ビットコイン×トランプ政権:その時マーケットはこう動いた!|ビットコイン予測 今週のポイント2025.4/14-20
2025.04.14
先週の暗号資産市場の動向
先週の暗号資産市場は、米国金融市場とともにトランプ大統領による関税政策により非常に動きの激しい乱高下を繰り返した週となりました。
BTCの価格推移と金融市場の影響
週初4月7日(月)、BTCは82,500ドル(約1,210万円)近辺から始まりましたが、相互関税発動による米国経済への景気後退リスクが高まったことで、一時NYダウ平均が1,700ドル下落する場面もあり、BTCも74,500ドル(約1,080万円)近辺まで下落しました。その後反発に転じ、78,500ドル(約1,160万円)近辺まで戻しています。
翌日4月8日(火)は、朝方にベッセント財務長官からのコメントで関税への警戒感が薄れ、80,800ドル(約1,190万円)近辺へ一時反発する場面もありましたが、伸びきらず行ってこいの状況となりました。
4月9日(水)にはトランプ大統領から相互関税の上乗せ部分について90日間の一時停止措置が発表され、金融市場は大きく反応し、NYダウ平均は2,962ドル高となり、BTCも一時83,600ドル(約1,230万円)近辺まで上昇しました。
しかし翌4月10日(木)になると、再び米中間の関税戦争による米国経済への懸念が高まり、NYダウ平均は1,014ドル安となりました。BTCも77,100ドル(約1,120万円)近辺まで下落しています。
週末の動きと他通貨の状況
週末4月11日(金)は米銀大手の決算発表が好調で、合わせてボストン連銀のコリンズ総裁が「金融当局は金融市場の機能を維持する準備がある」と表明したことで、市場に安心感が広がり、NYダウ平均は619ドル高となりました。BTCも82,500ドル(約1,190万円)近辺へ上昇して週を終えています。
ETHやXRPも同じような動き方ではありましたが、BTCほどの大きな変動はなく、ETHが1,575ドル(約22.5万円)近辺、XRPが2ドル(約290円)近辺で週を終えました。

経済指標とインフレリスクの高まり
FOMC議事録の公表とその示唆
先週は9日に前回のFOMCに関して議事録が公表され、「参加者は経済見通しを巡る不確実性が高まったとの見解を示し、ほぼ全員がインフレリスクは上振れ、雇用リスクは下振れに傾いているとの見方を示した」ほか、一部の参加者が「インフレが一段と持続的であることが判明し、成長と雇用の見通しが弱まった場合、FOMCは困難なトレードオフに直面する可能性がある」と指摘しました。
消費者物価指数と信頼感指数の結果
また10日には消費者物価指数(CPI)も発表され、前年比+2.4%と、市場予想の+2.6%や前月の+2.8%を下回り、前月比でも市場予想の+0.1%を下回る-0.1%となりましたが、金融市場の反応は鈍いままでした。
11日に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数が50.8と、2022年6月以来の低水準に落ち込んだことや、1年先の期待インフレ率が6.7%と前月の5.0%から大きく上昇し1981年以来の高水準となったことで、やはり関税による今後の景気後退とインフレへの懸念の高まりが強く認識される結果となっています。
今週の経済イベントカレンダー
Calendar of Economic Events This Week
月 | 日 | 曜日 | 日本時間 | 国 | 経済イベント | 重要度 |
---|---|---|---|---|---|---|
4 | 14 | 月 | 12:00 | 中国 | 貿易収支3月 | ★★★☆☆ |
4 | 15 | 火 | 21:30 | 米国 | NY連銀製造業景気指数4月 | ★★★☆☆ |
4 | 16 | 水 | 10:30 | 中国 | 新築住宅販売価格3月 | ★★★☆☆ |
4 | 16 | 水 | 11:00 | 中国 | 鉱工業生産、小売売上高3月 | ★★★☆☆ |
4 | 16 | 水 | 11:00 | 中国 | 2025年第1四半期実質GDP | ★★★★☆ |
4 | 16 | 水 | 18:00 | 欧州 | ユーロ圏消費者物価指数(CPI)3月 | ★★☆☆☆ |
4 | 16 | 水 | 21:30 | 米国 | 小売売上高 | ★★★★★ |
