長友宏樹のクリプト最前線
急速に注目を集める新たなトレンド「Web3」。次世代型インターネットであるWeb3の仕組みを活用して「メタバース」、「NFT」や「DAO」といった、新しいムーブメントが次々と登場しています。Web3によってもたらされる人類のネクストライフスタイルとは?その最前線を追います。

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日本のデジタル化の現状

今週はCPIやイーサリアムの大型アップデート「マージ」で暗号資産界隈は慌ただしくなりそうである。

CPIがどうだとかパウエルさんがどうだとか、暴落だの急騰だのコロコロ意見が変わるSNSインフルエンサー界隈の考えに皆さんも一喜一憂するのではなかろうか。

今回はそう言った暗号資産のプライスの話から離れて、ブロックチェーンやデジタル化の身近な未来の話をしようと思う。

IMD(International Institute for Managemet Development)というスイスのビジネススクールがあるのだが、国際競争力ランキングを毎年発表している。

2021年度は1位スイス、2位スウェーデン、3位デンマーク、4位オランダ、5位シンガポール。

日本はというと……31位という結果である。

失われた20年という言葉があるが、この結果が現在の日本の国際的な立ち位置をわかりやすく示している。

この失われた20年を取り戻すべく、国としてもデジタルに力を入れないと行けないという理由から、2020年9月に発足した菅政権時に急ピッチでデジタル庁なるものが開設された。

岸田政権でも「デジタル田園都市国家構想」という、デジタル技術を活用することで都会と地方のいいとこ取りを実現する取り組みが掲げられているが、いまいち一般市民にはその未来がイメージしづらいようにも思う。

ネーミングのセンスはもうちょっと無かったのかとも思うが、要するに「デジタル人材を確保し育成し、企業や行政のデジタルインフラを整備し、それを支えるデータセンターなどのデジタル基盤を整備し、医療や農業、防災、交通、教育などの公でも民でもない準公共と呼ばれる分野の整備を行いながら、市民が取り残されない社会を作ろう」という取り組みだ。

やはりデジタル化することで時間やお金など様々なコストを削減できるのである。

例えばキャッシュレスの話をすると、今でこそPayPayなど東京では普及しているが、国単位で見ると日本は諸外国に比べ圧倒的に遅れている。

中国からの観光客が日本へ旅行に来る際には成田空港でまず財布を買わねばならないと揶揄されるくらいだ。

現金流通を維持するのにかかるコストは年間で8兆円とも言われている。それだけ、ATMや銀行窓口や現金輸送車など見えないコストがかかっている。

このように、目に見えて削減できる部分が、行政サービスや準公共分野でも大いにあるのだ。

ただ、デジタル化を進める上で最も深刻な問題のひとつとして人材の不足だろう。

エンジニアの事だ。

日本は圧倒的にデジタル人材が足りない。一説によると、コンピュータサイエンス分野で卒業する人数は年間6万人程度と言われているが、インドでは年間170万人程とされている。

あのGoogleの社長のサンダー・ピチャイ氏やMicrosoftの社長のサティア・ナデラ氏などがインド出身である事を見ればインドの奥深さを感じざるを得ない。

GAFAがweb2.0を独占していたことを踏まえると、web3では日本が覇権を取ることを国として渇望しているだろうが、果たしてその種蒔きは今から出来るのだろうか。

エンジニアと言ってもその経験値や能力は天と地ほどの差があり、中小企業の仕事から国家プロジェクト規模に携わっている人まで多岐にわたる。

せっかくエンジニアとして就職しても大事な20代をwebデザインだけで終わってはとても勿体ない。

サンダー・ピチャイ氏は現在50歳。サティア・ナデラ氏は55歳という年齢を考えると、野球でいうメジャーリーグの大谷選手ほどの経験値を持ったエンジニア界の若手スーパースター達が続々と後ろを控えている事は容易に想像できる。

そんな中でデジタル人材をどう補い、育成していくのか。国として20年スパンで腰を据えて取り組まないと行けないのは明確である。

対処療法としては海外から優秀な人材を引き入れるしかないが、優秀なスーパースターエンジニアが1人いれば解決する話ではない。

個人の能力に頼るのではなく、組織全体としてうまく機能するケイパビリティ(能力、強み)が必要不可欠なのだ。

この部分を国が民間と一体となってどうアレンジメントするのかが第一歩なのは間違いない。

日本でDXという言葉はだいぶ浸透してきたが、欧米諸国はさらにGX(グリーントランスフォーメーション)というSDG’sに即したエコな概念も標準化されている。

この話を深堀りすると明日になるのでこの辺りで締めるが、デジタル化を進めるには、ややこしい手続きを省いたコストパフォーマンスのよい市民サービスを実現する「行政改革」と、保育所の民間参入やセルフ式ガソリンスタンドなど、市場の規制を緩和、撤廃する事で経済の活性化を目論む「規制改革」を両軸で進めて行かねばならないのである。

暗号資産分野では法人の期末課税の見直しが開始されるように、今後経済の発展が規制で阻止される現状が様々な分野で打破されていくだろう。

昨今の保育園での悲しいニュースもデジタル化のイノベーションで根本から解決出来ると私は考えている。 デジタル化により時間とお金のコストが削減出来た分、従事する方々の所得に上乗せされる事ももちろんだが、これからの日本を牽引する肝となるスタートアップ企業も東証のSPAC上場解禁などで海外からの投資マネーを広く受け入れられ、これまでの東証のシステムでは実現出来なかった宇宙、バイオ、エネルギーなどの膨大な資金が必要になるディープテック分野のイノベーションもこの国から誕生する未来も近いのではないかと思う。

横浜市立大学在学中の2011年に起業。営業専門の人材派遣会社を設立し大手通信キャリアを主なクライアントに事業を展開。自身がトップセールスになった独自のノウハウを武器に企業の営業研修なども行う。 2018年事業譲渡後、海外25カ国を訪問。ヨーロッパの富裕層との交流が金融に携わるきっかけとなる。帰国後、国内ベンチャー企業にて金融コンサルティング業務を行い、中小企業の経営者からスポーツ選手、金融資産5億以上の超富裕層と呼ばれるお客様を担当する。 2022年ウェルスマネジメント事業部新設にあたり株式会社J-CAMに参画、同事業部部長に就任。

長友 宏樹
Hiroki Nagatomo
株式会社J-CAM
ウェルスマネジメント事業部 部長

横浜市立大学在学中の2011年に起業。営業専門の人材派遣会社を設立し大手通信キャリアを主なクライアントに事業を展開。自身がトップセールスになった独自のノウハウを武器に企業の営業研修なども行う。 2018年事業譲渡後、海外25カ国を訪問。ヨーロッパの富裕層との交流が金融に携わるきっかけとなる。帰国後、国内ベンチャー企業にて金融コンサルティング業務を行い、中小企業の経営者からスポーツ選手、金融資産5億以上の超富裕層と呼ばれるお客様を担当する。 2022年ウェルスマネジメント事業部新設にあたり株式会社J-CAMに参画、同事業部部長に就任。

長友 宏樹
Hiroki Nagatomo
株式会社J-CAM
ウェルスマネジメント事業部 部長