ネム(NEM/XEM)とは? 8つの特徴と気になる将来性について解説
2024.04.17
ネム(NEM/XEM)は、新しい経済の仕組みの構築や確立を目指して誕生した仮想通貨(暗号資産)です。Coincheckでの流出事件で不安視されましたが、強固なセキュリティを誇る他、大型アップデートにより機能向上が見られ、信頼回復に向けてプロジェクトが進められています。国内仮想通貨(暗号資産)取引所での取り扱いも多く、比較的運用を始めやすい銘柄でしょう。
しかし、ネム(NEM/XEM)の概要や特徴、その他の仮想通貨(暗号資産)との違い、そして将来性などを把握しておかなければ、適切に運用するのは難しいでしょう。利益を出せず、最悪の場合大きな損失を生み出す可能性すらあります。
そこで本記事では、ネム(NEM/XEM)の概要やシンボル(XYM)との違い、特徴など幅広く解説します。記事後半では、将来性や購入方法などもご紹介するのでぜひ参考にしてください。
ネム(NEM/XEM)の現在価格・リアルタイムチャート
それでは、ネム(NEM/XEM)の現在の値動きから確認していきましょう。
[ペア通貨:XEM/USD]
ネム(NEM/XEM)のリアルタイムテクニカル分析
ネム(NEM/XEM)のチャートにおける20種以上のテクニカル分析手法が示すシグナル[売り・中立・買い]をリアルタイムで集計してマーケットのトレンドを示しています。
[ペア通貨:XEM/USD]
ネム(NEM/XEM)とは?
ネムとは「New Economy Movement(新しい経済活動・運動)」の略称で、ブロックチェーンを活用した分散型アプリケーション(DApps)開発や送金・決済プラットフォームです。プラットフォームのネイティブトークンは、NEM/XEMと呼ばれます。2023年12月時点で、時価総額ランキングは第128位と決して高くはないものの、国内仮想通貨(暗号資産)取引所での取り扱いの多い銘柄です。
仮想通貨(暗号資産)の中でもトップクラスにセキュリティレベルが高く、独自の承認方式「PoI(Proof of Importance)」を採用している点が特徴です。
ネム(NEM/XEM)はアップデートを行い、仮想通貨(暗号資産)シンボル(XYM)を発行しています。次章でシンボル(XYM)の詳細や、ネム(NEM/XEM)との違いを見ていきましょう。
シンボル(XYM)との違い
ネム(NEM/XEM)が幅広いユーザーをターゲットにしているのに対し、シンボル(XYM)は企業や法人を対象とした、ビジネスに活用できるブロックチェーンを提供しています。以前はカタパルトと呼ばれていましたが、コミュニティ内での投票により名称を変更しています。
シンボル(XYM)はネム(NEM/XEM)のアップデートにより誕生した背景もあり、速度とスケーラビリティが大幅に改善されている点が特徴です。トランザクションの集約化など、従来の分散型システムでは実現し得なかった機能が実装されています。
ネム(NEM/XEM)の特徴8つ
仮想通貨(暗号資産)を運用するなら、時価総額だけでなく、該当する仮想通貨(暗号資産)の特徴や仕組みを理解しておくべきでしょう。ネム(NEM/XEM)は以下に示すような、8つの特徴があります。
- 取引の処理が速い
- 価格の変動幅が大きい
- 承認方式として「PoI」を採用している
- 仮想通貨(暗号資産)の中でもセキュリティが高い
- ハーベストによる報酬が得られる
- 新規発行予定がないため希少性が高い
- 国家機関と提携している
- プラットフォーム上で「ICO」ができる
各特徴を詳しく見ていきましょう。
1.取引の処理が速い
ネム(NEM/XEM)は、取引の処理が速い点が特徴です。
時価総額ランキング1位のビットコイン(BTC)の場合、1つのブロックを処理するのはおよそ10分かかります。もちろんこれは目安で、トランザクションが混雑している場合は、より多くの時間が必要です。
一方のネム(NEM/XEM)は、1分ほどで1つのブロックを生成でき、ビットコイン(BTC)に比べて10倍の速度で取引を処理できます。これは、取引を承認するための決まりであるコンセンサスアルゴリズムに、PoI(Proof of Impotence)を採用しているためです。こちらの詳細は後述します。
2.価格の変動幅が大きい
仮想通貨(暗号資産)は一般的にボラティリティ(価格変動の度合い)が大きく、ネム(NEM/XEM)も同様に価格が乱高下します。
