今週のビットコイン

今週のビットコイン

今週のビットコイン市場の見通しをまとめています。先週のマーケットの振り返りや、今週の経済イベントについても注目ポイントを明らかにして、トレード戦略の組み立てをサポートしています。「人気企画|毎月10万円分のビットコインを積立てみる」も好評配信中です。

米株&BTCが連日最高値更新!FRB利下げ期待でリスク資産に資金流入加速|週間ビットコイン予想 2025.10/06-12

2025.10.06

市場総括(9月29日〜10月3日)

米国株式市場は前週にAIインフラ投資ブームの持続可能性やFRB(連邦準備制度理事会)の積極的な利下げに対する疑問が生じていましたが、9月29日(月)の米国株式市場は落ち着いた展開となり、下値では押し目買いが入りました。IT・ハイテク株も反発し、3指数は揃って上昇しました。週末に向かって連日にわたり史上最高値を更新し、NASDAQこそ10月3日(金)に下落しましたが、NYダウ平均とS&P500はこの日も更新して終えました。本来であれば週末の雇用統計発表を控えて慎重な動きとなるはずでしたが、結果はまったく異なる展開となりました。

9月29日(月)

前述のように前週に生じた疑問や週末の雇用統計発表を意識し、米国金融市場は慎重な動きで始まりましたが、株式市場・暗号資産市場ともに押し目買いが入り、底堅い展開となりました。BTC(ビットコイン)は112,100ドル台(約1,670万円台)から始まり、114,400ドル(約1,710万円)近辺まで上昇して114,300ドル(約1,700万円)近辺で終えました。ETH(イーサリアム)やXRP(エックスアールピー)も同様の動きで、ETHは4,140ドル(約62万円)程度から始まり、4,200ドル(約63万円台)をつけ、4,150ドル(約62万円台後半)で終了しました。XRPは2.8ドル(約420円台後半)から2.9ドル(約430円台半ば)の展開となり、2.8ドル台で終えました。

9月30日(火)

この日は注目される経済指標が3つ発表されました。JOLTS求人件数は722.7万件と前月の720.8万件を上回り、1.9万件の増加となりました。一方、PMI(シカゴ購買部協会景気指数)9月は40.6と、市場予想の43.5及び前月の41.5を下回り、CB(コンファレンスボード)消費者信頼感指数9月も94.2と予想の96.1及び前月の97.8を下回りました。景気減速への懸念が広がるなか、議会ではつなぎ予算の審議が難航し、政府閉鎖が懸念されましたが、株式市場では利下げ期待が強まり、3指数は最高値を更新しました。暗号資産市場では利益確定売りが入り、やや軟調な1日となりました。

10月1日(水)

週末の雇用統計発表を前に、その前哨戦とされるADP雇用者数が発表されました。市場予想の+5.0万人に対し、予想外の3.2万人減少となり、前月の+5.4万人から大幅減少しました。また、同日に発表されたISM非製造業景気指数9月も市場予想の51.7や前月の52.0を下回る50となり、サービス業の停滞を示しました。これを受けて米国10年国債利回りは4.10%へ低下し、利下げ期待が強まりました。政府機関閉鎖懸念からリスク資産への資金逃避的な動きが続き、株式・暗号資産市場ともに上昇しました。株式市場では3指数が引き続き高値を更新し、BTCは118,600ドル近辺(約1,740万円台半ば)、ETHは4,280ドル(約64万円近辺)、XRPは2.9ドル台前半まで上昇しました。

10月2日(木)

米国の新規失業保険申請件数の発表が延期され、政府機関閉鎖の影響が表面化しました。前日の資金逃避的な動きが継続し、BTCは120,500ドル前半(約1,770万円前半)、ETHは4,400ドル(約66万円近辺)、XRPは2.9ドル台半ばへ上昇しました。

10月3日(金)

