「AIがなぜブームに?」「何が作れる?」意外と知らない「現場」のハナシ。
2024.11.14
Iolite Vol.2にはNFTのクリエイターの方々にご協力いただいたおかげで、多くのNFTアート等が掲載されている。読者の方には本誌をめくって、美術館を訪れたかのような体験をしていただければと思う。
先日、この企画をきっかけにご縁をいただいた、NFTアーティストの方にお会いするお時間をいただいた。残念ながら本誌への掲載は叶わなかったが、とある企業の役員であり同年齢であったことにも驚いた。彼が造っているNFTアートは「Midjourney」で制作されている。チャットアプリケーション・Discord上での画像生成サービスだ。折角の機会なので、実際に画像が生成される過程も見させていただいた。
彼の造るアートにはコンセプトがあるため、ある程度そのコンセプトに沿って画像が生成されるよう組まれたテンプレートの中に、生成する画像の特徴を入れていく。いわゆる、プロンプトというものだ。入力が終了して5分も経たないうちに、コンセプトに沿った画像が生成されていった。あたらしいモノは実際に触れてみると得るものが多い。生成される画像には喜怒哀楽といった人の感情のほか、哀愁というような抽象的な範囲も忠実に再現されていたように思えた。一番興味深かったのは、プロンプトを入力する彼の言語化が表現豊かで多彩であったこと。AIで生成されるアートとはいえ、思考はクリエイティブなものを持っていると確信した瞬間だった。
日々変化するAI活用戦略と正解
「13歳のハローワーク」において2023年5月度、子供のなりたい職業ランキング1位はYouTuberだ。子供たちは純粋に、動画内で楽しそうに活動をする姿に憧れを持っているということだと思う。しかし、5/26のレターにも書いたようにゲーム業界でも大変革が起ころうとしている。AI領域もまた然りだ。数年後のなりたい職業ランキングは、また大きな動きを見せるような予感がする。
現時点でも、AIツールを組み合わせてできることは多岐に渡っている。好みの性格や設定を指示して、好みの画像を生成AIで造れば、ChatGPTで自分が造った理想に近いキャラクターと会話を楽しむことができるだろう。優れた画像を生成するためのプロンプトを販売する「プロンプトマーケットプレイス」というものまであるようだ。
矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかを判断する実験において、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であったとの結果がある(メラビアンの法則)。この実験結果から考えれば、話す内容より話す人物の見た目と口調や早さに人は大きな影響を受ける。AIはすでに人に影響を与える存在になっているように思える。
“いま”のAI事情を知る現役のAIエンジニアの対談形式のインタビューを、ぜひ前後編合わせて読んでいただき、これから起こるAIを活用した活動に思考を巡らせてほしい。
[Iolite記事]
「AIがなぜブームに?」「何が作れる?」意外と知らない「現場」のハナシ。