石破新総裁と国内経済の行方、日銀短観発表に注目|ビットコイン予測 今週のポイント2024.9/30-10/6
2024.09.30
今週のビットコイン市場のポイント
2024.9/30 〜 10/06
先週の米国金融市場の振り返り
先週の米国金融市場は、18日にFOMCで決定された0.5%の利下げを好感した流れが続き株式市場は堅調に推移しました。S&P500は26日(木)にNYダウ平均は27日(金)に市場最高値を更新しています。
先週発表された経済指標では23日(月)の米国PMI(購買担当者景気指数)の製造業が47.0と前月の47.9から3ヶ月連続で低下し、2023年6月以来の低水準であったほか、24日(火)にはコンファレンスボード消費者信頼感指数が発表され、前月の105.6から98.7と3年ぶりの大幅な悪化となり、予想の104.0も下回りました。この大幅な低下は労働市場の弱体化に伴い、多くの世帯への圧力が強まっている事を示唆していると見られています。
利下げ期待と市場の反応
このように米国景気の鈍化を示す発表があったにも拘わらず株価が堅調なのは、週末27日(金)に予定されている米国個人消費支出価格指数(PCE)8月について、落ち着いた結果が発表されるとの予想があり、インフレに対する警戒感が薄まり、それ以上に景気対策としての今後の利下げへの期待が強まっていた事にあります。特に年内の利下げについて金融市場の関係者は11月と12月に開催される2回のFOMCで合わせて0.75%の利下げを想定し、特に11月には再度0.5%の利下げが行われるとの期待を強めていたことにあります。
実際、27日に発表されたPCE8月は食品とエネルギーを除くコア指数が前年比+2.7%と前月の+2.6%から0.1%上昇したものの、総合指数が前年比+2.2%と前月の+2.5%から低下し3年半ぶりの低水準となりました。この結果を受けてNYダウ平均は137ドル高となりました。
ビットコインと暗号資産市場の振り返り
ビットコイン市場の動向とリスクオンムード
暗号資産市場も先週は、株式市場のリスクオン的なムードに連動し、堅調な動きを見せました。特にビットコイン(BTC)は、週初においてドルベースで63,300ドル、円ベースで約910万円台で取引を開始しましたが、週中には株式市場の上昇に伴い買いが加速。26日(木)には64,000ドル台を突破し、さらには65,000ドル台を窺う展開となりました。これには、株式市場の好調さが投資家のリスク選好を高め、暗号資産への資金流入が続いたことが影響しています。
特に、米国FOMCによる利下げが経済対策として受け入れられ、株式市場が最高値を更新したことが、暗号資産市場にもプラス材料として働いたと考えられます。週末にかけてはBTCの価格は落ち着き、最終的にはドルベースで64,500ドル、円ベースで934万円前後で取引を終了しました。
その他の主要暗号資産も同様に堅調な動きを見せており、イーサリアム(ETH)は38万円台前半、リップル(XRP)は83円台後半で週を終えました。ETHについては、ETH 2.0への期待感やDeFi市場の成長が引き続き価格をサポートしている一方、XRPはSECとの法的な進展が影響しつつも市場全体のリスクオンムードに引きずられる形で上昇しました。
今週の注目すべき経済指標
世界経済の重要指標と市場の期待
今週の世界の金融市場は、週末に米国の雇用統計9月の発表を控えていますが、その前に米国を初めとしてユーロ圏、中国そして日本で多くの景気動向や物価に関する発表が相次ぎます。
日本ではすでに小売業販売額8月と鉱工業生産8月が発表されました。小売業販売額は前月+2.6%で予想は+2.4%でしたが結果は+2.8%とそれらを上回りました。これは百貨店・スーパーの販売額が前回の+1.1%から今回+4.4%と大きく伸びた事に起因しています。夏場のインバウンド効果が大きかったと考えられます。
一方、鉱工業生産は前月比マイナス3.3%と前月の+3.1%や予想のマイナス0.3%を大きく下回りました。前年同月比でも前月の+2.9%や予想の+0.1%を大きく下回るマイナス4.9%となっています。10月1日には日銀短観が発表されますので、日本銀行から国内経済に関してどのような見通しがだされるのか注目されます。
先週末に自民党総裁選挙で石破茂新総裁が決定し、現時点では、法人税増税や金融所得課税増税などの考え方を受けて日経平均株価は急落をし、外国為替市場でもドル円相場は142円台となっています。
こうした状況の中、石破自民党新総裁が総理大臣就任後に今後の国内経済に対してどのような政策を出してくるのか、10月開催される国会での所信表明演説に向けて注目が集まります。
中国では中国人民銀行から経済対策が発表されました。まずは好感された状況となりましたが、9月の購買担当者景気指数(PMI)が発表されますので中国の景気動向に関する現況が明らかになると思われます。今後の世界景気に与える影響があるだけに注意が必要です。
ユーロ圏ではインフレの落ち着きからECBによる政策金利の利下げが実施され、圏内での景気動向に関心が移ってきていますが、今週は製造業のPMIが発表されます。こちらも今後の景気動向とECBの今後の方向性を考える重要な発表になりそうです。