4 | 16 | 水 | 22:15 | 米国 | 鉱工業生産、設備稼働率3月 | ★★★★☆ |
4 | 17 | 木 | 21:15 | 欧州 | ECB政策金利決定会合 | ★★★★★ |
4 | 17 | 木 | 21:30 | 米国 | フィラデルフィア連銀景況指数4月 | ★★★★☆ |
4 | 17 | 木 | 21:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数4/6-4/12 | ★★★☆☆ |
4 | 17 | 木 | 21:30 | 米国 | 住宅着工件数3月 | ★★★☆☆ |
4 | 18 | 金 | 08:30 | 日本 | 全国消費者物価指数3月 | ★★★☆☆ |
関税政策が生む市場の不透明感
トランプ大統領の関税政策が与える影響
先週は相互関税をめぐる動きに翻弄された週となりましたが、AXSインベストメントのグレッグ・バスクCEOは「ボラティリティは一段と高まると予想され、今週のジェットコースターのような相場展開は幕開けに過ぎない可能性がある」と述べています。実際、トランプ大統領による関税政策に関するアナウンスは二転三転する状況が続いており、今後もこのような展開は続くと考えられます。
金融市場の関係者だけでなく、各企業の経営者は今後の経営計画について落ち着いて検討することができずにいます。今後の展開については全く予断を許さない状況と思われます。
今週の市場展望と注目ポイント
さて、そのような中での今週の動きについては、経済指標の発表で大きく注目されるものがなく、関税に関する話題が中心に続くと思われます。当面は大きな材料は考えにくく、NY株式市場では決算発表が続いており、今週もバンク・オブ・アメリカやCitiグループといった金融大手、ジョンソン&ジョンソンなどの発表がありますので、こうした企業の状況を見ながらのもみ合い展開が株式市場ではしばらく続くのではないでしょうか?そのため、S&P500で5,200~5,400程度を想定しています。

暗号資産市場の見通しと注目点
インフレ指標と金融緩和の影響
暗号資産は引き続き米国金融市場の状況を見ながらの展開が続くと思われます。ただ先週発表された米国消費者物価指数が-0.1%と下落したように、インフレ指標に変化が見られており、暗号資産にとって金融緩和は強いカンフル剤となるだけに、これらの今後が注目されます。
ビットコインの存在感と資金の移動
また資産運用大手のVanEckのマシュー・シーゲル氏が「米ドルと米国主導の金融システムの使用を回避したい国にとって、ビットコインは有用だ」と、ビットコインがその存在感を高めているとコメントしています。先週は米国国債の下落が金融市場では注目され、米国金融市場からの資金逃避あるいは撤退といった動きが観測されています。
すでに金市場への資金移動が大きく起こっていると考えられ、シーゲル氏の発言は注目される内容と思われます。
投資家の皆さまには、これから先の中長期の視点を持って市場の動きに注目をしていただきたいと思います。
BTC積立企画
2023年6月から月毎に10万円分の暗号資産を実際に積み立てていき、そのポートフォリオを公開する企画です。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、日本の取引所でも取り扱われており、米ドルとペッグ(連動)するステーブルコインであるダイ(DAI)を対象としています。
これまでの暗号資産積み立ての状況
Accumulation Status
[期間:2023.06.05 〜 2025.04.19]
ポートフォリオの現在の資産価値
円
含み益(現在の資産価値 - 合計積立金額)
円
利益率
%
積み立て回数
16 回
合計積立金額
1,600,000 円
ポートフォリオの構成
ポートフォリオ
銘柄 | シンボル | 対円レート | 保有数量 | 日本円換算 | 構成比 |
---|---|---|---|---|---|
ビットコイン | BTC | [BTC/JPY]円 | 0.1523 BTC | 円 | % |
イーサリアム | ETH | [ETH/JPY]円 | 1.8884 ETH | 円 | % |
ダイ | DAI | [DAI/JPY]円 | 80 DAI | 円 | % |