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ナガトモヒロキ コラム|クリプト最前線 Crypto Frontiers

ナガトモヒロキ|クリプト最前線  
――Crypto Frontiers

30カ国以上の海外渡航で出会った海外富裕層との交流を深め、独自のネットワークを生かして世界を旅しながらリアルな視点でクリプトの今をリポートする。趣味は写真。トライアスリートとしても世界各国のIRONMAN RACEにチャレンジしている。

地方Web3 宮崎取材編

地方Web3 宮崎取材編

日曜日から宮崎県へ来ている。

せっかくの連休なので繁華街のニシタチへ向かった。久々の宮崎だが、飲み屋街にもだいぶ人が戻って来たように思う。焼酎霧島のネオンが渋い。

まずは「丸万焼鳥」で、もも焼き(鶏の炭火焼き)とタタキに霧島のソーダ割りで合わせる。控えめに言って最高の瞬間だ。骨付きの鶏が出てくるこのお店は、東京では間違いなく味わえない。

因みに焼鳥とあるが、ここには串の焼き鳥はない。

というか、この店はメニューすらない(観光客向けの本店にはある)。

何回も通っているが正直単品の値段もよく分からない。出された会計で払うが、2人で行っても毎回3,000円程なので、コスパの良さに単価なんか気にもならないのが常連の心理だろう。

宮崎はこの類のお店が多い。まずはここで勢いづけて二件目のお店へ向かうのが我々のニシタチの歩き方と理解している。

我々? そう。実は宮崎県は私の故郷である。

郷に行っては郷に従え精神で今回同席している月刊暗号資産の編集長には黒兵衛の餃子やシメの「戸隠」の釜揚げうどんまでしっかり付き合わせてしまった。

翌日は宮崎県民のソウルフード、「おぐら」のチキン南蛮を食べたあとに往復6時間かけて熊本県の黒川温泉を経由し、熊本県菊池市のレジェンド焼き肉店「もっこす」へ極上の馬刺しを求めて車を走らせた。流石に往復6時間は大変だが、それだけ美味いという事だ。

食にストイック過ぎる私の我儘に付き合ってくれた編集長には感謝である。


さて、本題に入ろう。

今回宮崎へ来た目的は都城市の池田市長との対談だ。

都城市はマイナンバーカードの普及率が全国一位であったり、ふるさと納税が日本一などで有名である。さらに現在、自治体と民間企業が協力して多数の全国初のデジタル関連プロジェクトなども行っている。

同市の池田市長はデジタル庁の有識者会議であるデジタル社会構想会議の自治体代表メンバーでもあり、デジタル化という面では国と地方の両方の知見を持っている方でもある。

Regionalrevitalization

今回の対談のテーマは「行政側から見たweb3の可能性」について。

web3といってもその概念はとても広い。行政と民間企業とではこれまた視点が異なる。

新しいプロジェクトは何かと技術の素晴らしさを取り上げがちだが、最も大切なのはその技術の革新(イノベーション)が誰にどのようなメリットをもたらすのかという事だ。

行政の場合はその相手が市民になるので、公共分野から農業、交通、防災などの準公共と呼ばれる分野まで守備範囲が広くさらに難易度が上がる。最先端の話を市長に直接聞けるのはとても貴重な機会だ。

今回取材を行うにあたり、都城市デジタル統括課の佐藤さんが窓口になってくれたのだが、公務員のイメージが完全に吹き飛んだ出会いでもあった。どちらかというとベンチャー企業のような印象を受けた。実は佐藤さんはつい最近、東京でもお会いしている。

9月末に開催された日経テレ東大学の大規模ビジネスイベント、「みんなのお仕事文化祭2022秋」にも登壇されていた。

日経テレ東大学と言えばYouTube登録者が81万人も居るビジネスマン向けの人気チャンネルである。そんなメガチャンネルにお呼ばれするという事からも、佐藤さんは行政のデジタル化のユースケースに最も精通した方と言っても過言ではない。

ちなみに偶然判明したのだが、佐藤さんは熊本県菊池市出身で私が愛してやまない馬刺し焼肉「もっこす」はまさに地元で、よく知っており嬉しそうだった。

対談記事は月刊暗号資産11月21日発売号に掲載されるので楽しみにしていて欲しい。

今回、企業の社長さんとも意見交換をする場があったが、web3分野でのビジネスチャンスを模索しており、やはりまだまだユースケースが足りないとも感じた。ただ、難しいのは海外のユースケースが日本で活用できるとも限らないという事だ。

例えば不動産の場合、海外では土地の所有権をNFTで証明する事例もあるが、日本には登記というルールがあり、その証明にNFTなど必要ない。

他にも、自社の顧客を囲い込む為のコミュニケーションツールとしてNFTの活用事例もあるが、中小企業にとってはポイントカードの方がむしろ良かったりする。つまり事業の規模や性質で活用方法も変わるということだ。

web3に関しては何か一つのプロジェクトが突出していてもエコシステム単位での共存や成長が出来ないと一過性で終わってしまうと私は思う。

だからこそ中小企業のDX化が進んでいない地方の戦略としては、情報を持っている側がどのように発信し巻き込んでいくかという動きが重要になってくるだろう。

国内外を飛び回っている中で私が感じるのは、情報の鮮度とは別に、深度もあるということだ。

仕事柄、日々様々な記事に目を通すが、もちろんこれは出来事の表面に過ぎない。ユースケースを追う中で深い考察をするには理解の深度も必要になってくる。

突き詰めれば共通の悩みがあったり核心が見えてくるものだとは思うが、これはリアルなコミュニケーションを交わさないと難しい。その意味では私ももっと足を運んで積極的に交流し知見を広げていかねばならない。