雇用統計の発表も延期され、NYダウ平均は228ドル高と高値を大きく更新しました。IT・ハイテク株には売りが出たため、S&P500は高値を更新したものの上昇率は+0.44%にとどまり、NASDAQは−63と下落しました。暗号資産は堅調で、BTCが122,200ドル台後半(約1,800万円近辺)、ETHが4,400ドル台半ば、XRPが2.9ドル台後半で週を終えました。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

曜日日本時間経済イベント重要度
10 07 21:30 米国 貿易収支8月 ★★★★☆
10 08 08:50 日本 国際収支(経常収支、貿易収支)8月 ★★★☆☆
10 08 27:00 米国 FOMC(連邦公開市場委員会)議事録 ★★★★☆
10 09 21:30 米国 失業保険申請件数9/28-10/04 ★★★☆☆
10 10 23:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数 ★★★★☆
横スクロール(フリック)でご確認いただけます>>

※米国政府機関の閉鎖により、一部の米国経済指標は発表が延期されています。各指標は準備が整い次第、順次公表される見通しです。(対象指標:米国失業保険申請件数、失業率、非農業部門就業者数、平均時給など)なお、現時点で今週公表が予定されている指標を示しています。

市場の見方と今後の注目点

米国の株式市場は4月8日の安値からS&P500で約35%上昇しており、達成感が出やすい水準です。調整売りがあってもおかしくないなか、最高値更新を続けています。これは政府機関閉鎖による資産逃避行動が起きる一方で,FRBによる追加利下げ期待が強く意識されているためです。今週は9月に開催され、利下げを決定したFOMC(連邦公開市場委員会)の議事録が10月8日(水)に公表予定です。この内容次第ではFRBによる追加利下げ期待がさらに強まる可能性があるため、注目度は高いでしょう。

追加利下げ期待が強まるシナリオとしては、主に次の3点が考えられます。

まず1つ目は、議事録のなかで一部メンバーが景気減速リスクや雇用市場の軟化を強調している場合です。特に最近のADP雇用者数やISM非製造業指数が弱含んでいることを踏まえると、FRB内で「景気下支えのための追加利下げが必要」との見解が広がる可能性があります。

2つ目は、インフレ鈍化の持続を示す発言が確認されるケースです。PCE(個人消費支出)デフレーターや賃金上昇率の減速傾向が強調されれば、「インフレ抑制の進展を確認した上で、金融緩和余地が広がった」との市場解釈につながるでしょう。

3つ目は、外部リスク要因への警戒感が示される場合です。政府機関閉鎖の長期化懸念や海外経済の減速などを理由に、「予防的な利下げ」を検討する姿勢が示されれば、市場では早期追加利下げ観測が一気に強まると考えられます。

こうした内容が議事録で確認されれば、年内の追加利下げを織り込む動きが株式・債券・暗号資産市場全体に広がり、金利低下とともにリスク資産の選好を後押しする展開が想定されます。

今後のビットコイン|今週の見通し

今後のビットコイン|今週の見通し

一方、暗号資産市場ではBTCの価格が120,000ドル(約1,800万円)台へ進み、年末に向けた上昇初動との見方が広がっています。先週は大手金融機関が年末の目標価格を相次いで提示しました。

JPモルガンではアナリストが「BTCは年末までに165,000ドル(約2,480万円)へ上昇する可能性がある」として従来の162,000ドル(約2,430万円)を引き上げ、Citiは年末にBTC 133,000ドル(約2,000万円)、ETH(イーサリアム)5,400ドル(約81万円)を目標としました。

BTCは金価格とのボラティリティ比較で過小評価されており、ETHはステーキングやDeFi(分散型金融)の恩恵が主因とされています。さらに中東問題で和平協議が進展している点も、リスク資産のセンチメントを下支えする可能性があります。

