ステーブルコインがWeb3.0を牽引する

Web3.0を牽引するステーブルコイン

Here lies a man who was able to surround himself with men far cleverer than himself.

「己より優れた者を周りに集めた者、ここに眠る」

私が好きな名言の1つは、週休100円で働き始め、後に鉄鋼王と称されたアンドリュー・カーネギーの墓標に残されている。

9月19日、無事に入稿を終えてご褒美のステーキを1人で食べに行き、自宅に着くなり気絶するように眠りについていた。入稿における極度の緊張感と、入稿が終わった後のすべてから解放される感覚は、まるでサウナのような心地良ささえ感じる。通常であれば2カ月に1度、表紙とメインインタビューの仕事を担うのだが、9月に限っては2回の表紙の撮影とインタビューを行った。精神をすり減らすスケジュールのなかでも支えてくれた編集部の仲間には感謝している。

今号の表紙とメインインタビューは杉原杏璃さん。芸能界での活躍もさることながら、投資家としても実績がある彼女はいわゆる「億り人」だ。プロフェッショナルと同じ空間で仕事すると、プロフェッショナルたる所以が些細な行動から伝わってきた。仕事をしていて楽しいと思える環境に居させてもらえることはありがたい。

私自身カメラも撮れなければ、デザインもプロ並の技術とはほど遠い。文章も荒削りで、Web3.0領域の技術的な部分はわからないこともある。それでもたくさんの仲間に恵まれ、1つの本を世に送り出せるということは、私にも役目があるということだろう。プロ達が集まって本気で本を造るというのもなかなか粋だと、近頃は誇りに思い始めた。

八木編集長FOCUS

Web3.0のブームは、Bitcoinに始まり、NFT、DeFi、GameFiなどさまざまな領域におけるテクノロジーの急速な発展と過熱感が牽引してきた。長い年月をかけてブロックチェーンの技術は、少しずつ日常に溶け出し始めているように思える。 今年になって大きく動きをみせたのがステーブルコイン。少なくても日本では世界に先行する形で、ステーブルコインの定義付けを明確にした法改正が6月に行われたことからも、注目のテーマであるといえる。

前号のIolite Vol.3でも、広義な意味でのステーブルコインの領域で、事業を行う有識者の方々のインタビューを通して、Web3.0領域及び決済ビジネスの今後について考えるきっかけを、さまざまな視点から提供させていただけたと思っている。日本国内における法的な解釈では、暗号資産ではないステーブルコインもある。この解釈は、暗号資産を長らくみてきたメディアで仕事をさせていただく身でも少し難しい部分であったが、私自身もIoliteのステーブルコイン特集を通して理解が深まったため、機会があれば読んでいただきたい。

直近でも同領域内で動きがあった。三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、三井住友ファイナンシャルグループ、SBI PTSホールディングス、JPX総研、NTTデータ、Datachainの8社は、Progmat(プログマ)の開発と運営を担う、株式会社Progmatの設立を10月2日に予定しているとのこと。Ioliteの特集内でもインタビューをご快諾いただいた、齊藤達哉氏が代表取締役 Founder、CEOに就任予定だ。

三菱UFJ信託銀行の子会社化せずに、独立してデジタル資産のインフラ構築を目指す。そして今後は業界横断の標準化を進めつつ、市場成熟期には公共財化を図るための上場を視野に入れているとのこと。Ioliteの独占取材でも語ってくれた齋藤さんの描く、Progmatのビジョンを覗いてほしい。

プログマが日本のステーブルコインビジネスをリードする│三菱UFJ信託銀行 齊藤達哉インタビュー

[Iolite記事]
プログマが日本のステーブルコインビジネスをリードする│三菱UFJ信託銀行 齊藤達哉インタビュー