

Iolite 編集長FOCUS
――Web3.0領域のトピックを深掘り
急速に注目を集める新たなトレンドWeb3.0。「メタバース」・「NFT」・「DAO」などのWeb3.0テクノロジーとAIや量子コンピューティングなどが融合することによって生み出す世界とは?これらの次世代情報テクノロジーによって、組織や企業のあり方、個々の働き方や人間関係のあり方、更には物事の価値感や価値基準といったもの、すなわち人類の生き方自体が大きく変革していくことになるでしょう。飛躍的な技術革新がもたらす人類のネクストライフスタイルとは?目を離すことができない注目の最前線を追います。
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- バーチャルヒューマン「imma」 彼女が現代の 「あたらしいリアル」
6月28日〜6月30日に行われるIVS Crypto 2023 京都のメディアパートナーとして、Iolite(アイオライト)もイベントを盛り上げるサポートをさせていただいている。
2022年は沖縄で開催され、当時のWeb3.0関連イベントでは最大級の規模感と盛り上がりを見せていた。
もともとIVSは、2007年からスタートアップ企業の経営幹部を集めるカンファレンスの主催。起業家と投資家、事業会社の接点を生み出すコミュニティ運営を行っている。数多くのVCや有識者を審査員として迎え入れ行う、ピッチイベントもIVSの名物だ。
IVS Cryptoはそのノウハウを活用して、同時期に開催するWeb3.0領域のイベントとなっている。昨年のIVS参加当時は、編集長就任後3ヵ月といったキャリアで、Web3.0領域の知識も人脈もほとんどなかった。登壇者は雲の上の存在のような遠く離れた存在に映って、いつか弊社のメディアもメディアパートナーとして参画し、パネルディスカッションに参加したいと思ったことを覚えている。
当日は素晴らしいプログラムの数々でWeb3.0領域の知見を高めることができ、この領域のメディアとして確立したいと情熱が湧いた。ちょうど雑誌の入稿作業と重なるスケジュールであったこともあり、沖縄らしいことができなかったことが唯一の心残りだ。
飛行機の中でも校正・校閲を行い、羽田に着くや否や修正データを送っていた。それでも、弊社の代表とフライト10分前の空港で、沖縄そばと島らっきょうをオリオンビールで流し込んだことは良い思い出だ。
今回のIVS京都の滞在では、運よく雑誌の入稿業務と重なることなく、週末も滞在するスケジュールを組んだため京の名物を地酒で流しこむようなタイムアタックはなさそうだ。
そんな印象深いIVSの公式サイドイベントから、パネルディスカッションの登壇者としてオファーがあった。「いつかメディアパートナーとして参画し、パネルディスカッションに参加したい」と思った目標が今年実現したことは素直に嬉しい。
現在は準備中ということもあり、どこで行われるサイドイベントで行われるかどうかは追ってお知らせしたいが、ふと何を話そうか考えた。
自分の経歴を振り返ると、飲食業界、SNS運用、メディアという領域が話す題材として適していると思う。過去のキャリアは面白いものでWeb3.0と直接的に関連した業界でないことから、Web3.0領域にチャレンジしたい方々にはモデルケースとして話せると思う。
実際、AIやブロックチェーンなど最先端のテクノロジーにおける技術者として、同領域で活動されている方よりも人事、経理、総務、法務、営業等を行っている方々のほうが圧倒的多数派だ。
ベースにある最新技術を活かすスキルが求められている。編集者であれば、ChatGPTに質問案を提案してもらうプロンプトを入力して、音声をリアルタイムで文字起こししてくれるGoogle Chromeの拡張機能「Voice In」を活用し、インタビュー対象者の音源をリアルタイムで文字起こし。ChatGPTに記事としてまとめてもらい、英訳が必要であれば「DeepL」で翻訳。文章を整える必要はあるものの、おそらく1つのインタビュー記事を作成するまでにかかる時間は半分以下にはなることは間違いない。
インタビュアー・編集者としての仕事は、今ある技術を利活用して他の人が取れないインタビューを取るコミュニケーション能力や傾聴力が差別化ポイントになるだろう。

SNSでも人気集めるバーチャルヒューマン「imma」
Iolite Vol.2の表紙を飾ってくれた「imma」さん。フェラガモやバーバリーなどのラグジュアリーブランドのモデルも務めた彼女は、TikTokやInstagramで100万人近くの人々を魅了する存在となった。
彼女という表現も正しいのかどうか曖昧な、現代を象徴するリアルとアンリアルの境目にいるようなアイコン的な存在だ。読者の方の中にも彼女がバーチャルであるということを知らずに、インタビューを最後まで読み込んでくれた方が少なからずいると思う。ぜひ、彼女の不確実性という余白を楽しんでもらいたい。
この独自性の塊のような存在を世に出したチーム・Aww社には、映像プロダクションでグラフィック映像等を制作していた映像のプロフェッショナルから、VTuberの先駆けとなった「キズナアイ」プロジェクトのプロデュースメンバーなど、AIやブロックチェーン技術が注目される前にも大きな成果を挙げた面々で構成されている。
仕事を通して目にした彼ら彼女らが生み出す他にはないブランドは、トップクラスのスキルの上に計算し尽くされた型破りがあってのものだと感じている。私の人生史上、もっとも美しいエゴイズムを感じた経験だった。
ありがたいことに前号からご縁をいただいた後、今でも一緒に仕事をさせてもらっている。次号にてあたらしいプロジェクトが共同で行われる予定だ。楽しみにしていただけると嬉しい。

[Iolite記事]
彼女が現代の 「あたらしいリアル」|imma インタビュー 前編