仮想通貨(暗号資産)やNFTが対応する規格は日々、新しいものが生まれています。その中でも、DN-404は、仮想通貨(暗号資産)やNFTを発行する際の次世代規格として注目されている全く新しい規格です。この記事では、DN-404とはどんな規格なのか、また仮想通貨(暗号資産)やNFTの取引にどういった影響をもたらすのかについて解説していきます。ぜひ参考にしてください。

イーサリアムのNFT用トークン企画

仮想通貨(暗号資産)やNFTの規格とは?

DN-404について紹介する前に、そもそも仮想通貨(暗号資産)やNFTの規格とは何なのかについて解説します。仮想通貨(暗号資産)やNFTの規格とは、仮想通貨(暗号資産)やNFTの情報をやり取りするときの決まったデータの型式のことです。ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンに乗せて流通させるためには、それぞれの規格に従って仮想通貨(暗号資産)やNFTを設計しないといけません。

NFTについては、この規格の中に固有のトークンIDと呼ばれるものが記載されます。これが証拠となって、そのNFTが偽造されることのない世界に一つのものだということを証明できる仕組みになっています。

規格に適用させることで生まれるメリット

仮想通貨(暗号資産)やNFTをそれらの規格に適合させることでどういったメリットがあるのでしょうか。主に以下に挙げられる2つのメリットがあります。

  • 同じ規格の仮想通貨(暗号資産)同士を交換できる
  • 共通のアプリ・ウォレットと連携して使える

同じ規格の仮想通貨(暗号資産)同士を交換できる

1つ目のメリットとして、同じ規格を採用している仮想通貨(暗号資産)同士は、同じデータの形式になっているので、互いに交換できます。これは、仮想通貨(暗号資産)自体の価値の向上につながります。

共通のアプリ・ウォレットと連携して使える

2つ目のメリットとして、その規格に対応した共通のアプリで使用できることが挙げられます。例えば、仮想通貨(暗号資産)・NFTを一元管理するアプリとして有名な「メタマスク」は、ERC-20、ERC-721といった規格に対応している仮想通貨(暗号資産)・NFTであれば、アプリ上で一括管理できるようになっています。

仮想通貨・NFTの規格の例

では、実際にどういった仮想通貨(暗号資産)やNFTの規格があるのでしょうか。以下3つの例を挙げて紹介します。

  • ERC-20
  • ERC-721
  • ERC-223

ERC-20

ERC-20は、イーサリアムのブロックチェーン上で流通させる仮想通貨(暗号資産)が対応している規格です。現在対応している仮想通貨が最も多く、その数は数十万種類にも及ぶとされています。ERC-20に対応している代表的な仮想通貨としては、イーサリアム(ETH)やポリゴン(polygon)、チェーンリンク(LINK)が挙げられます。

ERC-721

ERC-721は、イーサリアムのブロックチェーン上で流通させるNFTが対応している規格です。世界に一つしか存在しないよう、偽造や複製ができないような仕組みになっています。世界最大規模のNFTマーケットであるOpenseaもこの規格に対応したNFTしか取り扱っておらず業界標準となっています。

ERC-223

ERC-223もイーサリアムのブロックチェーン上で流通させる仮想通貨(暗号資産)が対応している規格です。すでに紹介したERC-20規格には誤ったアドレスに仮想通貨(暗号資産)を送金してしまうと消失してしまう問題がありました。そこでこのERC-223では、その問題を解決し、誤った存在しないアドレスに送金すると送金元に戻ってくる仕組みを取り入れています。

NFTのイメージ

DN-404が生まれた背景

仮想通貨(暗号資産)・NFTの規格の例で紹介した通り、現在流通しているNFTのほとんどはERC-721に対応したものです。一方でERC-721には、主に以下3つの問題点があり、新しい規格DN-404が生まれるに至りました。

  • NFTと仮想通貨(暗号資産)には互換性がない
  • NFTは1人しか所有できない
  • NFTの取引手数料が高い

仮想通貨(暗号資産)とNFTには互換性がない

1つ目の問題点として、仮想通貨(暗号資産)とNFTはブロックチェーン上で流通するのは同じですが、別のものとしてしか扱えないことが挙げられます。下のイメージ図に示すように、仮想通貨(暗号資産)は、いつどこの取引所で購入したものでも同じ価値を持っているのに対し、NFTはそれぞれが一点もので価値が違うため、替えがきかないという明確な違いがあります。

