ビットコインとWeb3.0の分岐点──未来を読む30人の証言
2025.03.26
ビットコインの調整局面と未来予測
ビットコインは10,900ドルから77,000ドルを割るところまでの調整局面を迎え、未来の展望を話す有識者のなかでも意見がわかれている。 暗号資産取引所BitMEXの共同創設者であり、著名な投資家でもあるアーサー・ヘイズ氏は、最悪の場合ビットコインが70,000ドル付近まで下落する可能性を指摘した。 しかし彼は同時に、2025年末までに250,000ドルまで価格が上昇する可能性もあると予測しており、長期的には強気の姿勢をみせている。
2025年末に向けた暗号資産市場の注目点
とはいえ、2025年末にかけて暗号資産市場がどのような動きをみせるのか気になるところであろう。 そのカギを握るのは、価格チャートだけではなく、技術トレンドや政策動向、そして業界をけん引するプレイヤーたちの視座だと思う。

業界のキープレイヤー30名に聞く「Dawnbreak Players 30」
3月28日に発売される「Iolite(アイオライト)」最新号では、Web3.0領域のキープレイヤー30名に取材した特集「Dawnbreak Players 30」を掲載。 2025年以降の業界の展望や、事業者たちの視点からみえるチャンスと課題が語られている。 単なる未来予測にとどまらず、実際に技術とビジネスの最前線で動く起業家たちの知見が詰まっており、今後の意思決定に活用してもらえれば嬉しい。
未来のお金と価値観──識者インタビューから読み解く
また、イェール大学助教授で報道・討論番組に出演されている成田悠輔氏へのインタビューでは、未来のお金の形、働き方、価値観について。 巻頭インタビューでは、イーサリアム共同設立者であり、Consensys創設者のジョセフ・ルービン氏に対する独占インタビューを通して、 2025年のWeb3.0トレンド、分散型技術の未来、イーサリアムの使命とConsensysの役割、そしてWeb3.0が切り拓くあらたな可能性について語ってもらった。 さまざまな視点を得られる今号もぜひ手にとって読んでほしい。
暗号資産を守るための備え
一方で、暗号資産を取り巻くリスクは依然として存在する。特に重要なのが、ウォレットや秘密鍵のセキュリティである。 「Not your keys, not your crypto(自分の鍵でなければ、あなたの暗号資産ではない)」という業界の格言は、所有権の本質を突いている。
StilachiRAT──暗号資産ウォレットを狙う新たな脅威
その警鐘を鳴らす出来事が、17日に報告された。Microsoft社のセキュリティ研究チームが、 暗号資産ウォレットを標的とするあらたなマルウェア「StilachiRAT(スティラチラット)」の存在を明らかにしたのである。
このマルウェアは、正規ソフトウェアを装いながら悪意あるコードを含んでおり、 MetaMaskやTrust Walletなど、広く使用されているウォレット拡張機能を標的とする。 具体的には、対象ウォレットのIDを検出したうえで、ブラウザに保存された認証情報を復号・窃取する仕組みとなっており、 フィッシングメールや不審なダウンロードリンクを経由して感染が拡大する。
私たちに求められるのは、まず第一に「保管方法の見直し」である。暗号資産がどこに、どのような形で保管されているかを把握し、取引所やホットウォレットに頼りすぎていないかを確認してほしい。リスク許容度を超える運用となっていないかを見直すことが、次なる価格高騰期における精神的安定にもつながるだろう。

[Iolite記事]
Microsoft、メタマスクなど仮想通貨ウォレットを狙う新型マルウェア「StilachiRAT」について注意喚起