日本経済新聞では大企業の経営者が考える「その年のドル円相場と日経平均株価の水準」を元旦の紙面で紹介しています。

 今回19名の経営者の方が今年の6月末と12月末のドル円相場の水準について回答されました。ドル円相場の水準をピンポイントで予想するというのは、外国為替のプロでもなかなか難しい事だとおもいますが、その内容は以下のようになっています。

【6月末】

・全体としては120円~145円のゾーンの中に全て入っています。

・うち120円~140円というようにゾーンで回答された方が7名、ピンポイントで回答された方が12名でした。

・ピンポイントの回答で最円高水準は128円1名、最円安水準は140円2名で、130円4名、135円3名などとなっています。

【12月末】

・全体はやはり120円~145円のゾーンの中に入っています。

・うちゾーンで回答された方の中で6月末よりも5円円高方向へ動いた方が1名、またゾーンの幅が円高円安それぞれに5円ずつ広がった方が1名いらっしゃいました。

・ピンポイントでは、最円高水準が125円と円高へ進み4名おられ、130円2名、135円2名などとなっています。

 これらの回答を見ると年前半は、現在の水準近辺での推移が続き、年後半に入って徐々に円高への動きが強まると考えている方がやや多い印象を受けました。

 新年早々のドル円相場は、海外で129円台を覗く展開から始まり円高方向への意識が強まる様相を見せています。今後のドル円相場は、春に行われる日本銀行のトップ人事以降

の金融政策の方向性と米国FRBが米国内のインフレ率の低下と景気減速の動きを見ながらどのような対応をしていくのかがポイントとなります。

 当面は昨年の円安に動いた幅の半値戻り水準である125円~127円程度を目指す動きになると考えています。年後半はFRBの対応次第ではドル安になる可能性もあり、その場合は110円程度まで円高が進む可能性もあると考えています。