今週のビットコイン市場のポイント
2024.9/2 〜 8

先週の米国金融市場の振り返り

先週の米国金融市場は、週前半に耐久財受注、S&Pケースシラー住宅価格指数、コンファレンスボード消費者信頼感指数などの経済指標の発表がありましたが、総じておとなしい動きとなりました。これは28日取引終了後に発表されるエヌヴィディアの第2四半期決算発表と週末29日のPCE個人消費支出物価指数7月を控えて様子を見る動きとなったと思われます。

経済指標の発表では、耐久財受注7月が前月比+9.9%と前月の-6.9%から大きく増加し予想の+5.7%も上回りました。市場では「景気が落ちこんでいないのでは?」との声も一部上がる内容となりました。

27日のS&Pケースシラー住宅価格指数は前年比+5.4%でやや鈍化しましたが、CPIを上回る結果で歴史的には高い水準が続いていると市場は見ています。住宅ローン金利の高止まりで買い控えが起きていると見られています。

またコンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数8月は103.3と7月の101.9や市場予想の100.7を上回りました。これは堅調な株式市況により消費者のマインドが落ち着いているのではないかと見られています。

エヌビディア決算報告

エヌヴィディアの第2四半期決算発表

28日に発表されたエヌヴィディアの2024年第2四半期(5-7月期)決算の発表では、売上高300億4,000万ドル(約4兆3,400億円)前年同期比約2.2倍、純利益165億(約2兆4,000億円)前年同期比約2.2倍と好調な内容となりました。しかし。市場では今後の見通しから成長のペースが鈍化すると嫌気し、翌日29日の株価は6%強の下落となりました。株式市場の反応は予想に反して落ち着いた動きとなっています。

さらに30日に金融当局が最も注目している個人消費支出物価指数(PCE)7月の発表結果は、総合指数で前月比+0.2%と市場予想と一致しました。前月は+0.1%でした。前年同月比は+2.5%とこちらも市場予想と一致しました。

コア指数では前月比+0.2%でこちらも市場予想と一致し、前月とも同じ水準でした。前年同月比は+2.6%で市場予想の+2.7%を下回りました。総じて落ち着いた内容となり、3ヶ月平均は年率+1.7%と今年に入って最も低い水準となりました。

こうした結果は金融当局の9月利下げを後押しするものと思われますが、市場関係者は「ノーサプライズ」で今回の結果は、「予定される9月利下げをあくあまで確認するもの」と冷静に見ており、「重要なのは、今後発表される労働市場の状況がどなるか」だとしています。このような反応で金融市場は、株式市場・債券市場ともに大きな動きとはなりませんでした。

ビットコインマーケットのイメージ

暗号資産は上値が重く、やや下値の甘い展開

一方、先週の暗号資産市場は、26日こそ多少上値へトライする場面が見られたものの基本的に上値が重い状況が続く、やや下値の甘い展開となりました。エヌヴィディアの決算やPCEの発表にも金融市場と同様に大きな反応を示す場面がなく、BTCは850万円前後、ETHが37万円前後、XRPは83円前後のもみあいが続き、週末はBTCが857万円程度、ETHが36万円前半、XRPが81円台前半で終了しています。

今週は週末の6日(金)に米国雇用統計の発表があり、先週のコメントにもあったように金融市場関係者は、現在の米国労働市場の状況を最も注目しています。またこれは金融当局がインフレへの対処が落ち着く中で労働市場への目配りを重視していることから起きていると考えられます。この週末の発表の前に前半には製造業に関する景気指標の発表があり、米国景気が堅調なのか、あるいは落ち込みつつあるのか確認されることになります。また週央には最近注目されている雇用関係指標の発表があり、週末の雇用統計発表を占うものになります。

 

今週も金融市場はこうした経済指標の結果を見ながら、既に決定的と見ている9月利下げの動向を予想しながらの展開となりそうです。株式市場では、これまでのハイテク株がリードする展開から銘柄シフトが起きつつある様相となっており、利下げによる米国景気の再度の上昇を期待する動きとなるかがポイントになります。今の市場関係者の想定は、利下げから米国景気がリセッションに陥ることなく、緩やかな景気回復局面の訪れを想定しています。そうした見通し通りに展開されるのか注目していく週となりそうです。

 

ビットコイン・暗号資産マーケットの今週の見通し

今週のビットコインならびに暗号資産の見通しとしては、先週の市場動向を踏まえ、引き続き金融市場の動きを注視しながらの展開が予想されます。特にエヌヴィディアの決算や米国の経済指標発表など、重要なイベントが続く中で、暗号資産市場もその影響を受けやすい状況が続いています。

先週見られたように、上値の重さが暗号資産市場全体で顕著に現れていますが、現時点で特に大きな悪材料は見当たりません。このため、ビットコインをはじめとする暗号資産は、先週と同様に大きな動きがなく、もみ合いが続く展開が想定されます。

今週は特に、米国の雇用統計発表など、経済指標の結果が市場のリスク選好に与える影響が注目されます。これらの結果が予想外に振れる場合には、暗号資産市場にも変動が生じる可能性がありますが、現時点では穏やかな推移が見込まれています。

投資家としては、今週も慎重な姿勢を維持しながら、市場の動向に注意を払うことが重要です。大きな動きが予想されない中でも、予期しないイベントや市場の反応に備えて柔軟に対応することが求められるでしょう。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

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曜日日本時間経済イベント重要度
09 03 22:45 米国 製造業PMI(購買担当者景気指数)8月 ★★★★☆
09 03 23:00 米国 ISM製造業景気指数8月 ★★★★★
09 04 21:30 米国 貿易収支7月 ★★★★☆
09 04 23:00 米国 製造業新規受注7月 ★★★☆☆
09 04 23:00 米国 JOLTS求人件数7月 ★★★★☆
09 05 21:15 米国 ADP雇用者数8月 ★★★★☆
09 05 22:45 米国 サービス業PMI8月 ★★★☆☆
09 05 23:00 米国 ISM非製造業景気指数8月 ★★★★★
09 06 18:00 欧州 ユーロ圏2024年第2四半期GDP ★★★☆☆
09 06 21:30 米国 雇用統計8月(失業率、非農業部門雇用者数、平均時給) ★★★★★

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2024.12.10]

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ〔連動〕するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

ポートフォリオの現在の資産価値

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)

利益率
%

積み立て回数
16

合計積立金額
1,600,000

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

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    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %