長友宏樹のクリプト最前線
急速に注目を集める新たなトレンド「Web3」。次世代型インターネットであるWeb3の仕組みを活用して「メタバース」、「NFT」や「DAO」といった、新しいムーブメントが次々と登場しています。Web3によってもたらされる人類のネクストライフスタイルとは?その最前線を追います。

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あなたもホテルオーナーに?不動産STO

愛知県の豊橋駅前にある「喜多川」という私の大好きな老舗焼鳥屋がある。愛知県では珍しく鳥刺しを提供しているこのお店は予約の受付をしていない。それが故にスムーズに入店できるか否かは運次第なのである。

かの世界的に有名なチョコレート菓子「ブラックサンダー」の生産工場を有する豊橋市は、この焼鳥「喜多川」と餃子の「赤のれん」、そして「人参湯」という昔ながらの銭湯へ行く為だけにわざわざ新幹線を降りる価値は十分にあると個人的には思う。

そういう気持ちにさせるほどに「喜多川」には魅力がある。お孫さん含め3世代で切り盛りしているこのお店は終始混雑しているがとても居心地が良い。アットホームな雰囲気は地元の人には安心感を与え、よそ者にとってはローカル感を味わえる。そんな喜多川で私が必ず注文するメニューが「カレー」だ。

「焼き鳥屋でカレー?」と思う方も多いだろう。焼き鳥屋のカレーだから良いのだ。美味しさへのポールポジションはこの代名詞だけで十分にゲットできる。

世の中に美味しいカレー屋は沢山あると思う。「喜多川」のカレーについてはどのように表現したら良いか言葉が見当たらないが、本業以外でもトップレベルのパフォーマンスを発揮する室伏広治のようだと表現すれば言いたいことは伝わるだろうか。

これは私が愛してやまない横浜の元町中華街にある「保昌」という、カレーが半端なく美味しい中華料理店と同義だ。

カレー屋のカレーよりも焼き鳥屋のカレーとか中華屋のカレー、蕎麦屋のカレーのほうが何故かグッと来る。そして妙に美味しいケースが多い。こう感じるのはきっと私だけではないだろう。

いつも通り余談が過ぎてしまったが最後に大事なことを。もし「喜多川」を訪れる機会があれば是非トマトサラダの注文もお忘れなく。きっとあなたはノスタルジックな昭和の風景を思い出すだろう。

さて、本日のトピックはデジタル証券について。デジタル証券とはブロックチェーン技術を活用して電子的に発行された有価証券のことで、セキュリティトークンとも呼ばれる。2020年5月における金融証券取引法の改正施行によって金融機関での取扱いが可能になった金融商品だ。

このデジタル証券を使用して資金調達をする方法を「セキュリティ・トークン(Security Token Offering:STO)」と呼ぶ。

 近頃このSTO関連の動きがじわじわと出てきているように感じる。例えば、つい先日オリックス銀行、丸紅、常陽銀行が出資するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)らがデジタル証券を扱う会社へ出資を完了するニュースが流れた。

上記出資先は不動産を扱う会社だ。デジタル証券と言っても幅が広い。特に不動産STOは国内でも今後様々な事例が出てくることが予想される。みなさんも知識として知っておいて損はないだろう。

ではそもそもデジタル証券を活用するメリットとは何なのかを見てみよう。まず前提として、デジタル証券(セキュリティ・トークン)は株や債券などの有価証券と同等の法規制が適用される金融商品である。クリプトでの資金調達方法にICOやIEOがあるが、過去に様々なトラブルがあったのも事実。儲かるか否かは別として、それらと比べれば安心して触れる商品ということになる。

通常の有価証券とは異なり、不動産STOで実現できるメリットとしては以下の4つが挙げられる。

①所有権を小口化することが可能

②24時間取引が可能。

③データ改竄のリスクが低い。

④取引手続きと管理コストの削減。

私個人的には①の所有権の小口化は非常に大きなメリットだと思う。

例えばマンションなど、従来の不動産物件の最小単位は区分所有であったが、それが更に細分化できるようになったという事だ。

これは個人で背負う様々なリスクの削減もでき、運営側としても細分化する事で得られるスケールメリットは大きいはずだ。個人の力では手の届かない大型物件も触ることができる可能性だってある。

実際にアメリカではホテルなどの大型物件をデジタル化した事例なども出ている。スイス、ドイツ、イギリスなどでもこの動きが活発化してきていることから、国内でも不動産STOプラットホームが出てくるだろう。

国内では今年6月にSBIホールディングスや三井住友フィナンシャルグループの出資で大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)という国内初のデジタル証券の取引市場が開設されたので、不動産に関わらず美術品や映画の版権など、様々な物をデジタル化した証券が我々の生活に浸透するのも時間の問題と言える。

ちなみに所有権ではないが、不動産のシェア購入で体験価値を所有するという意味ではデビューから凄まじい人気を誇る住宅兼ホテルの「NOT A HOTEL」のビジネススキームも素晴らしい。

利用権としてのNFTの販売であれば不動産契約で必要な重要事項説明や不動産登記、ローンなどの概念も無くなる。オンライン・非対面で購入が完結するので引き渡しで1年待つこともない。もちろんNFTなので二次流通市場での売買も可能だ。

このNOT A HOTELは全国にいくつか拠点があるのだが、昨年9月の販売開始後24時間で15億円分が購入され、2ヶ月で30億円分が売れたというから驚きだ。

デジタル証券としての不動産購入と所有権はないが、NFTでの利用権の購入はある。もちろん両者とも転売は可能だ。さて、アナタはどちらがお好みだろうか。

1988年、宮崎県生まれ。横浜市立大学在学中の2011年に起業。大手通信キャリアを主なクライアントとして人材派遣会社を設立し事業を展開。30カ国以上の海外渡航で出会った海外富裕層との交流が暗号資産に触れるきっかけとなる。現在はWeb3時代の資産形成プラットフォーム「BitLending」に従事。月刊暗号資産「Crypto Journey」で自身の連載を持ち、クリプトエバンジェリストとして暗号資産の啓蒙活動も行なっている。

長友 宏樹
Hiroki Nagatomo
株式会社J-CAM
ウェルスマネジメント事業部 部長

1988年、宮崎県生まれ。横浜市立大学在学中の2011年に起業。大手通信キャリアを主なクライアントとして人材派遣会社を設立し事業を展開。30カ国以上の海外渡航で出会った海外富裕層との交流が暗号資産に触れるきっかけとなる。現在はWeb3時代の資産形成プラットフォーム「BitLending」に従事。月刊暗号資産「Crypto Journey」で自身の連載を持ち、クリプトエバンジェリストとして暗号資産の啓蒙活動も行なっている。

長友 宏樹
Hiroki Nagatomo
株式会社J-CAM
ウェルスマネジメント事業部 部長