのはどこですか?
A. 2026年8月18日の確認時点で、bitbankとSBI VCトレードが取り扱っています。取扱状況は事業者の判断で変わるため、購入前に各社の公式ページで最新の一覧を確認してください。
Q. OASはステーキングできますか?
A. できます。SBI VCトレードがOASをステーキングの対象銘柄に含めています。報酬の年率は実績値で変動するため、公式ページで最新の数値を確認してください。なお、貸コインで貸出中の暗号資産は対象外とされています。
Q. 取引所が取扱いをやめたら、保有分はどうなりますか?
A. 事業者ごとに手続きは異なりますが、一般に売却と出庫の期限が設けられます。楽天ウォレットの事例では、期限後に残った保有分は同社が売却して日本円へ換金する扱いでした。期限までに自分で判断しないと、選択の余地がなくなる可能性があります。
Q. OASの将来価格はいくらになりますか?
A. 本記事では価格予想を行いません。根拠のある予測を作れる一次情報が存在しないためです。代わりに、次のセクションで示す5つの指標を追うことで、状況が改善に向かっているのか、悪化しているのかを自分で判断できます。
Q. Oasysのブロックチェーン自体は止まっていませんか?
A. 止まっていません。2026年6月に終了したのはレイヤー2の「HOME Verse」であり、レイヤー1のOasys本体は稼働しています。ただし、Verseを増やして裾野を広げるという当初の構想は縮小しました。
「オワコンかどうか」を自分で判定する5つのチェックポイント
この記事の結論は「いま断定しない」ことではなく、「自分で判定を更新し続けられる状態になる」ことです。価格チャートを見なくても追える指標を5つに絞りました。
- 1. 取扱う取引所の数は増えているか、減っているか:各取引所の公式お知らせで確認します。減少が続くなら、流動性は悪化方向です
- 2. 1日の取引高はどう推移しているか:価格集計サイトで確認します。価格より先に動く指標です
- 3. レイヤー1上で継続的に遊ばれるタイトルは増えているか:公式サイトやゲーム情報メディアで確認します
- 4. バリデータの顔ぶれは維持されているか:企業がネットワークへの関与を続ける意思の目安になります
- 5. 発表済みの案件が実行段階へ進んだか:特に不動産のトークン化が、発表から実際の発行・取引へ進むかどうかです
5つのうち複数が改善方向へ動いたときが、判定を見直すタイミングです。逆に、1と2が悪化し続けるなら、価格が一時的に反発しても状況が改善したとは言えません。
この記事のまとめ
2026年8月時点のOasys(OAS)は、ネットワークとしては稼働し、新しい用途の開発も進んでいる一方で、取引の場と規模は注目を集めていた時期と大きく変わりました。
検討する場合は、価格の安さではなく、売りたいときに売れるかという流動性と、発表済みの案件が実行段階へ進むかどうかを軸に判断してください。1つの銘柄に集中せず、他の銘柄がどのような役割を持っているかを見比べておくことも、判断の質を上げます。主要銘柄を役割ごとに整理した仮想通貨の種類一覧と選び方のポイントもあわせてご覧ください。
暗号資産は価格変動が大きく、想定を超える損失が生じることがあります。投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。