2018年の1月は200円台を記録していましたが、その半年後には一桁台と急激に下落しました。直近では2021年3月に80円台を記録した後、わずか3カ月で10円台前半にまで落ち込んでいます。
ここ1年での振れ幅は1桁台ですが、今後も急高騰・急暴落を繰り返す可能性は十分考えられます。
仮想通貨(暗号資産)であるネム(NEM/XEM)の価格は多くの要因に左右されるので、関連するニュースや動向をしっかりと抑えた上で、適切に運用するスキルが求められるでしょう。
3.承認方式として「PoI」を採用している
ネム(NEM/XEM)は、承認方式に「PoI(Proof of Impotence)」を採用しています。イーサリアム(ETH)などに採用されている、通貨の保有量に応じてブロックを生成できるPoS(Proof of Stake)を発展させた承認方式です。
PoIでは、通貨の保有量に加えて、取引量や取引回数などの指標を元にネットワークへの貢献度合いが評価され、ブロックの生成者が決定されます。
ネム(NEM/XEM)ではPoIを採用することで、ビットコイン(BTC)の承認方式であるPoW(Proof of Work)の問題点である環境負荷や、一部の組織・団体への富の集中などを解決しています。
4.仮想通貨(暗号資産)の中でもセキュリティが高い
ネム(NEM/XEM)は仮想通貨(暗号資産)の中でも、セキュリティレベルが高い点が特徴です。高度なセキュリティを実現できている理由の一つに、EigenTrust++を採用している点が挙げられます。
EigenTrust++とは、ネム(NEM/XEM)に登録されているノード同士がお互いに監視し合い、不正な行為が行われていないかをチェックするシステムです。悪質なユーザーはネットワークから削除されるため、堅牢なセキュリティを保てます。
また、マルチングを導入している点もセキュリティの高さにつながっています。マルチングでは取引の際に、複数の秘密鍵が必要です。万が一、秘密鍵の一つが流出してしまっても、それだけでは仮想通貨(暗号資産)の盗難やハッキングは行えないので、安全性が向上します。
ネム(NEM/XEM)は質の高いセキュリティを提供しているので、仮想通貨(暗号資産)業界の枠組みを超え、国家や大企業での活用も進んでいます。
5.ハーベストによる報酬が得られる
ネム(NEM/XEM)は、ハーベストにより報酬が得られる点も特徴です。ハーベストとは、他の仮想通貨(暗号資産)でいうマイニングにあたる作業です。
通常のマイニングは、計算能力の高いコンピューターに加えて、膨大な電力が必要となります。一般的なユーザーにとって参加障壁が高いので、一部の組織や団体に富が集中するリスクがあります。
一方ネム(NEM/XEM)では、承認方式に「どれほどネットワークに貢献しているか」が重要視されるPoIを用いているので、ビットコイン(BTC)ほどマイニングの参加障壁が高くはありません。電力の消費量やパソコンのスペックも抑えられるので、個人ユーザーでもハーベストで報酬を得られる可能性があります。
なお、ハーベストを実行するには最低でも10,000XEM、2023年12月時点の価値で約50,000円が必要です。
6.新規発行予定がないため希少性が高い
ネム(NEM/XEM)は、すでに発行上限の89億枚9,999万9,999枚に達しています。発行上限が設けられているので、通貨の過剰供給によるデフレーションのリスクを抑えられます。
また、新規発行予定はありません。ネム(NEM/XEM)への注目度が高まり、需要が増加すれば供給が限られている分、1XEMあたりの価格が上昇するでしょう。
7.国家機関と提携している
数多くの仮想通貨(暗号資産)が誕生していますが、国家機関と提携しているものは、そう多くはありません。ネム(NEM/XEM)の場合は信頼度やセキュリティの高さから、いくつかの国家機関と提携を結び、国家規模のプロジェクトに採用されています。
2018年、ネム(NEM/XEM)財団はアラブ首長国連邦(UAE)と協定を結び、ブロックチェーンコンサルティングに関するサービスを提供すると発表しました。この協定は、国民の生活レベルの向上と、革新的かつ持続可能なコミュニティサービスの提供を目的としています。その目的達成の手段として、ネムブロックチェーンが採用されたという流れです。
また、2019年にはマレーシア政府との提携を結び、技術系フリーランスの就労支援プロジェクトを発足しました。それに加えて、コロンビアではSymbolが公共機関に採用されるなど、実用性も高まっています。
