先週の暗号資産市場の動向

先週の暗号資産市場は、週初18日-19日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)への警戒からやや軟調な動きでしたが、FOMC後のパウエルFRB議長のコメントがややハト派的で、今後の利下げ予想も年内2回であったことから反発する場面もありました。しかし、その後の上値は重く行ってこい的な動きで週を終えています。

ビットコイン(BTC)の値動き

BTCは週初83,300ドル(約1,240万円)近辺から始まりましたが、前述したようにFOMCへの警戒もあり、81,200ドル(約1,210万円)近辺まで下押しする場面も見られました。19日にFOMC後のパウエルFRB議長の会見が比較的ハト派的な印象を与え、またFOMC参加メンバーによる年内の利下げ予想が2回であったことなどから反発し87,400ドル(約1,290万円)近辺まで上昇する場面も見られました。しかし、その後の支援材料も乏しく、上値が重くなり、83,500ドル(約1,250万円)近辺で週を終えています。

イーサリアム(ETH)とXRPの動き

ETHは1,870ドル(約28万円)近辺から始まり、2,000ドル(約30万円)台後半まで上昇する場面もありましたが、英国のスタンダードチャータード銀行による2025年価格予想が10,000ドル(約149万円)から4,000ドル(約59万円)へ下方されたことから若干甘くなり、1,930ドル(約29万円)前後で終えています。またXRPは、2.3ドル(約340円)近辺から始まり、SECによるリップル社への控訴取り下げによって2.55ドル(約380円)台後半まで買われる場面もありましたが、2.35ドル(約350円)台前半で終えています。

トレーディングをする男

米国金融市場の動向

米国金融市場は、やはりFOMCの開催を意識した動きの週となりました。週初、株式市場は前週上昇して終えた流れを受けて堅調に始まりましたが、17日に発表されたNY連銀製造業景気指数が大幅に下落したことや、FOMCへの警戒から18日は上値が重く下落しています。しかし、19日のFOMC後のパウエルFRB議長によるコメントから株式市場は反発し、NYダウ平均は383ドル上昇しました。ただ週末に向けては支援材料が乏しく、小幅のもみ合いとなって週を終えています。

株式市場と金価格の動向

株式指標3指数の週間の動きはNYダウ平均こそ497ドル上昇しましたが、S&P500が+28、NASDAQが+29と小幅の動きの週となりました。
株式市場や暗号資産市場が小動きとなる中、金価格が1トロイオンス3,000ドル台に定着しつつあるのが印象的です。

今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week

曜日日本時間経済イベント重要度
3 24 18:00 欧州 ユーロ圏PMI(購買担当者景気指数)(製造業、サービス業)3月 ★★★☆☆
3 24 22:45 米国 PMI(製造業、サービス業)3月 ★★★★★
3 25 22:00 米国 S&Pケースシラー住宅価格指数1月 ★★★☆☆
3 25 23:00 米国 新築住宅販売件数2月 ★★★★☆
3 25 23:00 米国 コンファレンスボード(CB)消費者信頼感指数3月 ★★★★☆
3 25 23:00 米国 リッチモンド連銀製造業指数3月 ★★★☆☆
3 26 21:30 米国 耐久財受注2月 ★★★★☆
3 27 21:30 米国 2024年第4四半期GDP ★★★★☆
3 27 21:30 米国 失業保険申請件数3/9-3/15 ★★★☆☆
3 28 21:00 米国 個人消費支出(PCE)価格指数2月 ★★★★☆
3 28 23:00 米国 ミシガン大学消費者信頼感指数3月 ★★★
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今週の注目経済指標と市場の注目点

先週のやや緩和的な流れを受けて、今週はインフレと個人消費に関連する経済指標の発表が相次ぎます。3月25日(火)にコンファレンスボード消費者信頼感指数3月、28日(金)にミシガン大学消費者信頼感指数3月と米国個人消費支出(PCE)価格指数が発表されます。また前後しますが、27日(木)に失業保険申請件数の発表もあります。

これらの発表で、消費者が今後の物価上昇に対してどのような感覚を持っているのか、そしてそれは個人消費にどのように影響していくのか、などが今週のポイントとなってきそうです。

不確実性の高まる中での市場の動き

関税政策の今後の行方や中東やウクライナなどの地政学的なリスクから米国内の経済情勢については不確実性が高まっており、金融市場を始めとして資産運用の対象となる各市場は動きづらい状況が続くと思われます。そうした中で金などの金属市場が注目を集めている状況です。

レンジでムーブするBTC相場

今週の暗号資産市場の見通し

今週の暗号資産市場は、依然として明確な材料に乏しい展開が予想されており、相場は全体的に小動き・もみ合いが続く可能性が高いと見られています。先週のFOMCでは政策金利の据え置きと年内2回の利下げ見通しが示され、発表直後は一時的にリスク選好ムードが強まりましたが、その後の相場は材料難により反発力が鈍化しました。この流れを引き継ぐ形で、今週の相場も様子見ムードが継続すると考えられます。

マクロ経済指標はあるものの影響は限定的か

3月25日には米国のコンファレンスボード消費者信頼感指数、28日にはPCE価格指数(米個人消費支出デフレーター)が発表予定となっています。これらは本来、インフレ動向やFRBの利下げ時期に影響を与える指標ですが、暗号資産市場においては株式市場や債券市場のように即座に反応することは少なく、影響は限定的と見られます。大きなトレンドを変えるほどのインパクトは期待しづらく、あくまで「注目材料が少ない週における参考程度」という位置づけとなるでしょう。

ビットコインを中心に狭いレンジでの値動きが続く

ビットコイン(BTC)は現在、80,000ドル前後での推移が続いており、上値では売り圧力が強く、下値では根強い買いも確認されているため、方向感の出にくいレンジ相場が続いています。ETHやXRPといった主要アルトコインも同様に、特段の新材料がない中で、ビットコインの値動きに連動しやすい地合いとなっています。

辛抱強いスタンスが求められる局面

地政学的リスクや金融政策に対する市場の不透明感が依然として残る中、暗号資産市場にとっては「様子見」が支配的なムードです。投資家の皆さまにおかれましては、過度な期待を持ってポジションを膨らませるよりも、今は辛抱強く市場の動きを見守ることが重要な局面と言えるでしょう。ボラティリティが低下している時期こそ、次の大きなトレンドに備えて冷静に戦略を練る時間として活用するのが賢明です。

btcのイメージイラスト

BTC積立企画

2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。

これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status

[期間:2023.06.05 〜 2025.03.31]

ポートフォリオの現在の資産価値
 円

含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
 円

利益率
%

積み立て回数
16 回

合計積立金額
1,600,000 円

ポートフォリオの構成

    ポートフォリオ

    銘柄 シンボル 対円レート 保有数量 日本円換算 構成比
    ビットコイン BTC [BTC/JPY] 0.1523 BTC %
    イーサリアム ETH [ETH/JPY] 1.8884 ETH %
    ダイ DAI [DAI/JPY] 80 DAI %
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