近年、仮想通貨(暗号資産)は20代の若い世代にも普及しつつあります。老後や将来の不安が大きい時代背景から「資産形成」として投資を始める人が増えているのです。

しかし、基礎知識がないまま投資を始めると財産を失うリスクがあります。また若者をターゲットにした詐欺行為も横行しているため注意が必要です。

本記事では、実際に仮想通貨(暗号資産)を扱う20代はどれくらいいるのか?や扱う上での注意点を解説します。仮想通貨(暗号資産)に興味のある20代の方はぜひ参考にしてください。

仮想通貨トレードをする若者

仮想通貨(暗号資産)を保有する20代若者の割合

マーケティング機関のMMD研究所が20歳〜69歳の男女30,000人を対象に行った調査結果によると、20代で仮想通貨(暗号資産)取引所サービスの「利用経験がある」と回答したのは男性21.4%、女性11.8%となりました(2023年11月実施)。

20代の仮想通貨保有率に関する資料

参照:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2297.html

男女ともに20代が最も高い数値となっており、若い世代でも仮想通貨(暗号資産)投資は珍しくない事象であることがうかがえます。

では、仮想通貨(暗号資産)の何が若者を惹きつけるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

20代の若者が仮想通貨(暗号資産)投資を始める3つの理由

カフェでトレードする人

20代の若者が仮想通貨(暗号資産)に興味を持つきっかけは、主に以下の3つがあげられます。

  • 少額投資でも大儲けを期待できる
  • 将来のために資産形成をしておきたい
  • SNSで成功者を見る機会が増えた

順番に見ていきましょう。

少額投資でも大儲けを期待できる

最も大きな理由は、少額投資でも大儲けを狙える点でしょう。仮想通貨(暗号資産)は「数百円から購入可能・価格の変動幅が大きい」という特徴があります。

直近のビットコインを例にあげると、2024年9月には750万円ほどだった価格が、同年11月には1,400万円を超える変動を見せました。

ビットコインのチャート図

出典:TradingView

大きな利益を得やすい投資には不動産や株式もあります。しかし、両者は数万〜数十万円とまとまった資金が必要です。そのため、低リスクで始められる仮想通貨(暗号資産)に注目が集まっているのでしょう。

将来のために資産形成をしておきたい

将来に向けた資産形成というのも、若者が仮想通貨(暗号資産)投資を始めるきっかけになっています。

今の日本は終身雇用制度が崩れつつあり、若者は「定年まで勤めて退職金で老後を過ごす」といった将来像をイメージしにくくなりました。また、少子高齢化の影響から年金に対する信頼度も大きく下がっています。こうした将来の不安から「投資で資産を増やす重要性」を感じる若者が増えているのです。

長引く低金利の影響もあるでしょう。現在メガバンクの定期預金金利は0.02%ほどですが、仮想通貨(暗号資産)の金利は5%前後となっています。「日本円を持っているよりも堅実」と支持が集まっているのも利用者が増えている要因でしょう。

SNSで成功者を見る機会が増えた

SNSの普及も理由のひとつです。株式会社レビューが運営する「仮想通貨マガジン」の調査アンケートによると、「仮想通貨(暗号資産)を知った最初のきっかけ」として多くの人がSNSをあげていました。

参照:https://best-review.co.jp/cryptocurrency/report-8/

また近年、SNSを中心に話題を呼んでいる「FIRE」への憧れも投資意欲を加速させた要因でしょう。FIREとは「経済的自立と早期退職」を意味する言葉です。20代は将来への不安が強いため「投資で億り人になってFIREしたい」という願望もあるのかもしれません。

落ち込むトレーダー

仮想通貨(暗号資産)について知っておくべき4つのリスク

仮想通貨(暗号資産)は20代からの人気も集めていますが、始める前に以下の4つのリスクを頭に入れておきましょう。

  • 常に価格暴落のリスクがある
  • ハッキングによって資産を失うリスクがある
  • 税金を支払えなくなるリスクがある
  • 詐欺に巻き込まれるリスクがある

順番に解説します。

常に価格暴落のリスクがある

仮想通貨(暗号資産)は価格変動が激しいのが特徴です。少額投資でも大きな利益を得られるのは魅力ですが、裏を返せば「大きな損失を被る可能性」もあります。

特に手元に資金がなくても大きな取引ができる「レバレッジ取引」には注意が必要です。ジェットコースターのように乱高下するチャートから、ギャンブルに走るユーザーも多いため「最悪なくなってもいい」と思える余剰資金で投資を楽しむことが大切です。

ハッキングによって資産を失うリスクがある

仮想通貨(暗号資産)は、取引所がハッキングされて資産を失うリスクもあります。実際、過去には「マウントゴックス事件」「コインチェック事件」「Zaif事件」など、多額の資産が流出した事件がありました。