8.プラットフォーム上で「ICO」ができる
ネム(NEM/XEM)では、プラットフォーム上で「ICO(Initial Coin Offering)」の実行が可能です。ICOとは、新規仮想通貨(暗号資産)公開のことで「クラウドセール」「トークンオークション」「トークンセール」などとも呼ばれます。独自の仮想通貨(暗号資産)を発行し、資金調達ができます。
企業が資金調達する際、主に金融機関からの借り入れや新規株式公開(IPO)などの手段が主流です。しかし、審査が厳しく、時間的・金銭的なコストがかかるため、どのような企業でも気軽に導入できるものではありません。
ネム(NEM/XEM)のICOは、個人でも参加可能で、資金集めが行いやすくなっています。比較的簡単に資金調達を行えるプラットフォームとしての注目度が高まれば、今後も多くのプロジェクトでネムの活用が進むでしょう。
ネム(NEM/XEM)の将来性
ネム(NEM/XEM)を運用する際、気になるのがその将来性です。ネム(NEM/XEM)の将来性については、以下のように予想されています。
- 決済手段として普及する可能性が高い
- 「Fantom」との提携でDifi市場への参入が期待される
- 「mijin」の需要増加による好影響が期待される
- 競合通貨に苦戦を強いられている
- 流出事件の解決によって価格上昇が予想される
- マクロ経済の動向次第では調子を取り戻す可能性がある
- 市場全体の規制の影響を受ける恐れがある
各項目の内容をご紹介するので、将来性の予測にぜひ役立ててください。
決済手段として普及する可能性が高い
ネム(NEM/XEM)は、取引処理が高速に実行されるだけでなく、かかる費用もわずかです。
また、セキュリティに関しても、国家規模のプロジェクトに採用されるほど十分な対策が施されているため安心して利用できます。
高速・低コスト・高セキュリティの3つを兼ね備えたネムは、決済手段に向いている仮想通貨(暗号資産)です。仮想通貨(暗号資産)による決済がより一般に普及すれば、ネム(NEM/XEM)への注目度が高まるでしょう。
「Fantom」との提携でDefi市場への参入が期待される
ネム(NEM/XEM)のアップデートにより誕生したシンボル(XYM)は「Fantom」と提携しました。Fantomは、イーサリアムキラーとも呼ばれるプロジェクトで、分散型アプリケーション(DApps)の開発などが行えるプラットフォームを提供しています。
Fantomとの提携により、DeFi(分散型金融)市場への参入が期待されています。多くの取引がされるようになれば、ネム(NEM/XEM)の価格にプラスの影響を与えるでしょう。
「mijin」の需要増加による好影響が期待される
mijinとは、テックビューロホールディングス株式会社の提供する、ネム(NEM/XEM)のプロトコルを活用したブロックチェーンです。すでに実用化が進んでおり、医療・金融・教育・物流など幅広い分野で活用されています。
mijinに対する需要が高まれば、基盤となるネム(NEM/XEM)への注目度が高まり、好影響を及ぼすことが期待できます。
競合通貨に苦戦を強いられている
セキュリティの高さや大型アップデートにより注目度が高まっているネム(NEM/XEM)ですが、競合通貨に苦戦を強いられているのも事実です。
仮想通貨(暗号資産)領域は、日々新たなプロジェクトが誕生し、競争率が高まっています。既存の仮想通貨(暗号資産)に関しても、イーサリアム(ETH)は大型アップデートによりスケーラビリティ問題が解消されており、生き残りをかけて機能向上に努めています。
一時期の勢いを取り戻すためには、さらなる機能追加や利便性向上のためのアップデートが行われる必要があるでしょう。
流出事件の解決によって価格上昇が予想される
2018年1月、Coincheckから約580億円のネム(NEM/XEM)が流出する事件が起きました。その結果、200円台近くを記録していたネム(NEM/XEM)の価格は急暴落し、3月後半には20円台まで落ち込みました。
この事件はCoincheckの管理体制に問題があったとされています。その後、Coincheckもセキュリティのアップデートを行うなどして対策を行い、犯人は逮捕されたため事件は解決に近付いています。
ネム(NEM/XEM)自体はセキュリティの高い仮想通貨(暗号資産)ということもあり、事件解決を機に価格上昇が予想されます。
