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倉本の国際経済の見どころ|国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説

倉本の国際経済の見どころ   

株式会社J-CAM金融コンサルタントの倉本佳光が40年以上金融業に従事してきた経験を元に国際経済の重要な出来事や抑えておくべきポイントを取り上げてわかりやすく解説するコラムです。刻々と変化する相場のモメンタムをキャッチアップしていきます。

生前贈与

生前贈与

2023年度税制改正により相続税・贈与税が抜本的な見直しとなり、生前贈与の在り方が大きく変わります。

 大きく変更されたのは暦年課税で相続時の加算期間が3年間から7年間に延長されました。毎年110万円までは基礎控除で贈与税がかからない暦年課税ですが、親が亡くなり相続が発生すると、以前に贈与した金額が相続財産に加算されて相続税が課される「持ち戻し」というルールがあります。これが現状では3年前から加算ですが、改正により7年前からの加算となります。緩和措置として延長する4年間に計100万円までは加算しないという措置も作られました。

 また従来からある相続時精算課税制度も一部改正が行われ、こちらにも基礎控除として年110万円までが非課税となりました。この基礎控除は暦年課税と違い「持ち戻し」ルールがなく相続時の加算がありません。

 親から子へ残す財産を少しでも多くしたい場合、もし親があまり長生き出来そうになければ相続時精算課税での生前贈与を選んだ方が有利になります。ただし、この場合8年以降の贈与では不利になる場合もあり注意が必要です。

 親から子への財産贈与は生前贈与によって相続財産を減らすのが基本です。暦年贈与を行って相続財産を減らし相続税の高い税率を回避する考え方です。

しかし今回の改正により相続時精算課税制度の活用法も変わってきますので、家族構成や財産の内容等によりどちらの制度を使うのが良いか検討していただければと思います。