長友宏樹のクリプト最前線
急速に注目を集める新たなトレンド「Web3」。次世代型インターネットであるWeb3の仕組みを活用して「メタバース」、「NFT」や「DAO」といった、新しいムーブメントが次々と登場しています。Web3によってもたらされる人類のネクストライフスタイルとは?その最前線を追います。

アーカイブ

レンディングの未来はどうなる!!

米国レンディング最大手Nexoに サービス停止命令!?

コロナの影響で鎖国状態だったシンガポール。入国の条件が緩和されたとはいえ、先日までヨーロッパを周遊してきた私としては他国の入国条件と比較してとても厳しい印象があり、チェックインカウンターではドキドキしながら並んでいた。

しかし、その不安をよそにスムーズに入国。約4年ぶりのシンガポール。チャンギ空港に併設している巨大複合施設の「ジュエル」は当時なかった。施設内には高さ40m、世界最大の屋内の滝「レインボルテックス(雨の渦)」がフォトスポットになっているが、その迫力には入国早々非常に感動した。

今回、私がシンガポールを訪れた目的は9月28日、29 日に開催される「TOKEN2049」というアジア最大のデジタルアセットイベントにある。世界中からクリプト関係者が集まるということで、成田からの同じ便にもクリプト関係者とおぼしき方の姿が多かったように思う。

ホテル代が通常の3倍くらいに高騰していたので「円安の影響がここまできたか」と落ち込みながらエクスペディアで予約したが、30日からF1のシンガポールグランプリも開催されるということで納得だ。

TOKEN2049のイベントのレポートは後日、ZOOMなどで限定配信を企画しようと思う。

ビットレンディングユーザーの皆様は是非私のLINE@をチェックしておいて欲しい。

【ビットレンディング長友LINE@】

https://lin.ee/KnW6Rqz

さて、シンガポールの名物グルメといえばハイナン(海南)チキンライス、バクテー、ラクサ、チリクラブ、カヤトーストなど美味しいものが沢山ある。

私が海外に滞在する際に譲れないのがグルメだ。久々のシンガポールなので事前にチェックしていたレストランで大好きなハイナンチキンライスを食べている最中、とあるニュースが目に入った。

「米国レンディング最大手Nexoが提供しているレンディングの有利子口座が有価証券に該当するとのことでカリフォルニア州やニューヨーク州など8つの州から執行措置が行われた」というものだ。

勘の良い方は「またか…」という感じではあるが、今回はこのニュースについて私の所感を書きたいと思う。

まず暗号資産が有価証券であるか否かの論争は今に始まった問題ではない。

米証券取引委員会(SEC)という日本で言う金融庁のような規制機関があるのだが、ここがうるさい。のび太くんとジャイアンの関係のようにイチャモンをつけては金を巻き上げ、規制の枠組みに入れようとする。つまりSECにとっては暗号資産を有価証券としたいのだ。

この暗号資産が有価証券に該当するか問題を判断する際の指標として「Howey test(ハウイーテスト)」というものがある。1933年の米証券法に基づく投資契約に該当するか否かを確認する方法の一つで、商品の特性を以下4つの軸に分け、全てに当てはまった商品が有価証券としてみなされるというものだ。

① 資金投資の有無
② 共同出資、事業の有無
③ 収益性の有無
④ 勧誘、第三者の活躍の有無

ここでよく議論になるのは③収益性の有無と④勧誘、第三者の活躍の有無。

レンディングは自身が保有する暗号資産を貸し出し、貸借料を得るスキームだ。これに対し、SECのTOPであるゲーリー・ゲンスラー委員長の主張は、リターンを期待してレンディングを行う行為自体が投資信託や金融商品に類似するとのことで、Howey testの全てを満たし有価証券に該当するというものだ。アメリカの大手暗号資産取引所Coinbaseがレンディング事業への参入を断念した理由もここにある。

また、レンディングに限らず、DeFiのステーキングやLPトークンなどにも適応されると語っていることからお察しいただけると思うが、そうなると暗号資産のエコシステム全般に影響する話となり、きりがなくなる。(因みにビットコインは有価証券には該当しないと発言している)

「銀行だってお金を預けて利子を得ているから同じじゃないか!」という声もありそうだが、銀行には銀行法があり、取引所は銀行でもなく、暗号資産は銀行法に抵触するものではないことから別の話となる。

SEC関連の訴訟ではリップルも有名だが、これに関してはもうかれこれ2年近く裁判を続けている。

無登録で証券に該当するものを販売したと主張するSECと、投資契約に該当しないことから証券ではないと主張するリップル社。

平行線が続いているが、裁判を続ける費用だけでも1億ドルを要するというのだからリップル社も骨が折れるだろう。逆を言えばそれだけ支払ってでもメリットがあるということだ。リップル社のCEOは仮に敗訴したとしてもグローバルな事業基盤がある為、問題ないとも語っている。

規制当局の監督下になれば投資家保護の観点でメリットはあるのだろうが、反面クリプトの長所が大きく消される部分もある。行き過ぎた規制はイノベーションを阻害するので経済大国アメリカにとってもマイナスになることは間違いない。

この規制とのバランスを保つためにも後出しジャンケンで取り締まるのではなく、事前に規制の枠組みを明確化する必要が急務になってくる。

今回のNexoのニュースに関してもBlockFiのように何かしらの和解案の策定が想定される。

BlockFiの前例を踏まえると海外ユーザーには影響がない可能性もある。

ビットレンディングのユーザーの中にもNexoを利用されている方もいるかと思うが、私個人的にも今後の動向を注視したい。

このニュースについて最後に一言。

大事なのはSECの意見と金融庁の意見がイコールではないと言うことだ。

先ほどのリップルの事例を挙げると、金融庁はリップルに対して証券ではないと明示している。だがこれも「現状は」という条件付きだ。

いつ状況が変化しても問題がないように、我々事業者も規制と共に共存して行く覚悟で、想定できる部分は万全に備えて行きたい。

1988年、宮崎県生まれ。横浜市立大学在学中の2011年に起業。大手通信キャリアを主なクライアントとして人材派遣会社を設立し事業を展開。30カ国以上の海外渡航で出会った海外富裕層との交流が暗号資産に触れるきっかけとなる。現在はWeb3時代の資産形成プラットフォーム「BitLending」に従事。月刊暗号資産「Crypto Journey」で自身の連載を持ち、クリプトエバンジェリストとして暗号資産の啓蒙活動も行なっている。

長友 宏樹
Hiroki Nagatomo
株式会社J-CAM
ウェルスマネジメント事業部 部長

1988年、宮崎県生まれ。横浜市立大学在学中の2011年に起業。大手通信キャリアを主なクライアントとして人材派遣会社を設立し事業を展開。30カ国以上の海外渡航で出会った海外富裕層との交流が暗号資産に触れるきっかけとなる。現在はWeb3時代の資産形成プラットフォーム「BitLending」に従事。月刊暗号資産「Crypto Journey」で自身の連載を持ち、クリプトエバンジェリストとして暗号資産の啓蒙活動も行なっている。

長友 宏樹
Hiroki Nagatomo
株式会社J-CAM
ウェルスマネジメント事業部 部長