今年はステーブルコインとウォレットがWeb3.0領域の大きなトピックになると考えている。なかでもステーブルコインは2022年に改正された資金決済法によって明文化された領域であり、Web3.0領域のなかでも事業を設計する上でガイドラインが明確化されている領域だ。

 この法改正は、ステーブルコインの発行者を明確なルールの元に限定し、流通を担う仲介者を登録制にすることで、投資家保護とマネーロンダリング対策を強化することを目的としており、発行者は厳しい要件を満たす必要がある​​。

八木編集長FOCUS

少し掘り下げれば、資金決済法のなかにステーブルコインを含めることで、電子マネーなどと同様にデジタルマネーの一種(暗号資産ではない)として整理されたことは押さえておきたいポイントだ。  先日、USDCを発行する米サークルはSBIと包括的業務提携に向けた基本合意書の締結。規制当局の承認があった場合に、傘下の「SBI VCトレード」は電子決済手段等取引業の登録を目指し、後にUCDCの取り扱いを行う方針だという。

 本メルマガをみていただいている方には釈迦に説法ではあるが、米サークルはステーブルコインの発行体としての日本進出ではなく、前述した国内暗号資産取引所が電子決済手段等取引業を取得して、ステーブルコインの仲介者として機能するUSDCの展開方法を選択している。

米サークル社

客観的に考えれば、日本の暗号資産業界の市場規模を鑑み、発行体として進出するコストを取らずに流通することのできる方法を選択したところに、米サークルCEOのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏の嗅覚が垣間見えた。

2月27日にもコインチェックがUSDCを同取引所に上場することを目的として米サークルとの提携を発表。これらの動きは日本の暗号資産市場をさらに発展させる1つの要素として機能することだろう。

国内でUSDC上場へ サークル社とコインチェックが提携

[Iolite記事]
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