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倉本の国際経済の見どころ|国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説

倉本の国際経済の見どころ   

株式会社J-CAM金融コンサルタントの倉本佳光が40年以上金融業に従事してきた経験を元に国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説するコラムです。刻々と変化する相場のモメンタムをキャッチアップしていきます。

新NISA考え方のキモ② 推薦銘柄5選

新NISA考え方のキモ② 推薦銘柄5選

これまで2024年にスタートした新NISAの仕組みについて説明してきました。

今回はまず、新NISAの利用方法について考えてみたいと思います。

新NISAの利用方法

新NISAの利用方法

非課税枠の期限

新NISAには全体で1,800万円の非課税枠があります。そして新NISAでは既にご案内したようにつみたて投資枠に年間120万円・総額600万円、成長投資枠に年間240万円・総額1,200万円があり、利用できる期間はどちらも無期限(恒久化)で併用もできるようになっています。

旧NISAでは一般NISAに年間120万円、5年間で総額600万円、つみたてNISAに年間40万円、20年間で総額800万円の非課税枠がありましたが、一般NISAとつみたてNISAの併用は認められず、またそれぞれに利用期間の期限がありました。

旧NISAでは一般・つみたてそれぞれの期限が到来すると売却をするか、課税口座へ移管をしなくてはいけませんでした。折角、非課税で運用していた資産でも値下がりをしていれば売却では損失となりますし、値上がりをして未だ売却したくない場合は課税口座への移管で、その後の売却では課税されてしまいます。課税される場合の税率は利益に対して20.315%になります。(所得税15%、住民税5%、復興所得税0.315%)もし売却する時の値上がり益が100万円だとすれば、利益の中から約20万円の税金を払うことになります。

 このように旧NISAでは期限が到来した場合に悩ましい問題を持つことになっていました。今回の新NISAでは非課税枠の利用期間が無期限になりましたので、売却をしたい時に売却ができるようになりました。

新NISA非課税枠1,800万円の考え方

 非課税枠1,800万円に対して入金額が1,800万円満額になったとしても期限は無期限ですので、売却するまで利用する事が出来ます。ということは1,800万円の枠内にある資産で長期にわたって非課税で運用出来ることになります。

年齢が20代、30代、40代であれば10年、20年あるいは30年といった長期運用をすることにより、非課税枠にある資産を2倍、3倍と増やして行くことが可能になります。また60代、70代といった方も非課税枠内の資産から非課税で配当金や分配金を受け取る事が長期にわたり可能となります。

このような非課税枠の利用特性を踏まえて新NISAの利用期間を以下の3つの期間に分けて考えて行きます。

  • ①資産形成期間
  • ②資産成長期間
  • ③資産取り崩し期間

①資産形成期間

毎月の積立などを利用して非課税枠1,800万円まで資産を形成していく期間です。つみたて投資枠は年間120万円ですので毎月10万円までの積立が可能です。

一方、成長投資枠は年間240万円ですのでボーナスなどから資金を投入する事ができますし、成長投資枠は積立で利用することもできますので毎月20万円までの積立が可能です。

つみたて投資枠10万円、成長投資枠20万円で合計30万円まで積立ができる事になり、その場合は5年間で1,800万円の枠を満額にする事ができます。もちろん30万円も積立ができる方は限られるでしょうから、毎月出来る範囲の生活に無理のない金額を積立していくのが良いと思います。もし毎月5万円の積立なら年間60万円で満額の1,800万円には30年で到達します。もちろんこの積立期間に複利で運用すれば積立資産は日々成長している事になります。

②資産成長期間

老後の資産取り崩し期間が始まるまでの間、非課税枠を利用した資産の複利運用期間になります。通常はこの期間が長ければ長いほど資産が増える可能性が高くなります。

③資産取り崩し期間

自身の老後が始まり、年金の受給とともに資産を定率もしくは定額で取り崩して生活費の補てんにあてる期間です。もちろん余裕があるならばレジャーなどの費用に充てる事も考えられます。この間は非課税枠にある資産を一度に現金  化するのではなく、定率もしくは定額で取り崩す事がポイントです。残された資産は非課税枠を利用して運用していく事になりますので長期に渡って取り崩す事が可能になります。取り崩す元の資産は運用していますので日々金額が変動していますから取り崩しは出来れば定率で行うのが望ましい方法です。

新NISAの投資対象

新NISAの投資対象

これまで新NISAの非課税枠と利用の考え方について見ていただきました。それでは新NISAで何に投資をしていけば良いのでしょうか。

新NISAは投資を行っていくための非課税制度です。投資対象は上場株式もしくは投資信託となっています。特につみたて投資枠では長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託となっています。

はじめの資産形成期間では、「長期・積立・分散」を実践していくためにつみたて投資枠を利用した投資信託の積立から始めるのが良いでしょう。そして積立投資の基本は資産が成長しやすい株式へ投資する投資信託を選ぶのが良いと考えます。もちろん株式は価格の変動があり、値下がりする時もあります。値下がりのリスクを抑えたい場合は株式の他に債券へも投資を行うバランス型ファンドを選択することもできます。

新NISAの推薦銘柄5選  

推薦銘柄5選

株式投資信託には多くの種類がありますが、特定の地域に投資をするタイプよりも分散を効かした世界の株式に投資するタイプがオーソドックスです。

代表的な商品としては、

 
  • eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
  • SBI全世界株式インデックス・ファンド「愛称:雪だるま(全世界株式)」

また近年の世界株式市場では米国株式の上昇が顕著で米国株型の投資信託が人気を集めていますので、参考にあげてみますと

 
  • eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド「愛称:SBI・V・S&P500」

リスクを抑えたバランス型ファンドでは

   
  • eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

つみたて投資ファンドの候補としてはこれらの商品が代表的なものとなっています。成長投資枠を利用してこれらのファンドへ投資する事もできます。

これまで資産形成期間をベースにおいた商品をご紹介しました。もし、既に潤沢な資産があって一括で成長投資枠を利用していきたい方は年間240万円の中でアクティブ投資の投資信託や個別株を選択して投資をして行くことになります。

また配当金や分配金の受け取りを期待する方は、隔月や四半期ごとなどに分配のある投資信託や高配当株式などから選択して投資をしていく事になります。

 

 新NISAを利用するにあたっては、「できるだけ早く非課税枠を使い切り、できるだけ長く運用する」事がポイントです。

 

最後に分散投資を考えるにあたり株式や債券だけでなく新NISAを利用して「金」へ投資する投資信託や新NISAは利用出来ませんが「暗号資産」を少しポートフォリオに組み入れてみるのも良いと考えます。