米国では、耐久財受注やISM景気指数(製造業、非製造業)の発表があり、景気減速が懸念される中でどのような結果になるのか注目されます。また週末の雇用統計は、そうした景気動向を占う意味で失業率が大きな注目点となってきます。米国の失業率は徐々にではありますが着実に高まりつつあり、米国リセッション入りを懸念する意見も声高になりつつあります。そうした懸念を払拭し景気のソフトランディングを明確にして行くためにも今回の雇用統計の結果は大きな意味を持っていると考えられます。
今週の米国金融市場は、週末の発表を控える中で株価の高値警戒もあり、慎重な動きとなるのではないでしょうか。そして雇用統計に関しては雇用の鈍化が指摘されており、予想を大きく下回るようであれば、今後のリセッションを意識して株式市場は大きな調整を迎える可能性もあると思われます。
今週の暗号資産市場の見通し
暗号資産市場のリスクとチャンス
暗号資産市場は、引き続き米国金融市場の動向を注視しながら慎重な姿勢を保つと予想されます。特に今週は、米国の重要な経済指標である雇用統計やISM指数の発表が控えており、その結果次第で市場全体のリスク許容度が大きく変動する可能性があります。投資家心理は、米国の金融政策がどのように展開されるかに大きく左右されており、FRBによる利下げの継続がどこまで市場にプラスの影響を与えるかが焦点となるでしょう。
ビットコイン(BTC)を含む主要暗号資産は、これらの発表に対する市場の反応により、短期的な値動きが活発になることが予想されます。特に、BTCは再び65,000ドルの節目を突破する可能性があり、投資家にとって重要な心理的抵抗線となっています。その他、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)も市場の動向に伴い影響を受ける見込みです。
投資家の皆様におかれましては、これらの経済指標の発表結果と市場の動向を慎重に見極め、リスク管理を徹底したうえで適切な投資判断を下していただくことが重要です。今週は、特にボラティリティが高まることが予想されるため、冷静かつ戦略的な対応をお願いいたします。
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
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月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|---|
09 | 30 | 月 | 10:30 | 中国 | 購買担当者指数(PMI)9月(製造業、サービス業) | ★★★☆☆ |
09 | 30 | 月 | 22:45 | 米国 | シカゴ購買部協会景気指数9月 | ★★★☆☆ |
10 | 01 | 火 | 08:50 | 日本 | 日銀短観 | ★★★★☆ |
10 | 01 | 火 | 17:00 | 欧州 | ユーロ圏製造業PMI9月 | ★★☆☆☆ |
10 | 01 | 火 | 18:00 | 欧州 | ユーロ圏消費者物価指数(HICP)9月 | ★★★☆☆ |
10 | 01 | 火 | 23:00 | 米国 | ISM製造業景気指数9月 | ★★★★★ |
10 | 01 | 火 | 23:00 | 米国 | JOLTS求人件数9月 | ★★★★☆ |
10 | 02 | 水 | 21:15 | 米国 | ADP雇用者数9月 | ★★★★☆ |
10 | 03 | 木 | 17:00 | 欧州 | ユーロ圏サービス業PMI9月 | ★★☆☆☆ |
10 | 03 | 木 | 18:00 | 欧州 | ユーロ圏生産者物価指数(PPI)8月 | ★★☆☆☆ |
10 | 03 | 木 | 23:00 | 米国 | 耐久財受注8月 | ★★★★☆ |
10 | 03 | 木 | 23:00 | 米国 | ISM非製造業景気指数9月 | ★★★★★ |
10 | 04 | 金 | 21:30 | 米国 | 雇用統計9月(非農業部門就業者数、失業率、平均時給) | ★★★★★ |
これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status
[期間:2023.06.05 〜 2024.10.15]
2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。
ポートフォリオの現在の資産価値
円
含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
円
利益率
%
積み立て回数
14回
合計積立金額
1,400,000円
ポートフォリオの構成
ポートフォリオ
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銘柄 | シンボル | 対円レート | 保有数量 | 日本円換算 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
ビットコイン | BTC | [BTC/JPY]円 | 0.1369 BTC | 円 | % |
イーサリアム | ETH | [ETH/JPY]円 | 1.7164 ETH | 円 | % |
ダイ | DAI | [DAI/JPY]円 | 80 DAI | 円 | % |