仮想通貨(暗号資産)は投資者を保護する第三者機関がないため、不正やハッキングによって資産を失っても補償がされません。そのため、仮想通貨(暗号資産)は余剰資金で運用するだけでなく「セキュリティーに力を入れている取引所の選択」や「二段階認証の設定」など、自らで対策を施す必要があります。

税金を支払えなくなるリスクがある

仮想通貨(暗号資産)の利益は「雑所得」に分類されるため課税対象となります。特に雑所得には累進課税制度が適用され、最大税率45%を翌年に支払わなければなりません。

大きな利益を得た後にその金額をすべて使い込んでしまうと、翌年に税金が支払えず、延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生するので注意してください。仮想通貨(暗号資産)にかかる税金は以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:https://bitlending.jp/crypto-media/cryptocurrency-tax/

詐欺に巻き込まれるリスクがある

20代が仮想通貨(暗号資産)に興味を持ち始めている昨今、その心情につけ込んだ詐欺が横行しています。

特に今は、SNSやマッチングアプリの普及で知らない人とも気軽に交流できるようになりました。そこで儲け話を持ちかけてお金を騙し取るポンジスキームや、投資に関する高額な情報商材の販売など、20代は詐欺のターゲットになりやすいので注意が必要です。実際、消費生活センターへは毎年3,000件ほどの相談が集まっています。

参照:https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202205_02.pdf

では、どのように詐欺やリスクを回避すればいいのでしょうか。詳しく解説します。

仮想通貨(暗号資産)を持つ笑顔の人

仮想通貨(暗号資産)のリスク・トラブルを避ける4つのポイント

仮想通貨(暗号資産)を始める際は、以下の4つのポイントが大切になります。

  • 仮想通貨(暗号資産)の基礎知識を事前に学んでおく
  • 取引所が金融庁に正式登録されているか確認する
  • 儲け話を聞いても安易に契約・投資・借金をしない
  • 短期間で利益を上げようとせず、長期視点で運用する

仮想通貨(暗号資産)の基礎知識を事前に学んでおく

仮想通貨(暗号資産)を購入する際は、事前に基礎知識を学んでからにしましょう。知識のないまま購入すると「なぜ価格変動が起きたのか」がわからないため、いわゆるギャンブル思考になってしまうのです。

また、知識がないとSNSやインターネットの「絶対に儲かる」「今買わなきゃ損」といった情報に惑わされやすくなります。基礎知識があれば詐欺被害に遭うリスクも減らせるため、まずは情報収集から始めるのがおすすめです。

取引所が金融庁に正式登録されているか確認する

もし仮想通貨(暗号資産)の投資話を持ちかけられた場合は、取引所が金融庁に正式登録されているか確認してみてください。暗号資産交換業者は金融庁への登録が義務付けられています。しかし、海外の取引所は正式登録されていないものもあり、投資する上で一定のリスクをともないます。

取引所が正式登録されているかは、金融庁の公式サイトから確認できますのでチェックしてみてください。

金融庁公式サイト:https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf

儲け話を聞いても安易に契約・投資・借金をしない

詐欺を行う人は言葉巧みに投資を誘ってきますし、相手が知人の場合は無条件に信用したくなるかもしれません。

そこで大事なマインドが「その場で判断しない」ということです。仕組みやリスクを知らないまま投資をすると失敗や騙される可能性が高いため、自分で納得できるまで調べてから判断するようにしてください。詐欺である場合は、インターネット上に口コミが記載されていることもあります。

短期間で利益を上げようとせず、長期視点で運用する

仮想通貨(暗号資産)は価格が上昇していると一気に買い増したくなるかもしれません。しかし、直後に暴落するリスクがあることを忘れてはいけません。そのため、初心者は少額からコツコツ始めるのがおすすめです。

「少額投資では儲からない」と思うかもしれませんが、以下のビットコインチャートをご覧ください。

ビットコインのチャート図

参照:TradingView

上記のように、仮想通貨(暗号資産)は乱高下を繰り返しながらも、徐々に価格上昇する傾向にありますので、初心者は長期視点で運用するといいでしょう。

仮想通貨(暗号資産)を持つ人の手

まとめ

本記事では、仮想通貨(暗号資産)が20代に普及し出している理由や扱う上での注意点を解説しました。今の若者は将来への不安から投資意欲が加速しています。その中で少額で始められる仮想通貨(暗号資産)に注目が集まっており、今後もその数が増えると予想できます。

同時に仮想通貨(暗号資産)の投資におけるメリットだけでなく、デメリットを知っておくことも重要です。仮想通貨(暗号資産)を扱う際は、常に最新の情報にアンテナを張っておくことが重要といえるでしょう。

本サイトでは仮想通貨(暗号資産)に関するさまざまな情報を発信していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。