仮想通貨(暗号資産)をコイン、NFTをTシャツに見立てた違いの解説図

引用元:https://coincheck.com/ja/article/454

そのため、自分が保有するNFTを仮想通貨(暗号資産)とみなして取引するといったことはできず不便な面があります。

NFTは1人しか所有できない

2つ目の問題点として、NFTは1人しか所有できない点があります。NFTは世界に一つしか存在しないようにできている以上、NFTの所有者が手放そうとしない限り、市場には出回りません。これは、NFTの取引を活発化させるのには都合が悪く、NFT市場が活気を失うと同時に、NFT自体の価値が下がり損失を被るリスクが高くなります。

NFTの取引手数料が高い

3つ目の問題点として、NFT取引時に発生する手数料が高い点があります。NFTの規格ERC-721は、仮想通貨(暗号資産)の規格よりも取引処理が複雑なため、NFTを購入・転送したりする際に比較的高い手数料を取られます。また、1回の取引あたり1個のNFTしか送れないため、複数のNFTをまとめて取引したくても、取引するNFTの数だけ手数料も増えるため効率が良くありません。

NFTとDN-404のイメージ

DN-404の特徴

ここまで説明した現在主流のNFT規格ERC-721の問題点を解消するために、新たな規格DN-404が生まれました。DN-404を採用することによって以下3つのメリットが生まれます。

  • NFTと仮想通貨(暗号資産)を共通のものとして扱える
  • NFTを分割して複数人で所有できる
  • 複数のNFTをまとめて取引できる

NFTと仮想通貨(暗号資産)を共通のものとして扱える

DN-404の1つ目の特徴として、イーサリアムなどの仮想通貨(暗号資産)の規格であるERC-20と、NFTの規格であるERC-721を共通のものとして扱えることが挙げられます。これによって、以下のイメージ図のようにNFTをそのままNFTとして売買するだけでなく、NFTを仮想通貨(暗号資産)に変換して取引するといったことができるようになり、利便性が上がります。

NFTをジグソーパズルに見立てて、一部を仮想通貨にして取引所と交換

NFTを分割して複数人で所有できる

DN-404の2つ目の特徴として、NFTを複数人で分けて所有できることが挙げられます。DN-404では、以下のイメージ図のように一定数の仮想通貨(暗号資産)を保有することで、自動的にそれが完成品のNFTと交換できるような仕組みになっています。これによって、NFTがより市場に出回るようになり、NFT取引がさらに活発になります。

ジグソーパズルに見立てた仮想通貨を購入して集めると、NFTになるイメージ

複数のNFTをまとめて取引できる

DN-404の3つ目の特徴として、複数のNFTを1回の取引でまとめてやり取りできることが挙げられます。複数のNFTを1回の取引でやり取りすることで、取引処理回数を抑えられるので、取引にかかる手数料が安く済み効率的です。

NFTの未来のイメージ

DN-404の現状と将来性

ここまで新規格DN-404のさまざまなメリットを紹介しましたが、DN-404の現在の状況と今後の見通しについてまとめて紹介します。

DN-404の現在地

DN-404は今の時点では正式なプロジェクトではなく、数人の有志の開発者によって他のプロジェクトが使用できるようにコードをリリースした実験段階です。そのため、正式にイーサリアムのブロックチェーン上で使うための正式な監査を受けておらず、まだ実用化には時間がかかるようです。

DN-404の将来性

DN-404の今後の展開として、DN-404が正式な規格として採用されれば、DN-404規格を適用した仮想通貨(暗号資産)の高騰が想定されます。例として、DN-404のもととなったERC-404規格を採用した仮想通貨(暗号資産)であるPandoraについては、上場から一週間たたずに6倍以上の高値に到達する高騰を見せています。

また、今回紹介したDN-404のメリットが認められれば、仮想通貨(暗号資産)ウォレットやNFTマーケットなどのアプリが続々と対応し、主流の規格として普及していく可能性も秘めています。

イーサリアムとDN-404

まとめ

今回は、仮想通貨(暗号資産)・NFTの次世代規格として注目を集めているDN-404について解説しました。DN-404は、現在NFTの主流規格となっているERC-721で問題となっているNFTの流動性の低さや取引手数料の高さを解決するために生み出された、全く新しい規格です。DN-404を採用することによって、NFTを複数のユーザーが分割して所有できることによるNFT取引の活発化や、NFT取引時に発生する取引手数料の低減が期待できます。

一方で、DN-404はまだ実験段階の規格であり、正式な規格としてイーサリアムのブロックチェーン上で使用されるには時間がかかるようです。しかし正式な規格となれば、DN-404を採用した仮想通貨(暗号資産)の高騰や主流規格として広まっていく期待があるため、今後の展開に注目しましょう。