リップル社とSECの裁判の進展

リップル社とSEC(米国証券取引委員会)の裁判が、終結に向けて動き出している。SECは最近、訴訟の一時停止に向けた動きをみせており、これが和解交渉の可能性を示唆している。背景には、SEC内部での規制方針の見直しやリップル社の主張に対するあらたな評価があると考えられる。

裁判の経緯と争点

XRPの証券性を巡る争い

この裁判は、リップル社が発行するXRPが証券に該当するかどうかを巡り、2020年12月にSECが提訴して以来、長期にわたる法廷闘争が続いてきた。

2023年7月の地裁判決

2023年7月、連邦地裁のアナリサ・トーレス判事は、リップル社による一般投資家向けのXRP販売は証券に該当しないとの判断を下した一方で、機関投資家向けの販売については証券取引法違反と認定した。

リップル社への罰則

この結果、リップル社は機関投資家向けに販売したXRP(約7億2,800万ドル相当)に関して罰則を科されることとなった。

八木編集長FOCUS

SECの方針転換と市場への影響

SECの対応と規制方針の見直し

この判決を受けて、SECは控訴を検討したものの、裁判の長期化や規制環境の変化を考慮し、方針を見直す可能性が浮上している。SECが提起した訴訟は、暗号資産業界全体に影響を及ぼす重要な前例となるものであり、その結論は市場に大きな影響を与えると考えられる。

XRPの価格への影響と市場の反応

裁判結果と価格変動

裁判結果の発表は、XRPの価格に直接的な影響を及ぼした。2023年7月13日の判決を受けて、XRPの価格は急騰し、発表前の約65円から140円付近に迫るほど上昇した。その後、価格は反動で一時的に下落したものの、市場の楽観的な見方が広がったことは明らかであった。

2024年以降の動向

さらに、2024年以降はSECとの裁判に関連したポジティブなニュースが続いたことやXRPのETF申請などさまざまな要因が後押しして、価格は堅調な推移が続いている。リップル社が今後も規制当局と一定の合意を形成し、XRPの法的な位置づけが明確化するとの期待を抱えつつ、現在の価格を維持している格好だ。

今後の規制と市場への影響

現在、SECは規制アプローチを見直しており、暗号資産市場との折り合いをつけるためのあらたな枠組みを検討しているとの報道もある。もしSECがリップル社との和解を選択すれば、今後の暗号資産関連の規制において、より柔軟な対応が取られる可能性も出てくるだろう。

リップル社と米SECの裁判、近く終結か

[Iolite記事]
リップル社と米SECの裁判、近く終結か