先週の金融市場の動向

10月4日に発表された雇用統計の結果から、次の利下げ幅が0.25%へ後退した事を受け、FOMC議事録と消費者物価指数の発表を控えて、上値の重い展開から始まりました。

株式市場の反応

11日(金)の株式市場で、JPモルガンやウェルズファーゴなどの銀行決算が発表され、その内容が好感されてNY株式市場は大きく上昇しました。週の終値はNYダウ平均が409ドル高の42863ドル、S&P500が34ポイント高の5815、NASDAQが60ポイント高の18342となっています。NYダウ平均は史上最高値を更新しました。

債券市場と個人消費への影響

一方、米国債券市場では、次の利下げ幅の予測が0.25%へ後退したことから、米国10年国債利回りが週を通じて徐々に上昇し、週末11日には4.10%になっています。こうした金利上昇は住宅ローンなど個人消費にも影響があるだけに心配な動きとなります。

暗号資産市場の展開

暗号資産市場では、金融市場のムードを受けて週明けから上値の重い展開となりました。BTCが940万円台からじり安の動きとなり、9日のFOMC議事録の後、次の利下げ幅に対する予測が0.25%に強まったことにより900万円台まで下落しました。

一応この近辺で下げ止まったものの、10日に発表された消費者物価指数(CPI)の結果や失業保険申請件数が急増した事を受けて、BTCは880万円近辺まで下落しました。ただ、11日(金)には銀行決算によるNY株式市場の上昇を受けて堅調な動きを見せ、BTCは920万円前後、ETHは36万円前半、XRPは80円前後で週を終えています。

今週の経済指標と注目ポイント

今週は日本、米国、中国で鉱工業生産指数など製造業の状況を示す重要な経済指標の発表があります。日本では全国消費者物価指数の発表もあり、日本銀行が想定しているような国内の物価状況になっているか注目されます。これは今後の日本銀行の利上げに向けた動きに影響するもので、為替面から重要な発表です。

中国経済の動向

中国では第3四半期の実質GDP成長率の発表があるほか、鉱工業生産や小売売上高の発表があり、国際社会から心配されている中国の景気動向が判明します。中国の動向は欧米および日本の輸出入や産業の動向に大きな影響を与えるため注目されています。また、新築住宅販売価格の発表もあり、中国経済の根幹を支えてきた不動産の動向にも注目が集まっています。特に、不動産を中心とした経済対策が発表されたばかりで、世界の関心が高い発表となります。

米国経済の注目点

米国ではNY連銀製造業景気指数、鉱工業生産指数、設備稼働率、企業在庫などが相次いで発表されます。全産業では堅調を維持している米国経済ですが、サービス業の牽引が強く、製造業の状況は依然として重苦しい展開が続いているだけに、どのような結果となるかが注目されます。また、小売売上高と住宅着工件数の発表では、金利引き下げが進む中で、個人の消費動向の変化が注目されています。

暗号資産市場の展望

暗号資産市場は引き続き金融市場の動向を見ながら展開が続くと予想されます。米国最高裁判所は10月7日にBattle Born Investmentsの訴訟審理を拒否したと伝えられており、これにより押収している約69,370BTCの売却に障害がなくなったと言われています。この売却がBTCの上値を重くしている要因の一つとなっています。

こうした需給による影響があるため、当面は経済指標の発表結果と金融市場の動向に基づいた神経質な展開が続くと考えられます。

投資家におかれましては、引き続き各国で発表される経済指標の結果に注目し、注意深く暗号資産市場の動きを見守っていただきたいと思います。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2024.10.15]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
14

合計積立金額
1,400,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1369 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.7164 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %