パウエル議長は今後の利上げについては「データ次第」とのコメント

今晩、米国7月のCPI(消費者物価指数)が発表されます。

米国FRBは7月に0.25%の利上げを行い、パウエル議長は今後の利上げについては「データ次第」とのコメントをしています。

市場では、利上げの打ち止めを想定する見方が8割近くを占めているようです。しかし、先週末発表された7月の米国雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比+18.7万人と予想の+20.0万人を下まわりインフレ鈍化を意識させたものの、失業率は3.5%と前月の3.6%から低下し雇用の底堅さも意識させるものとなりました。

雇用統計では、インフレの動向について方向感を定めることは難しく、今晩発表の7月CPIにより注目が集まる事となっています。

米国7月CPI
U.S. Consumer Price Index for July

米国7月CPIの予想は、総合指数の伸び率が前年同月比3.3%と6月の3%から増えると予想されています。

また、7月の食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は、6月と同じ4.8%との予想で、こちらも4月から続いてきた減速が4か月ぶりにストップすると見込まれています。

予想通りの結果であれば、これまでのインフレ鈍化に若干の?が生まれ、市場では米国債利回り上昇、ドル高のイメージが台頭するかもしれませんが、9月のFOMCへの利上げ決定には、やはり極めて説得力のある根拠が必要と見られるだけに大きな動きにはならないでしょう。

一方、予想を下回る結果、特にコア指数が鈍化となると、市場で支配的となっている利上げ停止そしてソフトランディングの見方が強まり、金利低下、ドル安のイメージが強まると考えられます。

個人的には今回で方向感が定まらずとも、今後サービス価格の減速とともにコア指数の鈍化を想定し、これからの金利低下、ドル安を意識しています。