Iolite(アイオライト)Vol.8の発売日を迎えて
2024.06.05
Iolite(アイオライト)Vol.8 5月30日発売
5月30日、Iolite(アイオライト)Vol.8の発売日を迎えることができた。4月12日に自民党デジタル社会推進本部のweb3プロジェクトチームが「web3ホワイトペーパー2024」を公開。これを鑑みて、本誌では自民党web3プロジェクトチーム 事務局長 川崎ひでと衆議院議員への独占インタビューやホワイトペーパー内でどのような指標が記されているのかを本誌冒頭の特集を組んだ。
同PTは2022年3月に『NFTホワイトペーパー』、2023年3月に『web3ホワイトペーパー2023』を策定し、政府に提言を行ってきたが川崎先生のインタビューではホワイトペーパーの策定と提言をする過程での出来事や苦労話、これからどのようなことを実現していくのかを語っていただいた。
特に印象的だったのは、2023年には企業が自ら発行した暗号資産が期末時価評価課税の対象外になり、2024年には発行者以外の第三者が保有する暗号資産について、一定の条件のもと「期末時価評価課税」の対象外とする見直しが行われた成果について、税制度の変更は非常に慎重に行われるものであるため、2年連続で変わるというのは異例であったということ。そしてこの成果を上げるために、代議士の方々がどのようなことを行ってきたか。非常に骨が折れる地道な仕事の結果が、このような改正に至ったのだと実感することができた。
Web3.0の推進に必要な課題解決の数々
web3ホワイトペーパー2024には、さまざまな課題に対する提言がなされているが、注目度が高いところであげると税制と合同会社DAOに関する課題だろう。
税制においては、現状の暗号資産取引によって生じる所得が最高税率55%で課税されること及び、暗号資産による寄付が特定寄附金に該当するかどうかの明確に記されていないことにより、暗号資産の用途が間接的に制限されることがあげられている。
もちろん、最高税率55%で課税される条件を満たす割合は全体に比べて極めて少ないため緊急度の高いテーマでもないかもしれないし、暗号資産をよりなめらかに流通させるためには、マネーロンダリング等の別の課題を同時に整理する必要があるところが慎重に進めるべき要因になっているのだろう。
web3ホワイトペーパー2024では、このような課題に対して暗号資産の取引に係る(デリバティブ取引を含む)損益を申告分離課税の対象とし、暗号資産によって寄付が行われた場合にいは、特定寄附金に該当し得ることを明確化すべきだと提言した。
合同会社DAOについては、合同会社型のDAOを設立し運用する際の実務的な課題、たとえば社員の勧誘を非業務執行組合員が行うことに制限があることなどを整理する必要があったり、合同会社以外の法形式をDAOに適用する際の取り扱いについて不明確な点が存在することなどを課題として取り上げている。
これに対して、実務的な課題の洗い出しを行い、グローバルに活動するDAOの調査・研究を踏まえて具体的な検討を行うべきだと提言している。
そのほかにもさまざまな業界の課題について現状課題の洗い出しと提言が行われているため、業界の現在地を探るためにも一度目を通してみてはいかがだろうか。
[Iolite記事]
自民党web3プロジェクトチーム事務局長 川崎ひでと衆議院議員独占インタビュー
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