イーサリアム財団 ETH売却が 市場に与える影響
2024.10.02
ビットコイン65,000ドル突破、イーサリアム財団の動きに注目
ビットコイン現物ETFとイーサリアムの動向
9月の上旬から好調な相場は続き、先日BTCは65,000ドルを超えて引き続きトレンドが継続するか否かという状況にある。ビットコイン現物ETFの流入フローが好調で、長らく低調だったイーサリアムも、最近になって先物でリスクを取る人が増加傾向にあるようだ。イーサリアムはビットコインと比べても直近に限っては好調な動きをみせている。
イーサリアム財団の売却と市場の反応
ポジティブな状況下でもネガティブな要素はあるもので、イーサリアム財団は先日、300ETHを約76万ドルのDAIで売却し、そのわずか3日後にさらに200ETHを約52万ドルで売却した。Spot On Chainのレポートによれば、イーサリアム財団は9月に入ってから保有するETHを売却する動きをみせているというのだ。この財団の売りに市場が反応するという一連の動きが、ビットコインには基本的に起こり得ないので、相場を構成する要素として1つの大きな違いだと思う。
直近は合計で1,150ETHを約250万ドル(約4億円)で売却しているとのこと。これにより、2024年の総売却額は1,000万ドル(約14.3億円)となった。実際にはイーサリアム財団は7億2,670万ドル(約1,000億円)相当のポートフォリオを保有しており、そのほとんどがイーサリアムであるため今年の売却は保有しているであろう全ETHの14%ほど。比率で考えれば、健全なものともみてとれる。
一方、この動きに財団の透明性について疑念を持つ投資家がいることも事実だ。その疑念に応えてイーサリアム財団のジョシュ・スターク(Josh Stark)代表は近く、財団の支出に関する詳細な報告書を発表すると述べた。
イーサリアムが目指す理想郷
ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、単に技術革新を追求するだけでなく、より広範な社会的目標を掲げている。技術革新がよりスケーラブルで安全、かつ真に分散化されたプラットフォームに進化を遂げて、社会全体に公平な恩恵をもたらすことが目的だという。
次期アップグレード「Pectra」への期待
イーサリアム(ETH)の開発者らは9月19日、オンライン会議を開催し、次期アップグレード「Pectra(ペクトラ)」を2025年に2回に分けて実施することに合意。Pectraは、イーサリアム過去最大のアップグレードになる模様で、2回に分割することで、開発者はより限定された範囲に焦点を絞ることが可能のようだ。今後も目標に向けて、イーサリアムは発展していくだろう。
また、ヴィタリック・ブテリン氏はカンファレンスでの登壇等で、プライバシーに関する問題に対して「(この問題に関する)対策は進んでいないように思える。インターネット上の多くのものが保護されておらず、プライバシーを下げている状況だ」と指摘しているように、今後イーサリアムの開発の要点として、プライバシーの保護という観点も重要な開発要件になりそうだ。
[Iolite記事]
ヴィタリック氏ら集結「PlasmaCon」当日レポート