今回BTCが市場最高値を更新できた背景には、いくつかの固有要因が複合的に作用したことがあげられます。

第一に、ETF(上場投資信託)市場での資金流入が再び活発化している点です。特に米国のビットコイン現物ETFでは安定した流入超過が続いており、短期投機ではなく、機関投資家を中心とした長期保有目的の資金が増えています。こうした構造的な需要の高まりが、価格の底堅さとボラティリティの低下をもたらしています。

第二に、供給面での制約です。2024年春の半減期(ブロック報酬の半減)以降、新規供給量が大幅に減少しており、マイナー(採掘者)による売却圧力も限定的です。マイニングコストの上昇に加え、ドル建て採算の改善が進んだことで、保有BTCを市場に放出せず蓄積する動きが強まっています。これが市場の流通量を圧縮し、上昇圧力を高めています。

第三に、マクロ環境の変化が追い風となりました。FRBによる利下げ観測の強まりや実質金利の低下により、金利を生まない資産であるBTCの投資妙味が相対的に高まりました。さらに、米国政府機関の閉鎖により、一時的に財政運営や統治能力への懸念が高まった結果、米ドルへの信認がわずかに揺らぎました。これにより、相対的に「ドルに依存しない価値保存手段」としてのビットコイン需要が高まった側面もあります。ただし、米ドル全体の下落圧力は限定的であり、主因は短期的なリスク回避行動と市場心理の変化にとどまるとみられます。

加えて、グローバルでの制度整備と信用拡大も重要な背景です。欧州のMiCA(暗号資産市場規制)の施行やアジア諸国でのカストディ制度の整備が進んだことで、機関投資家を中心とした新規参入が加速しています。こうした環境の変化により、ビットコインは「リスク資産のなかでも相対的に安全性が高いデジタル資産」として再評価され、資金流入を促しています。

これらの需給・制度・マクロの各要因が複合的に作用したことで、BTCは短期的な調整を挟みながらも持続的な上昇トレンドを形成し、結果として市場最高値を更新する展開となりました。

リスクと留意点:(1)政府機関閉鎖の長期化による統計遅延・市場不確実性、(2)長期金利の反発リスク、(3)IT・ハイテク株の高バリュエーションによる調整、(4)地政学リスクの再燃。投資家の皆様におかれましては、暗号資産の上値について前向きに捉えつつも、経済指標や地政学的ニュースヘッドラインを継続的にモニターすることをおすすめします。

《参考》

  • JOLTS求人件数:雇用需給を映す遅行〜一致系指標。求人が減少すれば賃金インフレ圧力の緩和要因となります。
  • ADP雇用者数:雇用統計の先行指標の1つ。ただし相関は月によってばらつきがあります。
  • ISM非製造業指数:50が景気拡大と縮小の境目です。新規受注や雇用項目の内訳に注目することが重要です。
  • 米失業保険申請件数:高頻度で景気の減速・加速を示唆します。毎週木曜8:30 a.m.(米東部時間)に公表されるのが通例です。

注記:本レポートは情報提供のみを目的とし、特定銘柄や暗号資産の売買を推奨するものではありません。市場環境は変化する可能性があるため、最新の公式発表や統計をご確認ください。

 BTC / JPYのモメンタム 

モメンタムメーターは、それぞれ[30分足・4時間足・日足・週足]の4つの時間軸に対応しており、投資スタイルや分析目的に応じて柔軟に相場のモメンタムを確認することができます。

移動平均(MA)やRSI、MACDなど、代表的な複数のテクニカル指標を自動的に分析し、現在の相場に対して、いくつの指標が「売り」または「買い」のシグナルを出しているかを示しています。

30分足
[BTC / JPY]

4時間足
[BTC / JPY]

日足
[BTC / JPY]

週足
[BTC / JPY]

BTC積立企画

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.10.13]

ポートフォリオの現在の資産価値
 円

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
 円

利益率
%

積み立て回数
16 回

合計積立金額
1,600,000 円

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %
    横スクロール(フリック)でご確認いただけます>>

    過去記事アーカイブ