マクロ経済の動向次第では調子を取り戻す可能性がある
ネム(NEM/XEM)は2021年に70円台を記録した後、2023年12月まで長期の下落トレンドが続いています。しかし、今後のマクロ経済の動向次第では調整を取り戻す可能性があります。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが明け、世界中で経済活動が活発になると、労働力や資源の不足からインフレーションが引き起こされました。各国がこれを抑えるべく金融引き締め政策を取ると、市場に出回る資金が減少し、仮想通貨(暗号資産)市場も冷え込みました。
しかし、金融引き締め政策はいつまでも続けられるものではありません。緩和されると、仮想通貨(暗号資産)市場に資金が流れる傾向にあります。
このようなマクロ経済の動向により仮想通貨(暗号資産)市場に注目が集まると、ネム(NEM/XEM)の価格も回復する可能性があるでしょう。
市場全体の規制の影響を受ける恐れがある
仮想通貨(暗号資産)市場は、まだ誕生して長い年月が経っているわけではなく、法整備は十分には整っていません。主要国が仮想通貨(暗号資産)に対する規制を強めた場合、市場全体が低迷すると予想され、ネム(NEM/XEM)の価格にも影響が及ぶでしょう。
また、ネム(NEM/XEM)はICOを行えるプラットフォームですが、中には詐欺プロジェクトや急暴落するトークンもあります。ICOの仕組みによっては、資金決済法や金融商品取引法などの規制対象となる恐れもあり、規制が強まればユーザー数が減少する可能性があります。
そうなると、ネム(NEM/XEM)への需要が低下し、価格も停滞すると考えられるでしょう。
ネム(NEM/XEM)の購入方法
ネム(NEM/XEM)を購入する際は、以下の手順に従って進めていってください。
- 仮想通貨(暗号資産)取引所の口座を開設する
- 口座に日本円を入金する
- ネム(NEM/XEM)を選択し、購入する
口座開設にあたっては、本人確認を行う必要があります。パスポートや運転免許証など、自身の身分を照明できるものを手元に準備し、口座開設、購入を進めてください。
ネム(NEM/XEM)はCoincheckやbitFlyer、DMM Bitcoinなど主要な仮想通貨(暗号資産)取引所で取り扱いがあります。それぞれの取引所で最低購入金額や取引手数料は異なるので、事前に把握しておきましょう。
まとめ
ネム(NEM/XEM)は、新しい経済の確立を目指して誕生した仮想通貨(暗号資産)プロジェクトです。取引速度が速く、セキュリティレベルが高い点が特徴です。国家機関との提携を結んでいることからは、ネム(NEM/XEM)への信頼度の高さがうかがえるでしょう。
過去には、Coincheckから大量の盗難があり不安視されましたが、決済手段としての普及やICOを行えるプラットフォームとしての活用が進めば、価格上昇に期待できます。運用を始めるなら、関連するニュースや報道は一通りチェックしておくべきでしょう。
なお、本記事ではネム(NEM/XEM)の特徴や将来性など、幅広く解説しました。国内仮想通貨(暗号資産)取引所での取り扱いが多く、将来性に期待できる銘柄ですが、仮想通貨(暗号資産)初心者ならよりメジャーな銘柄を安全に運用するのもおすすめです。その運用をプロや第三者に任せるのが、レンディングです。
レンディングとは、保有する仮想通貨(暗号資産)を第三者に貸し出し、利息を得る運用方法です。現物取引やレバレッジ取引のように自身で運用する必要はないにもかかわらず、銀行預金より高利率で運用できる点が魅力です。
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BTC
8%
イーサリアム
ETH
8%
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XRP
6%
USテザー
USDT
10%
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USDC
10%
ダイ
DAI
10%
キンカゴールド
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4.5%
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